【本編完結】魔眼持ちの伯爵令嬢〜2度目のチャンスは好きにやる〜

ロシキ

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1章 王国編

13話

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それは突然だった。
フィーナが熊の魔獣が立ち上がったのに気が付いて数瞬の内に魔獣が雄叫びを上げた。

「グォォォーーーーーー!!!!」

雄叫びを聞いた瞬間には体が震えだし、どんどん体が冷たくなっていくのが理解出来た。
しかも、体が冷たくなっていくと共に熊の魔獣に対する恐怖心が大きくなっていく。
恐怖心が大きくなっていくせいで体が動かず、何をすれば良いかも分からなくなっていく。

そんな中でも私はあの魔獣が2つ目の魔眼を発現させたのは理解出来た。
2つ目の魔眼の能力は、精神系の能力である事は間違いがないだろうし、恐らくは精神系の能力の中でも厄介な部類の相手に悪影響を与える能力。
しかし、分かった所で意味なんてー

そこまで考えた所で、フィーナから「ガチャ、ガチャ」という音が聞こえてきた。
音が聞こえてきたフィーナへと自然に視線が動き、フィーナが震えているのが視界に入った。

それを見た時、私は初めてフィーナが震えているのを見た。

私は20年も生きていない人間で、護衛と会話するが少なかった為に、それほどフィーナと話したことは無いし、彼女の性格も正確には知らない。

それでも彼女はとても勇敢で、呆れてしまうくらいに優しくて、どんな時でも勝ってくれる。
いわば本の中の英雄の様な存在だと思っていた。

そんなフィーナが震えて動けないでいるのを見て、私はここで死んでしまうのだろうと思った。
左目の魔眼を発現させなければ処刑台で首を吊られていた私は、これが2回目の人生。
左目の魔眼が使えば、朝に戻れるかもしれないけど、まだ効果を確認していないから前回と同じ使い方しか出来ない。
そのせいで、これから2回目のがー

そう思った時には、なにも考えずに右手を突き出して叫んだ。

「うっ、ああああー!!!氷結庭園ッ!!」

私はそう叫んで、庭の植物や花ごと氷の魔法を発動させた。
魔法とはイメージで発動させることができるものの、その威力や効果等はそれぞれの系統で違いがある。
ただ氷の魔法は凍らせる対象と、接触している場合に威力の減衰が起こりにくいと、私に奪い取られた魔眼があったらどんな風に戦うのか興味があり調べた時に本で読んだ。

その知識を活かして、フィーナ以外の周りに一切の配慮を止めて、全力で魔法を発動させた。

「はぁ~、はぁ~、はぁ~」

魔法を全力で使った影響なのか、私は息切れをしたようになったが、その成果は凄かった。
周り一面が凍りつき、その氷が空気を冷やし、息をするもの冷え過ぎた空気で肺が痛くなるし、私の体も素肌が見えている部分は、時折痛みが走る。

更には、通常植物にも薔薇に生えているような棘が出来て、太陽の光を反射しているのが、まるでガラスの世界に迷い込んだような感覚に陥らせる。

そんな世界を眺めた後で、そういえば魔獣はどうなったのかと見てみると、完全に凍りついていた。
それに安堵したと同時に、体から力が抜けて倒れてしまった。
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