42 / 113
第2章 竜の血を持つ者
アスカ・グリーンディの日記
しおりを挟む
その時の、僕の視線の先には、僕とブルーシーズが出会い、暮らした岩山が見えていた。
もう少しで、到達する。
翼竜になった僕は、その岩山目がけて、出せる力を振り絞り、突進していった。
その時、僕に、呼びかける声がしたんだ。
気のせいだと思っていたけれど、僕より少し小さい紅い翼竜が、僕に呼びかけていた。
ウイプル王国で、僕と仲の良かった、ベルベッタだった。
ベルベッタは、僕が竜の姿でも、僕だと気づいたんだ。
僕がこれから何をやろうとしているかを知り、
ベルベッタは、僕に体を寄せたり、ぶつかったりして、飛行する速度を落とそうとしていた。
僕は、もうこの命を終わらせよう、そう思っていた。
ベルベッタ、君は、僕の事を気にする必要はないんだよ。
君は自由なんだから。
もう、戻って来なくて、いいんだよ、と。
それは、ベルベッタに、伝わった様に感じた。
この時に、竜同士、言葉が話せなくても、意思疎通は、できるんだと、気づいたんだ。
僕は、速度を上げ、ベルベッタを離れさせる様に弾いて、岩山に突進していった。
岩山へ、飛行速度を上げる様にして、頭から突撃した。その強い衝撃で、頭から血を流して、僕は平衡感覚を失った。脳震とうを起こしている。飛行からの突進はできないから、僕は、長い首を振り回し、遠心力で頭を何度も、岩山に叩きつけた。
血が飛び散る度に、僕の心が少しずつ、軽くなっていく気がしたんだ。
これは、僕自身への罰だ。
お母様、
ブルーシーズ、
ウイプル王国のみんな、
僕は、竜の血を持つ者として、あまりにも無能過ぎた。
誰も、助ける事は、できなかったんだよ。
気の利いた言葉さえ、かけてあげられなかった。
混乱を招いて、近くにいる者に死を与える。
それが、僕。
僕の人生の幕を下ろすしかない。
僕の意識が朦朧として、それでも意識があるうちは、頭を岩山に打ち続け、そして死んでいこう、と。
そう思っていたのに。
ベルベッタが僕を助けようと身を投げ出して、僕の頭の衝撃をまともに受けてしまった。
ベルベッタ、止めてくれ。もう、誰も僕を助けようとする必要はないんだ。
君までが、死んでしまう。
ベルベッタ。
僕に、ベルベッタは小さな鳴き声を出した。
僕は、それを訊いて、ベルベッタが何を言いたいのかが伝わり、死に逸る僕の気持ちの根を抜かれた様に、脱力して、俯いた。
ベルベッタは、僕が死んでいなくなるのは、淋しい、って。
一緒に、竜の山に行こう、って。
僕は、竜を殺してしまうから、それは、できない。
それは、できないけれど。
目から温かいものが流れているのを感じた。
僕は、泣いている事に、気づいた。
悲しいんじゃない。
その誘いには、乗れないけれど。
嬉しくて、
嬉しくて。
必要だと、少しでも思ってくれる事が、こんなにも、僕を嬉しくさせた。
___________________
僕は、その時、遠く離れた所で、細長く流れる土埃を感じたんだ。
視力は、人間の時の何百倍にもなっている。ただ、眩暈を起こしているせいか、景色がぶれてはいた。
何とか、聖バハール軍の旗印が見えた。進軍しているんだ。
まだ、戦争は続いている。
その進む先には、何処の国があるのか。この間の、ドメイル教の集会では、ウイプルとの戦いが終わっていない内容の話をしていた。
僕は、関わらない方がいい。お互いに傷つかない。
僕は、
ウイプルの思い出を仕舞い込み、
終わりにする。
でも、
それで、
いいのだろうか。
僕は、後悔はしないのか。
ウイプル王国は、ドメイル教信仰国の標的にされつつある。ウイプルの状況は、どうだろうか。優勢とは、思えない。
お母様から託された。
あの、ウイプル。
ベルベッタ、君とは、よくティールの丘で遊んでいた。
あの時は、お母様もいて、僕も幸せだった。
あの頃には、戻れないけれど、でも、あの場所は、かけがえの無い、思い出の場所。そして、その他の場所も、出会いがあり、そして思い出となった。
大切なもの。
ウイプルは、僕の故郷だ。
僕は、どうして、きれいに好かれようとしているんだ。
僕は、どうしたいのだろう。
