血の魔法使いは仲間を求める

ロシキ

文字の大きさ
56 / 69
2章 第1部 到着と初依頼

47話 現場へ

しおりを挟む
俺がアイミナにそう説明してからは、出来るだけ早く動いた。
なんかこのまま冒険者協会に残ってたら、カイトばかに絡まれそうだったから、報酬と達成条件、期限、出現した場所を聞いてからすぐに冒険者協会は出た。

報酬は発見で金貨50枚、討伐(買い取りは別)で白金貨1枚、達成条件は『アサシンモンキー』を発見する事か討伐することで、討伐出来ないなら誤っても傷つけないこと、期限は本部にする報告の関係上最大限待って今日から2日後の夜で見つからなくても見つかっても2日後の夜には街に戻ってくることが条件に含まれている。
しかも俺達が『アサシンモンキー』にやられたときの事を考慮して戻って来なければ、俺達は死んだことになり『緑』の『アサシンモンキー』の発生が濃厚という報告をするそうで、出現した場所はウモーレから馬車で半日行った所だそうだ。

その話を聞いてから、必要な物はすぐに買い揃えてウモーレを出て、魔力を節約するために『身体強化』を最低限(倍率は1.1倍)で発動させて走って移動した。
そして、詳細を聞いてから最短で街を出たとはいえ移動にある程度の時間が掛かり、夕方の時刻の現在でやっとウモーレから大体馬車で半日くらいの辺に差し掛かった。

「ちっ、『アサシンモンキー』の破壊痕を見つけるのに思ったり時間がかかってるな。『緑』の『アサシンモンキー』ならもっと簡単に見つかると思ってたのに、見つからないなんて」

「焦っても仕方ありません。それに『緑』の『アサシンモンキー』の発生を商人協会が把握出来ているなら風の魔法が得意なのでしょう。

それならば気は抜けませんから、下手に焦らないほうが良いですよ。まあ、私もですが」

詳細を聞いてからかなり飛ばしてきたのに夕方になっても手掛かりも見つからない俺が焦ったようにそう言うと、エリーシアがそう返してきた。
エリーシアも表面上は取り繕っているが、内心はいつ『アサシンモンキー』に攻撃を受けてもおかしくはないのに、未だに攻撃痕すら見つからない状況に相当焦っていた。
唯一アイミナは焦ってはいないが、俺とエリーシアがかなり警戒している相手なので少し緊張の色が見えた。

自分の焦りや予想できるアイミナとエリーシアの心情から、流石にこのまま『アサシンモンキー』に狙われたら大きなミスをしかねないと判断したので、一旦休憩をしようと声を出そうとした瞬間、アイミナが叫んだ。

「ボス!!血の匂いなのです!!かなり薄いですが、真っ直ぐ行けば血の匂いの元とぶつかりそうなのです!!」

それを聞いた俺は一度足を止めて、2人に言った。

「2人共、『アサシンモンキー』は魔法によってこちらの位置を正確に把握して攻撃を仕掛けてくる。だから、ここから今まで以上に注意しろよ。

それと『身体強化』の魔法を反動がない範囲で最大限まで上げておくのも忘れるなよ。なにせ『アサシンモンキー』の攻撃なんてただてさえ、強化してない肉体なら即死、良くても四肢が千切れ飛ぶ。それ程の威力に風の魔法が乗れば、例え魔法で強化していても相当なダメージは負うはずだ。

避けれなくても、四肢を犠牲にしてでも直撃は避けろよ。生きてれば魔法でどんな状態でも魔法で回復させられるから、躊躇わずにやれ。いいな?」

俺がそう言うと、2人は頷いた。
それを見てから自身の『身体強化』を反動が無い5倍まで上げてから、再び移動を開始した。

そうして暫く行くと『アサシンモンキー』の破壊痕と思われるものを見つけた。

「これは、酷いな。遠距離から大岩を投げつけられただけなら、もう少しマシだったろうに。大岩に風の刃がエンチャントされてたのか?脳や腸がぐちゃぐちゃに混ざりあってる。

これは、よく報告出来る人間がいたな」

そう俺が呟き、せめて遺体に布を被せようと近づいたとき、『アサシンモンキー』の攻撃が開始された。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない

しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―

ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」 前世、15歳で人生を終えたぼく。 目が覚めたら異世界の、5歳の王子様! けど、人質として大国に送られた危ない身分。 そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。 「ぼく、このお話知ってる!!」 生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!? このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!! 「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」 生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。 とにかく周りに気を使いまくって! 王子様たちは全力尊重! 侍女さんたちには迷惑かけない! ひたすら頑張れ、ぼく! ――猶予は後10年。 原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない! お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。 それでも、ぼくは諦めない。 だって、絶対の絶対に死にたくないからっ! 原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。 健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。 どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。 (全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...