55 / 69
2章 第1部 到着と初依頼
46話 『アサシンモンキー』
しおりを挟む
ここで『アサシンモンキー』の話をしよう。
『アサシンモンキー』は都市級の魔物に分類されており、正面戦闘自体もかなり強いが、何よりも恐ろしいのは周囲に遮蔽物がある場合や夜に戦闘をする場合だ。
『アサシンモンキー』はその名前の示す通り、暗殺に特化しており、その最たるものが遠距離からの投擲攻撃にある。
通常の投擲攻撃ならば全身鎧で防げるのだが、『アサシンモンキー』が使用してくる基本の魔法は体を強化する系統の魔法であり、投擲してくる物は完全に自然物だ。
しかも、『アサシンモンキー』の射程は森の中でも最大で2kmで、これ程の攻撃可能範囲が無ければ『アサシンモンキー』は部隊級の魔物に分類されていただろう。
その為に何処から攻撃してくるかを魔力だけでは判別不可能な上に、例え判別できたとしても相当な速度で飛んでくる自然物は避けられない事が殆どだ。
そんな『アサシンモンキー』が『緑』を冠するだけでも厄介だ。
因みに色にはそれぞれにおおよその属性があり『緑』は風や植物を操る事が得意な魔物という意味になる。
もしも『アサシンモンキー』が『緑』に部類される風の魔法が得意ならば、『アサシンモンキー』の攻撃可能範囲は何処まで広がるか分からない。
下手をすれば他国まで攻撃可能範囲になる可能性も無くはない。
一応『アサシンモンキー』の投擲という性質上、投げる先に狙いを定めなければならないので、実際に他国に攻撃をしても人里に当たる可能性も低くはあるが0では無いし、『アサシンモンキー』による攻撃で魔物を刺激して、異常発生と似ている集団暴走を起こされてはたまらない。
しかも『アサシンモンキー』は色を冠しているので国家級にされるのは確実で、『アサシンモンキー』の特性を考えると討伐が完了するまでに都市が幾つも壊滅し、下手をすれば。国が滅びてもおかしくはない。
そんな魔物が発生しているならば、確かにいち早く事実確認をしなければならないが、『アサシンモンキー』は攻撃可能範囲の関係上簡単には事実確認は出来ないだろうし、遭遇すればやばい。
その事を理解すると同時に冒険者協会の協会長が言った。
「そんな依頼は一協会の、しかも各都市にある支部だけで判断していい問題じゃないと思うが?」
「ええ、私もそう思いますので、本部に魔術師協会を通じて報告しましたが、事実確認が終わるまでは動けない、と」
「そうか。いや、確かに仕方無い面もあるか。急に国を滅ぼすことすら可能な都市級の魔物が現れたと言われても簡単には認められないね。
ただ多数の都市とこのウモーレを繋ぐ道に出たとなると、かなり不味いね」
冒険者協会の協会長が言った「不味いね」という言葉に俺とエリーシアとミーディアさんは頷き、他の冒険者や職員、アイミナは理由が分かっていなかったので、アイミナにだけ理由を説明した。
「この『ダンジョン都市』ウモーレはダンジョンがあるだけあって冒険者の数が、そこら辺の都市とは比べ物にならないほどに多い。
それに伴って他の市民や商人なんかも多いいから、食料の大半を他の都市からの輸送に頼ってる。まだ調べてないから、このダンジョンに食料庫と言われる食べられる物が多い階層があれば別だけど、売ってるものとかを見た感じなさそうだ。
だから、多数の都市とウモーレを繋ぐ道を塞がれるとウモーレは詰む。これが人間の軍隊とかなら、話はある程度簡単だけど、今回は魔物で攻撃範囲が凄いだろうからな。迂闊に動けないし、食料の輸送なんてもってのほかなんだ」
俺の説明にアイミナや他に聞き耳を立てていた者達も「なるほど(なのです)」と納得していた。
『アサシンモンキー』は都市級の魔物に分類されており、正面戦闘自体もかなり強いが、何よりも恐ろしいのは周囲に遮蔽物がある場合や夜に戦闘をする場合だ。
『アサシンモンキー』はその名前の示す通り、暗殺に特化しており、その最たるものが遠距離からの投擲攻撃にある。
通常の投擲攻撃ならば全身鎧で防げるのだが、『アサシンモンキー』が使用してくる基本の魔法は体を強化する系統の魔法であり、投擲してくる物は完全に自然物だ。
しかも、『アサシンモンキー』の射程は森の中でも最大で2kmで、これ程の攻撃可能範囲が無ければ『アサシンモンキー』は部隊級の魔物に分類されていただろう。
その為に何処から攻撃してくるかを魔力だけでは判別不可能な上に、例え判別できたとしても相当な速度で飛んでくる自然物は避けられない事が殆どだ。
そんな『アサシンモンキー』が『緑』を冠するだけでも厄介だ。
因みに色にはそれぞれにおおよその属性があり『緑』は風や植物を操る事が得意な魔物という意味になる。
もしも『アサシンモンキー』が『緑』に部類される風の魔法が得意ならば、『アサシンモンキー』の攻撃可能範囲は何処まで広がるか分からない。
下手をすれば他国まで攻撃可能範囲になる可能性も無くはない。
一応『アサシンモンキー』の投擲という性質上、投げる先に狙いを定めなければならないので、実際に他国に攻撃をしても人里に当たる可能性も低くはあるが0では無いし、『アサシンモンキー』による攻撃で魔物を刺激して、異常発生と似ている集団暴走を起こされてはたまらない。
しかも『アサシンモンキー』は色を冠しているので国家級にされるのは確実で、『アサシンモンキー』の特性を考えると討伐が完了するまでに都市が幾つも壊滅し、下手をすれば。国が滅びてもおかしくはない。
そんな魔物が発生しているならば、確かにいち早く事実確認をしなければならないが、『アサシンモンキー』は攻撃可能範囲の関係上簡単には事実確認は出来ないだろうし、遭遇すればやばい。
その事を理解すると同時に冒険者協会の協会長が言った。
「そんな依頼は一協会の、しかも各都市にある支部だけで判断していい問題じゃないと思うが?」
「ええ、私もそう思いますので、本部に魔術師協会を通じて報告しましたが、事実確認が終わるまでは動けない、と」
「そうか。いや、確かに仕方無い面もあるか。急に国を滅ぼすことすら可能な都市級の魔物が現れたと言われても簡単には認められないね。
ただ多数の都市とこのウモーレを繋ぐ道に出たとなると、かなり不味いね」
冒険者協会の協会長が言った「不味いね」という言葉に俺とエリーシアとミーディアさんは頷き、他の冒険者や職員、アイミナは理由が分かっていなかったので、アイミナにだけ理由を説明した。
「この『ダンジョン都市』ウモーレはダンジョンがあるだけあって冒険者の数が、そこら辺の都市とは比べ物にならないほどに多い。
それに伴って他の市民や商人なんかも多いいから、食料の大半を他の都市からの輸送に頼ってる。まだ調べてないから、このダンジョンに食料庫と言われる食べられる物が多い階層があれば別だけど、売ってるものとかを見た感じなさそうだ。
だから、多数の都市とウモーレを繋ぐ道を塞がれるとウモーレは詰む。これが人間の軍隊とかなら、話はある程度簡単だけど、今回は魔物で攻撃範囲が凄いだろうからな。迂闊に動けないし、食料の輸送なんてもってのほかなんだ」
俺の説明にアイミナや他に聞き耳を立てていた者達も「なるほど(なのです)」と納得していた。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる