血の魔法使いは仲間を求める

ロシキ

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2章 第1部 到着と初依頼

46話 『アサシンモンキー』

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ここで『アサシンモンキー』の話をしよう。
『アサシンモンキー』は都市級の魔物に分類されており、正面戦闘自体もかなり強いが、何よりも恐ろしいのは周囲に遮蔽物がある場合や夜に戦闘をする場合だ。

『アサシンモンキー』はその名前の示す通り、暗殺に特化しており、その最たるものが遠距離からの投擲攻撃にある。
通常の投擲攻撃ならば全身鎧で防げるのだが、『アサシンモンキー』が使用してくる基本の魔法は体を強化する系統の魔法であり、投擲してくる物は完全に自然物だ。
しかも、『アサシンモンキー』の射程は森の中でも最大で2kmで、これ程の攻撃可能範囲が無ければ『アサシンモンキー』は部隊級の魔物に分類されていただろう。

その為に何処から攻撃してくるかを魔力だけでは判別不可能な上に、例え判別できたとしても相当な速度で飛んでくる自然物は避けられない事が殆どだ。

そんな『アサシンモンキー』が『緑』を冠するだけでも厄介だ。
因みに色にはそれぞれにおおよその属性があり『緑』は風や植物を操る事が得意な魔物という意味になる。

もしも『アサシンモンキー』が『緑』に部類される風の魔法が得意ならば、『アサシンモンキー』の攻撃可能範囲は何処まで広がるか分からない。
下手をすれば他国まで攻撃可能範囲になる可能性も無くはない。

一応『アサシンモンキー』の投擲という性質上、投げる先に狙いを定めなければならないので、実際に他国に攻撃をしても人里に当たる可能性も低くはあるが0では無いし、『アサシンモンキー』による攻撃で魔物を刺激して、異常発生と似ている集団暴走スタンピードを起こされてはたまらない。

しかも『アサシンモンキー』は色を冠しているので国家級にされるのは確実で、『アサシンモンキー』の特性を考えると討伐が完了するまでに都市が幾つも壊滅し、下手をすれば。国が滅びてもおかしくはない。
そんな魔物が発生しているならば、確かにいち早く事実確認をしなければならないが、『アサシンモンキー』は攻撃可能範囲の関係上簡単には事実確認は出来ないだろうし、遭遇すればやばい。

その事を理解すると同時に冒険者協会の協会長が言った。

「そんな依頼は一協会の、しかも各都市にある支部だけで判断していい問題じゃないと思うが?」

「ええ、私もそう思いますので、本部に魔術師協会を通じて報告しましたが、事実確認が終わるまでは動けない、と」

「そうか。いや、確かに仕方無い面もあるか。急に国を滅ぼすことすら可能な都市級の魔物が現れたと言われても簡単には認められないね。

ただ多数の都市とこのウモーレを繋ぐ道に出たとなると、かなり不味いね」

冒険者協会の協会長が言った「不味いね」という言葉に俺とエリーシアとミーディアさんは頷き、他の冒険者や職員、アイミナは理由が分かっていなかったので、アイミナにだけ理由を説明した。

「この『ダンジョン都市』ウモーレはダンジョンがあるだけあって冒険者の数が、そこら辺の都市とは比べ物にならないほどに多い。

それに伴って他の市民や商人なんかも多いいから、食料の大半を他の都市からの輸送に頼ってる。まだ調べてないから、このダンジョンに食料庫と言われる食べられる物が多い階層があれば別だけど、売ってるものとかを見た感じなさそうだ。

だから、多数の都市とウモーレを繋ぐ道を塞がれるとウモーレは詰む。これが人間の軍隊とかなら、話はある程度簡単だけど、今回は魔物で攻撃範囲が凄いだろうからな。迂闊に動けないし、食料の輸送なんてもってのほかなんだ」

俺の説明にアイミナや他に聞き耳を立てていた者達も「なるほど(なのです)」と納得していた。
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