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1章 第2部 街へと二人目
28話 先へと(エリーシア視点)
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都市級魔法、それは過去の魔法使いの内でも英雄や賢者等と呼ばれた者達が、己の全ての魔力を使用しなければ使用出来なかった魔法。
よって当然ストレンス殿がいくら強くとも、残りの魔力が少なすぎて使用出来ないと思っていた。
しかし、そんな私の考えをストレンス殿は超えてきた。
「『血集玉』」
ストレンス殿がそう呟いた瞬間、私は全身に鳥肌がたった。
それは、そのあまりの魔力量と魔法が発動された為だった。
ストレンス殿が『血集玉』と呟いた瞬間から、私とアイミナ以外の周囲全ての魔物が悲鳴を上げ始めた。
そして、悲鳴上げている魔物達から血が体の内側を破るようにして飛び出し、ストレンス殿の左手に集まりだした。
その集まりだした血はストレンス殿が自身の前方に突き出している手のひらに集まり、そこから血で大きな丸い玉を作り出し始めた。
その血の丸はどんどん大きくなり、ストレンス殿の左手の二の腕部分さえもその血の玉の内側に取り込まれた。
ストレンス殿の左手が血の玉に取り込まれてから、ストレンス殿は苦しむような声を時折上げているが、私やアイミナが近づこうとすると「近づくな!!」と言われた。
その力強さに足を止めてしまった私達は、その場からストレンス殿の魔法を見ていた。
周囲全ての魔物から血を吸い尽くした血の玉は最初は凄く小さかったのに、今では家が一軒丸々入る程の大きさになっていた。
その血の玉から顔を逸して私達の方を見たストレンス殿は顔を青くしながら言った。
「悪いが、この玉を撃ったら気絶する。だから、俺を抱えて撃った玉を全力で追いかけろ。
玉は持続力を優先したから、上手くすればダームス王国の方に抜けられる」
そう言ってから前方にストレンス殿は血の玉を撃った。
そして、血の玉を撃ったストレンス殿は自身の宣言通りに気絶した。
倒れようとするストレンス殿の体を私は急いで抱きとめて、アイミナの方を見ながら言った。
「急ぐぞ、アイミナ殿!!あの血の玉と離れ過ぎれば危険だ!!」
私がそう言うと、アイミナ殿は息切らしながら頷いた。
それ見てから私達は血の玉を追いかけて走り始めた。
そんな血の玉は私達が想像していたよりも早かったため、私達は魔術で『身体強化』を発動させて血の玉を追いかけた。
というか、戦闘の時から思っていたが、アイミナ殿は魔法使いなのか?
戦闘時などは『風爪』という人が使うには、あまり向いていない魔術をかなり短い詠唱で使っていたのにも関わらず、一撃で『キライマ』を倒していた。
それに『身体強化』も無詠唱では無かったが、『我が体を強くするのです!!』ではまともに発動しないはずだが、アイミナ殿は発動出来ている。
いや、考えるのは後だ。
今は少しでも魔術を発動させることに意識を割かなければ。
◇
どれだけ走っているだろうか。
素の身体能力なら1日ほどならば走っていることができるが、魔術で『身体強化』をしていたは魔力が無くなれば終りだし、戦闘から合計すれば半日は確実に経っているはず。
魔法使いではない私は自身の魔力の残量を確かめるには、魔術が必要であり『身体強化』を一度解かなければならない。
しかし、そんな暇は無く、かなり小さくなっているが未だに『血集玉』は進んでいるために、『身体能力』は解けない。
いつ切れてもおかしくはない『身体強化』に冷や汗をかいていると、小さく声が聞こえてた。
「ぅっ」
「ストレンス殿!!大丈夫ですか!?」
ストレンス殿が目が覚ましたタイミングで、ストレンス殿の体を見ると左腕が乾燥させられた木の様になっていた。
それを初めて認識した私は声を上げそうになったが、ストレンス殿はそんな私の口に右手を首を横に振った。
それが「何も言うな」という事だと分かり、私は顔を歪めた。
ガァン!!
