【本編完結】魔眼持ちの伯爵令嬢〜2度目のチャンスは好きにやる〜

ロシキ

文字の大きさ
122 / 188
3章後半 『終わり』編

121話

しおりを挟む
「時間を戻すだけが取り柄じゃないという事は、時間を進めることも出来るのですか?」

私は相変わらず察しがいいフィーナの言葉に笑みを浮かべながら頷いた。

「その通り。私の水魔法と時間魔法を使えば、巨大な岩だろうが、鋭く小さい石だろうが、固い金属だろうが簡単に無力化ができる」

私がそう言うと、ミューが怪訝な顔をしていた。

「水で岩も、石も、金属すら無力化出来るのですか?流石にしないとは思いますが、私達は命懸けでここにいるのですから、実践で実験などはしないでくださいよ?」

「流石に、そんな事はしないよ。私を何だと思ってるの?」

「・・・戦闘狂?」

「・・・」

私の問に簡潔に答えたミューに無言で殺意を覚えていると、コローナが手を上げた。

「あ、あのミュールフィス様とフロービスの精神状態が不安定なのですが」

そう言われて、確かにあの程度のやり取りで殺意を覚えているのはおかしいと思った。
そして、それを自覚して初めて、ミューが空気の効果がこれなのだと理解出来た。

ただ魔獣の巣で感じていた程の物ではないので、抑えようと思えば抑えられる。
なので、数度深呼吸をして感情を抑え込んだ。

こういう時には、無理矢理やらされた王太子妃並びに王妃教育も役に立つ。
というか、王妃教育を受けたことも記憶にあるということは、私も処刑される前はそれなりの地位にいた筈なのに、何故捕まって公開処刑されたのか。

もしも理由が分かって、それがくだらない事なら、私を公開処刑した人間全員殺してやろうか?

私がそんなことを考えていると、コローナが心配そうに私を見つめていた、

「あのフロービス?大丈夫ですか?精神の乱高下が凄いですが」

「え?あぁ、もう大丈夫。それで『終わり』の元へは、どうやっていくの?」

私はコローナの言葉を受けて、今度こそは感情を抑え込み、思考を切り替えた。
そんな私の問に、私と同じように思考を切り替えただろうミューが答えた。

「今周囲を探っています。フロービスさんが黒い何かを止めてくれたので、探りやすくなっていますね。ありがとうございます」

「ん?いや、別にそこまで意識していた訳では無いよ。それに長時間ここにいると周りの冷気で私達にも悪影響があるかもしれないから、今考えると最善手とは言い難いからな」

「確かにそうですが、それでも良い手ではありますよ。流石フロービスさんですね」

「え、う、うん。ありがとう」

私はミューに褒められて変な気持ちになってしまった。

もちろん、負の方向でおかしな気持ちなのではなく、正の方向におかしな気持ちである。
ミューには色々と振り回されているので、私はミューに遠慮を無くし、むしろ若干ではあるが憎まれ口を叩くくらいには遠慮がない。

嫌いな訳では無いので、ミューも私に憎まれ口を叩くこともあるが、私を褒めたりすることもある。
ただ、それが若干の憎まれ口も含まれているので、何時もは喜ばない。
しかし、今は素直に嬉しかった。

これも特殊な空気の効果なのだろう。
しっかり気を引き締めないと、下手をすれば敵にも気を許しそうだ。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

「地味な婚約者を捨てて令嬢と結婚します」と言った騎士様が、3ヶ月で離婚されて路頭に迷っている

歩人
ファンタジー
薬師のナターリアは婚約者の騎士ルドガーに「地味なお前より伯爵令嬢が ふさわしい」と捨てられた。泣きはしなかった。ただ、明日から届ける薬が 一人分減るな、と思っただけ。 ルドガーは華やかな伯爵令嬢イレーネと結婚し、騎士団で出世する——はずだった。 しかしイレーネの実家は見栄だけの火の車。持参金は消え、借金取りが押し寄せ、 イレーネ本人にも「稼ぎが少ない」と三行半を突きつけられた。 3ヶ月で全てを失ったルドガーが街角で見たのは、王宮薬師に抜擢された ナターリアが、騎士団長と笑い合う姿だった。 「なあ、ナターリア……俺が間違っていた」 「ええ、知ってます。でも、もう関係のない話ですね」

大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!

古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。 その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。 『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』 昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。 領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。 一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~

二階堂吉乃
恋愛
 同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。  1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。  一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。

幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない

しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。

私と母のサバイバル

だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。 しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。 希望を諦めず森を進もう。 そう決意するシェリーに異変が起きた。 「私、別世界の前世があるみたい」 前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

処理中です...