【本編完結】魔眼持ちの伯爵令嬢〜2度目のチャンスは好きにやる〜

ロシキ

文字の大きさ
163 / 188
番外編 『王国学園』編

17話

しおりを挟む
講義の時間になり、学園が用意した魔眼所持者と学生本人、更に護衛の戦闘を見て飽き飽きしていた私はため息をついた。

「はぁ~、魔眼所持者に魔眼所持者から身を守る術を教えてどうするのか。戦ったほうが早いのに」

「まあ、護衛との連携は大切ではないですか」

「私はそこらの護衛よりは余程強いから意味無いよ。それに、連携を必要とされる相手が残っているとは思えないな」

「あ~、それはまあ、確かに」

フィーナが苦笑いしながら私の言葉を肯定した。

そんなフィーナの言葉を聞いて、学園が用意した魔眼所持者達は眉を顰めた。
そんな魔眼所持者の中から1人が、私達に近付いてきた。
その魔眼所持者は私達に諭すように言った。

「確かに魔眼所持者が、この講義を受ける意味は薄いが、無駄ではないよ。どんな人でも、何時かは衰えてしまう。そうなった時に、この講義は役に立つはずだよ」

「衰えるまで、こんな無駄な講義を覚えている自信が無いので、無駄ですね」

私が正論で返すと、私に諭してきた魔眼所持者はため息をついてから、言った。

「確かにそうだね。でも、私も臨時講師として呼ばれている以上は、生徒に教えを与えなければならない。

だから、君には一度体験してもらおう」

私が講師の言葉に眉を顰めた瞬間に、体が重くなった。
更に、そこから加速度的に体が重くなり、全身に力が入らなくなるまでは早かった。

そこで咄嗟に私の手を見ると、まるで老婆になった様に皺くちゃだった。
それを見て、これは精神系の攻撃なのだと悟り、前方に魔法を放った。

「『氷結庭園』」

「がっ!?」

私が魔法を発動させると、小さく悲鳴が聞こえてきた。
その悲鳴が聞こえて来たタイミングで、皺くちゃだった手が元のハリのある手に戻った。

それを見てから、振り返りフィーナに問いかけた。

「ねえ、フィーナ。今のは、私個人に掛けられた幻術?それとも周りにも掛けられた幻術?」

「ローニャ様個人に掛けられたものでしたよ。まあ、それを術者を倒す事で解いたようですが」

「そう。まあ、講師なのだから、倒されるて恥をかく覚悟も出来ていたでしょうし、問題ないでしょ」

「ええ、問題ないかと。しかし、魔法は解除した方が良いでしょうね」

「それは分かってるよ。『氷魔支配』」

私はフィーナに返答してから、即座に人に当たっていた魔法のみを消した。
それによって動けるようになった、私に氷漬けにされていた魔眼所持者に、皮肉に聞こえるように笑い掛けた。

「先程の魔法は中々いいご教授でしたね。私の魔法も貴方様の教えになると良いのですが」

魔眼所持者は私の言葉に顔を真っ赤にした。
私はそれを無視して、こちらをチラチラと見つつも続いている講義を眺め、早く終わらないかと心の中でぼやいていた。




※本日から新作『異世界チートスキル持ちの奴隷は逆異世界転移させられる』の投稿を開始しました。
興味がある方は、この作品と合わせお読み下さい。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

「地味な婚約者を捨てて令嬢と結婚します」と言った騎士様が、3ヶ月で離婚されて路頭に迷っている

歩人
ファンタジー
薬師のナターリアは婚約者の騎士ルドガーに「地味なお前より伯爵令嬢が ふさわしい」と捨てられた。泣きはしなかった。ただ、明日から届ける薬が 一人分減るな、と思っただけ。 ルドガーは華やかな伯爵令嬢イレーネと結婚し、騎士団で出世する——はずだった。 しかしイレーネの実家は見栄だけの火の車。持参金は消え、借金取りが押し寄せ、 イレーネ本人にも「稼ぎが少ない」と三行半を突きつけられた。 3ヶ月で全てを失ったルドガーが街角で見たのは、王宮薬師に抜擢された ナターリアが、騎士団長と笑い合う姿だった。 「なあ、ナターリア……俺が間違っていた」 「ええ、知ってます。でも、もう関係のない話ですね」

大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!

古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。 その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。 『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』 昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。 領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。 一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~

二階堂吉乃
恋愛
 同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。  1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。  一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。

幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない

しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。

私と母のサバイバル

だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。 しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。 希望を諦めず森を進もう。 そう決意するシェリーに異変が起きた。 「私、別世界の前世があるみたい」 前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

処理中です...