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2章 対魔獣戦闘編
51話
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「独立しようとする者を順次殺している?な、なんでそんなことを?」
私がそう聞くと、ミューは困ったような笑みを浮かべた。
「フロービス。率直に言って、今の王国と帝国は混沌としていると思いませんか?」
「混沌、確かに混沌としていると言えば、混沌としていると思うわ」
「では、なぜ混沌としているのか、答えられますか?」
「それは王国なら帝国に対する感情、帝国なら王国に対する感情が統一されておらず、それぞれの地域によっては会っただけで殺し合う様な所と、相手が自国民ではなくとも全く気にしない所が混在しているためね」
「ええ、その通りです。この問題は一見すると、それぞれの感情をなんとかすればいいように見えますが、その実貴族達が煽っている事でもあります」
「貴族達が、自領の人間に対して、相手国の領民に敵意を持つように誘導していると?」
私がそう聞くと、ミューはその通りだと頷いた。
「ええ、相手国に敵意、出来れば殺意を抱いてほしいと願っている古参の貴族は多いでしょうね」
「古参の貴族が?」
「はい。そして、その古参の貴族達が民を煽っている理由こそが、私達がこの様な場所に来ている理由となります」
「つまり、私達にその貴族を始末しろと?」
「言い方は悪いですが、それに近いですね。民を煽っている貴族達に力を示して欲しいのです」
私とフィーナがミューの言葉に顔を顰めると、ミューは苦笑いしている様な雰囲気で言った。
「まあ、そうイヤそうな顔をしないでくださいよ。貴族達をなんとかすれば、私達の主目的に向けて、ようやく動ける様になりますから」
「はぁ~、つまりその貴族達を黙らせから、しなければいけない何らかの事がある、ということね?」
「ええ、まぁ、そうですね」
「で、そのしなければいけないことは?」
私がそうじっとりとした目で問いかけるも、ミューは答える気が無いのか答えなかった。
「今後の予定になりますが、まず民を煽っている貴族達を王国、帝国に関わらず全員集めてありますので、そこで2人には力を示してもらいます。
その方法はこちらで用意していますから、旅に出でから続けている鍛錬を続けられるようにお願いしますね?」
ミューはそこまで言うと、馬車の外を見始めた。
しかし、私とフィーナはその言葉の先があると信じて、ミューに目を向け続けるも、ミューは全くこちらを見なかった。
「はぁ~、主目的は話す気がないと」
私はそうため息をついてから、横に座っているフィーナに話しかけた。
「主目的は、フロービス伯爵邸で見た紙に書いてあった『終わり』とやらだと思うけど、何か分かる?」
私がフィーナにそう質問すると、フィーナは困ったような顔をして首を横に振った。
私がそう聞くと、ミューは困ったような笑みを浮かべた。
「フロービス。率直に言って、今の王国と帝国は混沌としていると思いませんか?」
「混沌、確かに混沌としていると言えば、混沌としていると思うわ」
「では、なぜ混沌としているのか、答えられますか?」
「それは王国なら帝国に対する感情、帝国なら王国に対する感情が統一されておらず、それぞれの地域によっては会っただけで殺し合う様な所と、相手が自国民ではなくとも全く気にしない所が混在しているためね」
「ええ、その通りです。この問題は一見すると、それぞれの感情をなんとかすればいいように見えますが、その実貴族達が煽っている事でもあります」
「貴族達が、自領の人間に対して、相手国の領民に敵意を持つように誘導していると?」
私がそう聞くと、ミューはその通りだと頷いた。
「ええ、相手国に敵意、出来れば殺意を抱いてほしいと願っている古参の貴族は多いでしょうね」
「古参の貴族が?」
「はい。そして、その古参の貴族達が民を煽っている理由こそが、私達がこの様な場所に来ている理由となります」
「つまり、私達にその貴族を始末しろと?」
「言い方は悪いですが、それに近いですね。民を煽っている貴族達に力を示して欲しいのです」
私とフィーナがミューの言葉に顔を顰めると、ミューは苦笑いしている様な雰囲気で言った。
「まあ、そうイヤそうな顔をしないでくださいよ。貴族達をなんとかすれば、私達の主目的に向けて、ようやく動ける様になりますから」
「はぁ~、つまりその貴族達を黙らせから、しなければいけない何らかの事がある、ということね?」
「ええ、まぁ、そうですね」
「で、そのしなければいけないことは?」
私がそうじっとりとした目で問いかけるも、ミューは答える気が無いのか答えなかった。
「今後の予定になりますが、まず民を煽っている貴族達を王国、帝国に関わらず全員集めてありますので、そこで2人には力を示してもらいます。
その方法はこちらで用意していますから、旅に出でから続けている鍛錬を続けられるようにお願いしますね?」
ミューはそこまで言うと、馬車の外を見始めた。
しかし、私とフィーナはその言葉の先があると信じて、ミューに目を向け続けるも、ミューは全くこちらを見なかった。
「はぁ~、主目的は話す気がないと」
私はそうため息をついてから、横に座っているフィーナに話しかけた。
「主目的は、フロービス伯爵邸で見た紙に書いてあった『終わり』とやらだと思うけど、何か分かる?」
私がフィーナにそう質問すると、フィーナは困ったような顔をして首を横に振った。
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