黒色の令嬢と金色の側近

ロシキ

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1章 令嬢の決闘

3話 2人の『異能』

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ニードレッドによって生き返った兵士達は私に化け物を見るような目を向けてきた。
まあ、人を簡単に殺したから、それも仕方ないかもしれない。

実は私には感情の起伏というものがない。
今までのはっきりとした感情を行動や表情に出していたのは『異能』を発現させるまでと、お母様が亡くなったときに自然と流れた涙くらいだろう。

それの理由として、『異能』は『異能』の能力が発現すると代わりに発現させた人間から何かを奪うからだ。
例えばニードレッドの例を上げれば彼女は『異能』を発現させた時に子供を作る機能を失った。
一応行為は出来るけど、子供は絶対に出来ないと医師が言っていた。

この様に『異能』には代償があり、私の代償は感情の全て。
因みに私の『異能』の発動イメージとしては、感情の全てが無という感情に塗り潰されている為に、その黒を相手にも押し付け、その黒で塗り潰すあるいは染め上げている。

少し話が逸れてしまったけど、私には恐怖や嫌悪といった感情も無という感情によって感じないために特に人殺しを忌避する事も無いのだ。
そしてニードレッドも孤児であり元極貧区(税金すら払えず、盗みや殺し等の犯罪行為も日常茶飯事に行われている場所)の住人だった為に殺人を忌避しない。

そのために平然としていた私達だったが、馬鹿はそんな私達を見て化け物を見る様な目を向けてきた。

「こ、この化け物共め!!そんなに簡単に人を殺せる等、やはり貴様らは化け物であり、アリスを虐めた極悪人だ!!

国有奴隷化など生ぬるい!!この場で殺してくれる!!」

そう叫び、再び兵士達に指示を出そうとしていた馬鹿の先手を取って、私は疑問に思っていた事を口に出した。

「私達はソレを虐めていないのですが、何処からソレが虐められたという話が出たのですか?」

私がそう言うと、馬鹿とその側近達は私の言葉を聞いて、直前まで私に化け物を見る目で見たのも忘れて、怒り出した。

「な、なんだと!?貴様らはアリスが『異能』に目覚め、その『異能』が他者の『異能』を封じるものだと分かった瞬間から、アリスに『異能』の力を使っていたのだろう!!」

「それは私の『異能』ですか?それともニードレッドの『異能』ですか?それと使われた『異能』の詳しい効果は?」

「な、なぜそんな事を貴様らに話さなければならんのだ!!」

「それは私とニードレッドが使用する『異能』が強すぎるからですよ」

「な、なんだと」

「ば、こほん、殿下も先程見たでしょうか?私の『異能』は手加減、というよりも威力の強弱をつけることが出来ませんから、どんな形でも『異能』を使用した痕跡が現れます。それ故に私の『異能』による攻撃痕が無いソレには、私の『異能』による攻撃または害された行為というのが無いのです。

次にニードレッドですが、ニードレッドの『異能』は『異能者』の中でも特に特異な時間操作系です。故にニードレッドの『異能』は通常の『異能者』相手ならば最強。もしもニードレッドがソレを害そうとした場合、ソレは抵抗すら出来ずに害されて終わりです。

お分かりですか?要するに例えソレが『異能者』になったとしても、現『異能者』の中でも最強である私と他の『異能者』の『異能』に干渉されないという特殊な性質を持っている私が居ないければ最強といえるニードレッド相手に、生きていられている時点で私達はソレを相手にしていない、ということですよ」 

「そ、それは」

私の言葉に馬鹿は反論できないのかたじろいだ。 そもそも殺しがどうとか言っても、私とニードレッドに殺しを強要し、国の防衛の一部を丸投げしたのは王家でしょうに、何を馬鹿な事を言っているのか。

因みに王家が私とニードレッドに丸投げしたのは、『害獣』並びに『異害獣』という獣よりも強く人間を害する生命体と密入国してくる外敵を排除すること。
外敵の排除は外敵がほとんど人間なので殺しなんてなれるし、『異害獣』は熟練の戦士達(騎士や兵士も含む)が簡単に殺される『害獣』版の『異能者』。
そんな相手と殺し合っていれば、そこら辺の兵士を殺すなんてことは息をするのと同じくらいに簡単に出来るようになる。

ただ『異害獣』の『異能』が発言していない状態である『害獣』を始末して回るのだけは、まだ少しなれない気がする。
何せ『異害獣』とは『異能』を発現させた『害獣』のことであり、『害獣』自体には害もなく本来ならば殺さなくとも良いところを『異害獣』になると危険だからという理由で殺して回るのは、流石に違うかなと思っている。
まあ、それでもやれと言われて給金も出ているからやっているけど。
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