血の魔法使いは仲間を求める

ロシキ

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1章 第2部 街へと二人目

33話 合流

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俺が完全に魔力が空になったために、その場で座り込んでしまうと同時に結界が壊れ始めた。

「結界が壊れ始めた。ってことは、結界を張ってる本体を倒したってことか。これで、本体じゃなきゃヤバかったな。

前はもう少し上手く立ち回れたと思うんだけどな~。鈍ったかな?」

俺がそんな事を考えながら結界が壊れているのを見ているうちに、アイミナ達と合流してエリーシアを治療しないといけないのを思い出した。

それを思い出してからは魔力が空っぽでだるい体を動かしながら、2人を探した。
2人は結界の側には居なかったので、『鷹の目』で探すことになったが、遠くには行っていなかったので、すぐに見つけだした。

2人は結界から大体2kmほど先に進んだ地点におり、アイミナはエリーシアの治療をしていて、エリーシアは治療を受けているのに吐血しているのが見えた。
それを見て、俺は僅かに回復してきていた魔力を絞り尽くし2kmの距離を『転移』した。

『転移』すると俺は再び魔力が完全に無くなったので、膝から崩れ落ちそうになったが、それを耐えてエリーシアの元に移動した。
アイミナはエリーシアの治療に必死で俺に気がついていなかったが、流石に近くまで近づいたら気が付いた。

「ボス!!エリーシアがー、ボス!?その手はどうしたのですか!?」

「手?」

俺はアイミナに言われて、悪魔との戦闘が終わってから初めて自分の手を見た。
すると、俺の両手からは血が滴り落ちていて、何故手から血が出ているののかと一瞬考えた。
だが、それが悪魔の攻撃を強化していたとはいえ手で無理矢理なんとかしたからだと予想できた。

しかし、予想外だったのが、それを知覚すると急に痛みが走り出した事だ。

「いっ、つ~」

本来ならば、即座に魔法で直したいが、今はエリーシアの傷の治療を優先しなければ、下手をすれば間に合わなくなる。

「ボス!!」

アイミナが俺が痛みを感じたのを察知して、俺に『欠損回復』級の魔法を掛けようとしたが、俺を手で制した。

「待て、アイミナ。お前は『欠損回復』級の回復魔法しか使えないと上に、魔力消費が激しい。今俺に回復魔法を掛ければエリーシアを回復するために必要な魔力が足りなくなるかもしれない。だから、俺の治療は後回しで良い」

「で、でも!!」

なお言い募ろうとするアイミナに痛みで若干顔を歪めながら笑っていった。

「大丈夫だ。俺一人じゃあ、どうしようも無かったが、アイミナがこの場に移動して、なおかつエリーシアの体を治療してくれていたお陰で、全員を助けられる。

だから、前に教えた魔力を渡す魔法を発動させて俺に魔力を渡してくれ」

魔力を他人に渡す魔法並びに魔術は存在するが、渡せる魔力が消費した魔力の1/10という効率の悪さから嫌がられる魔法だが、俺とアイミナの間でのみ3/4まで魔力効率を上げられた。
アイミナは暫く悩んでいたが、すぐに俺に魔力を渡し始めた。
それを理解すると、エリーシアの治療に取り掛かった。

エリーシアは人間や魔物に存在している肉体部分は完全に治療出来ていたが、目に見えない部分である魔力を貯めておく魔力槽という心臓の隣にある臓器や魔力が全身に流れる様に通る魔官という管は見た目自体はなんともなくとも、機能の面ではボロボロだった。

本来ならば目に見えないそれらは俺が『マジックアイ』で見ているが、俺でなくては問題無しと見なされて放置されるだろう。
しかし、それらは問題無しどころか、問題おおありだ。
まず、このボロボロのままにしておけば魔力槽に魔力を貯められなくなり体内に流れている魔力分しか使えなくなるし、魔官が壊れているので体内で魔力が流れなくなるだろう。

しかも、それらは人間の構造上、本当ならば必要は無いが長い間魔力を使った『身体強化』をしている騎士や戦闘職の者達は無意識の内に体を魔力でコントロールするようになる。
これらはまだこの世界では気が付かれていないが、歴戦の英雄が一度魔力の濃度が高い場所から帰還して体を動かせなくなる事があるのは、これが原因だ。

そして、エリーシアもそれくらいには強いので魔力槽や魔官を治療しなければ、今後は動けなくなるだろうし、仮に動けたとしても主戦力の魔術が使えなくなり剣もまともに振れなくなるだろう。
それなのにー

「なんで、魔法が弾かれるんだよ!!」
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