剣士アスカ・グリーンディの日記

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第2章 竜の血を持つ者

竜族として(for three days)

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北の大陸スキューエルハにあるウルヘイド王国ヴィルアズ王の殺害に向け、すでに計画は立てられていた。

ダマズル司教の死は偽装、真に動く計画を伝える、その計画の歯車となれ、そういった手紙をヴィルアズ王の元へ届く様に仕向けたらしい。

ブルーシーズがヴィルアズ王をおびき出し、そこで彼を討つ。

疑う事もなく、来るだろう、と。

いい様に使われ、そしていい様に殺された。

白灰千王竜ホローエヴァルドドラゴンの、執念の牙が、ヴィルアズ王の喉元に突き刺さるのだろう。

自業自得。

それで、君は人間と決別し、竜が竜らしく生きる世界へ、戻るのだ。

僕も、君と共に、

行けるのだろうか。



ライフの24日
           サンクトペーテルグの家にて
___________________

市場に行くと、視線を感じた。

1人の口髭を生やした男。大きな体をしている。

宝石を扱う男。

この前に、僕に話しかけたウイプル王国の兵が、言っていた男。

宝石商のカルガス。

お代は、頂いてます、何なりと。

そう言ったこの男の目も、戦場を知る目をしている。

この者達は、ここで何をしている。

何か、目的があるのだろう。

この街、または近隣国で、何か。



ライフの25日
           サンクトペーテルグの家にて
___________________

僕は、ブルーシーズに対して、少しの疑念があった。



彼は、守護竜として、守り続けたウルヘイド王国だったが、裏切りにより、そこで多くの同族を失った。

それでも、ダマズル司教を討ち、ウルヘイド王国がドメイル教との関係を絶つきっかけを与え、様子を見た。



ダマズル司教を討ち、遠い地でも、場所を移動せずに対話ができる方法をなくした。



国王がハイケッセイの時は、ドメイル教への忠誠はなかったのだろう。

父が死に、息子のヴィルアズが王に就いた。

そして守護竜を殺し、ドメイル教団への忠誠を。

ヴィルアズは悪魔の様な男か。

それであれば、ダマズル司教ではなく、真っ先にヴィルアズを殺していたはず。

猶予は、与えるはずがない。

君は、ヴィルアズをよく知っているのではないか。



悪魔の様な、男ではない。



それなら、君には、ヴィルアズ王を斬れはしない。



僕達は、お互いが竜族として自覚するために、お互いを必要としているのかも知れないな。

竜血がより活性化すれば、僕も人と離れなければならない。

ここが、分岐点だ。



ブルーシーズ。



僕は、ウイプル王国を捨てるよ。



竜族の敵討ちをして、



竜族としての道を、選ぶ。



君は、ウルヘイド王国を捨てろ。



ヴィルアズ王は、



僕が殺す。



ライフの26日
           サンクトペーテルグの家にて
___________________
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