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3章後半 『終わり』編
143話(フィーナ視点)
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「はぁ、はぁ。お師、匠様?なぜ、ここに?」
私がそう聞くと、お師匠様は目を閉じながら答えた。
「私もこの扉と扉の先にある空間の消失が悲願でしたからね。それが叶いそうな兆候が見えたのですから、悲願が叶う所を見たかったんですよ。
それにボロボロで出てると思っていましたから、簡単な治療器具は持ってきました。何処か痛みを感じる場所はありますか?」
「それなら私よりもローニャ様を診てください。私は『身体強化』で、どうとでも出来ますが、ローニャ様はそうもいきませんから」
そう言って、鞘に掛けていたローニャ様を封じる魔法を解除し、ローニャ様を鞘から出した。
ローニャ様は地面に仰向けの状態で、鞘から出て来た。
お師匠様は、ローニャ様に近付き、ローニャ様の状態を確認すると首を傾げた。
「怪我をしている様子がないですね。それにただ寝ているようにしか見えません。何処か怪我をされているのですか?」
「え?怪我がない?」
私はその言葉で慌ててローニャ様に近付こうとした所で、扉の中から無数の鎖が出て来た。
それに気が付き、咄嗟に剣を構えたが、鎖は勝手に扉を閉めた。
扉は閉まっているのに、その閉まっている状態で中から鎖が飛び出している(まるで鎖が飛び出している所だけ扉に穴でも開いているように見える)のには驚いた。
しかし、その次の瞬間には扉から出ていた鎖が、動き出し扉の部分が見えなくなる程に巻き付いた。
そして、そこから鎖(扉)は、どんどん小さくなっていき、最後には私達の前から消えてしまった。
それに驚き、お師匠様に聞こうと振り返ると、お師匠様は泣いていた。
いつも巫山戯ている様な人間であるお師匠様が泣いていたのに驚いていると、お師匠様が消えた扉の位置を見続けながら呟いた。
「ようやく、ようやく悪夢が終わったよ」
この時、基本的に敬語で話をするお師匠様が、その時だけは幼く見えた事が、とても印象に残った。
◇
私とお師匠様が扉の消失を見届けてから、早くも一ヶ月が経過してしまった。
お師匠様は『その内に目が覚めるはず』と言っていたし、ローニャ様を見た医者も同じ事を言っていた。
しかし、一ヶ月も目を覚まさないローニャ様には様々な物が足りなかった。
着替えや排泄物は殆ど無かった。
おそらく、その一番の理由はローニャ様が目を覚まさない関係で、ローニャ様が栄養を取っていないからだろう。
数日はそれでも心配になるだけだったが、栄養を取ることが出来ないローニャ様は、どんどん痩せていった。
このままでは亡くなってしまうと思い、ローニャ様になんとか栄養を取って頂こうとしたが、どんな方法も上手く行かなった。
最終手段として、人の体を操る傀儡魔法の術者がローニャ様に食事だけでも無理矢理食べさせようもしたが、ローニャ様を傀儡魔法で操る事自体が不可能で、断念された。
かろうじて水だけは空いた口から流し込めるが、ほかは無理だった。
それらの事情から、ローニャ様が後1週間目を覚まさなければ、亡くなってしまうと医者に言われた。
それを聞いて、私はローニャ様が眠っているベットの脇で祈ることしかできなかった。
「早く、早く起きてください。ローニャ様」
私がそう聞くと、お師匠様は目を閉じながら答えた。
「私もこの扉と扉の先にある空間の消失が悲願でしたからね。それが叶いそうな兆候が見えたのですから、悲願が叶う所を見たかったんですよ。
それにボロボロで出てると思っていましたから、簡単な治療器具は持ってきました。何処か痛みを感じる場所はありますか?」
「それなら私よりもローニャ様を診てください。私は『身体強化』で、どうとでも出来ますが、ローニャ様はそうもいきませんから」
そう言って、鞘に掛けていたローニャ様を封じる魔法を解除し、ローニャ様を鞘から出した。
ローニャ様は地面に仰向けの状態で、鞘から出て来た。
お師匠様は、ローニャ様に近付き、ローニャ様の状態を確認すると首を傾げた。
「怪我をしている様子がないですね。それにただ寝ているようにしか見えません。何処か怪我をされているのですか?」
「え?怪我がない?」
私はその言葉で慌ててローニャ様に近付こうとした所で、扉の中から無数の鎖が出て来た。
それに気が付き、咄嗟に剣を構えたが、鎖は勝手に扉を閉めた。
扉は閉まっているのに、その閉まっている状態で中から鎖が飛び出している(まるで鎖が飛び出している所だけ扉に穴でも開いているように見える)のには驚いた。
しかし、その次の瞬間には扉から出ていた鎖が、動き出し扉の部分が見えなくなる程に巻き付いた。
そして、そこから鎖(扉)は、どんどん小さくなっていき、最後には私達の前から消えてしまった。
それに驚き、お師匠様に聞こうと振り返ると、お師匠様は泣いていた。
いつも巫山戯ている様な人間であるお師匠様が泣いていたのに驚いていると、お師匠様が消えた扉の位置を見続けながら呟いた。
「ようやく、ようやく悪夢が終わったよ」
この時、基本的に敬語で話をするお師匠様が、その時だけは幼く見えた事が、とても印象に残った。
◇
私とお師匠様が扉の消失を見届けてから、早くも一ヶ月が経過してしまった。
お師匠様は『その内に目が覚めるはず』と言っていたし、ローニャ様を見た医者も同じ事を言っていた。
しかし、一ヶ月も目を覚まさないローニャ様には様々な物が足りなかった。
着替えや排泄物は殆ど無かった。
おそらく、その一番の理由はローニャ様が目を覚まさない関係で、ローニャ様が栄養を取っていないからだろう。
数日はそれでも心配になるだけだったが、栄養を取ることが出来ないローニャ様は、どんどん痩せていった。
このままでは亡くなってしまうと思い、ローニャ様になんとか栄養を取って頂こうとしたが、どんな方法も上手く行かなった。
最終手段として、人の体を操る傀儡魔法の術者がローニャ様に食事だけでも無理矢理食べさせようもしたが、ローニャ様を傀儡魔法で操る事自体が不可能で、断念された。
かろうじて水だけは空いた口から流し込めるが、ほかは無理だった。
それらの事情から、ローニャ様が後1週間目を覚まさなければ、亡くなってしまうと医者に言われた。
それを聞いて、私はローニャ様が眠っているベットの脇で祈ることしかできなかった。
「早く、早く起きてください。ローニャ様」
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