そんな時、前方から大きな音がした。
私が急いでストレンス殿から顔を上げて、音の方向を見ると『血集玉』が、透明な何かに阻まれて止まっていた。
それを見た瞬間と同時に声が響いた。
「二人共、今すぐに止まれ!!」
その声はストレンス殿だった。
よって当然ストレンス殿がいくら強くとも、残りの魔力が少なすぎて使用出来ないと思っていた。
しかし、そんな私の考えをストレンス殿は超えてきた。
「『血集玉』」
ストレンス殿がそう呟いた瞬間、私は全身に鳥肌がたった。
それは、そのあまりの魔力量と魔法が発動された為だった。
ストレンス殿が『血集玉』と呟いた瞬間から、私とアイミナ以外の周囲全ての魔物が悲鳴を上げ始めた。
そして、悲鳴上げている魔物達から血が体の内側を破るようにして飛び出し、ストレンス殿の左手に集まりだした。
その集まりだした血はストレンス殿が自身の前方に突き出している手のひらに集まり、そこから血で大きな丸い玉を作り出し始めた。
その血の丸はどんどん大きくなり、ストレンス殿の左手の二の腕部分さえもその血の玉の内側に取り込まれた。
ストレンス殿の左手が血の玉に取り込まれてから、ストレンス殿は苦しむような声を時折上げているが、私やアイミナが近づこうとすると「近づくな!!」と言われた。
その力強さに足を止めてしまった私達は、その場からストレンス殿の魔法を見ていた。
周囲全ての魔物から血を吸い尽くした血の玉は最初は凄く小さかったのに、今では家が一軒丸々入る程の大きさになっていた。
その血の玉から顔を逸して私達の方を見たストレンス殿は顔を青くしながら言った。
「悪いが、この玉を撃ったら気絶する。だから、俺を抱えて撃った玉を全力で追いかけろ。
玉は持続力を優先したから、上手くすればダームス王国の方に抜けられる」
そう言ってから前方にストレンス殿は血の玉を撃った。
そして、血の玉を撃ったストレンス殿は自身の宣言通りに気絶した。
倒れようとするストレンス殿の体を私は急いで抱きとめて、アイミナの方を見ながら言った。
「急ぐぞ、アイミナ殿!!あの血の玉と離れ過ぎれば危険だ!!」
私がそう言うと、アイミナ殿は息切らしながら頷いた。
それ見てから私達は血の玉を追いかけて走り始めた。
そんな血の玉は私達が想像していたよりも早かったため、私達は魔術で『身体強化』を発動させて血の玉を追いかけた。
というか、戦闘の時から思っていたが、アイミナ殿は魔法使いなのか?
戦闘時などは『風爪』という人が使うには、あまり向いていない魔術をかなり短い詠唱で使っていたのにも関わらず、一撃で『キライマ』を倒していた。
それに『身体強化』も無詠唱では無かったが、『我が体を強くするのです!!』ではまともに発動しないはずだが、アイミナ殿は発動出来ている。
いや、考えるのは後だ。
今は少しでも魔術を発動させることに意識を割かなければ。
◇
どれだけ走っているだろうか。
素の身体能力なら1日ほどならば走っていることができるが、魔術で『身体強化』をしていたは魔力が無くなれば終りだし、戦闘から合計すれば半日は確実に経っているはず。
魔法使いではない私は自身の魔力の残量を確かめるには、魔術が必要であり『身体強化』を一度解かなければならない。
しかし、そんな暇は無く、かなり小さくなっているが未だに『血集玉』は進んでいるために、『身体能力』は解けない。
いつ切れてもおかしくはない『身体強化』に冷や汗をかいていると、小さく声が聞こえてた。
「ぅっ」
「ストレンス殿!!大丈夫ですか!?」
ストレンス殿が目が覚ましたタイミングで、ストレンス殿の体を見ると左腕が乾燥させられた木の様になっていた。
それを初めて認識した私は声を上げそうになったが、ストレンス殿はそんな私の口に右手を首を横に振った。
それが「何も言うな」という事だと分かり、私は顔を歪めた。
ガァン!!
そんな時、前方から大きな音がした。
私が急いでストレンス殿から顔を上げて、音の方向を見ると『血集玉』が、透明な何かに阻まれて止まっていた。
それを見た瞬間と同時に声が響いた。
「二人共、今すぐに止まれ!!」
その声はストレンス殿だった。
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