答えは、もう出ていたんだ。心の奥底では、ずっと前から。
僕は、ベルベッタの頭を撫でる様に、僕の頬で撫でた。
ありがとう、君のおかげだ、と伝えた。
僕はふらつきながら、岩山から飛び立ち、聖バハール軍が
向かう先を目で辿った。
そのずっと先には、ウイプル王国がある。
聖バハール軍の兵数は、300人程度に感じた。
聖バハール軍も、兵力がかなり消耗しているのだろう。思った以上に、少ない。
ウイプルは、この進軍を知っているのか。
もう、迷わない。
これ以上。
僕は、翼を大きく羽ばたかせ、ウイプルへ向かった。
以前と同じく、静まり返っていたウイプル。誰一人見当たらない。それでも、僕はウイプルを大きく旋回して、咆哮した。
一回。
誰も見当たらない。見張りも立たせていないのだから、本当にいないのか。本当に、滅んでしまっているのか。では、サンクトペーテルグで出会ったあの者達は。
不安にそう思いながらも、さらに旋回していった。
二回目。
お母様、僕はまた舞い戻ってきたよ。
貴女が前に助けた、白灰千王竜を殺す事に、なってしまった。
僕は、それに対して、罰を受けようと思う。
三回目。
僕は、このウイプルで育った。みんなが死んで、誰も残っていなくても、僕は1人でも戦ってみせる。みんなには勿論、僕にとっても、ここが故郷。みんなの仇は、討つ。
そう思ったんだ。
でも、望みは消えていなかった。
ダルレアス自治領から、人が1人、そして2人出てきた。
そして、30、40人と。さらに、増えていったんだ。
リガード竜騎士団と、そしてツォルバ竜騎士団の騎士達も、見えている。
この時に、わかったんだ。
まだ、戦力は思ったより落ちてはいない、と。
ダルレアス自治領のザシンは、みんなを守ってくれたんだ。
竜使いのザシン、貴方は、僕達がダルレアス自治領へ行ったあの時、僕が竜の目をしていると、貴方は気づいていた。
ウイプルのみんなを、ありがとう。
たくさんの人達が、生きていて、くれた。
僕の翼竜の姿を見て、みんなは歓声を上げてくれたんだ。
ウイプルのみんな、僕は、帰ってきたよ。
僕の、故郷であるウイプル。
お母様の大好きな、ウイプル。
ウイプルに、平和と繁栄を。
このウイプル王国を守り抜いたら、最後には、君の元へ行くよ。
その時まで、待っていてくれ、ブルーシーズ。
僕は、戦意を高めるかの様に、ウイプル全土に響く様に、咆哮した。
あの距離だと、決戦は明日になるだろう。ウイプルの現有戦力で、十分に戦えるはず。そして、僕もいる。
竜の血を持つ者として、そして、ウイプル王国の兵もある、剣士アスカ・グリーンディとして、誇りと共に、
この国を、守り抜く。
もう、目を逸らしたりは、しない。
例え、ウイプル兵から、また背後から斬られようとも。
ウイプル王国には、アスカ・グリーンディがいる事を、敵国に思い知らせてやる。
この意思は、もう揺るがない。
その証に、
この、アスカ・グリーンディの日記に、記す。
エンディオンの10日
ウイプル王国の王城にて
___________________
第2章 竜の血を持つ者 END
もう少しで、到達する。
翼竜になった僕は、その岩山目がけて、出せる力を振り絞り、突進していった。
その時、僕に、呼びかける声がしたんだ。
気のせいだと思っていたけれど、僕より少し小さい紅い翼竜が、僕に呼びかけていた。
ウイプル王国で、僕と仲の良かった、ベルベッタだった。
ベルベッタは、僕が竜の姿でも、僕だと気づいたんだ。
僕がこれから何をやろうとしているかを知り、
ベルベッタは、僕に体を寄せたり、ぶつかったりして、飛行する速度を落とそうとしていた。
僕は、もうこの命を終わらせよう、そう思っていた。
ベルベッタ、君は、僕の事を気にする必要はないんだよ。
君は自由なんだから。
もう、戻って来なくて、いいんだよ、と。
それは、ベルベッタに、伝わった様に感じた。
この時に、竜同士、言葉が話せなくても、意思疎通は、できるんだと、気づいたんだ。
僕は、速度を上げ、ベルベッタを離れさせる様に弾いて、岩山に突進していった。
岩山へ、飛行速度を上げる様にして、頭から突撃した。その強い衝撃で、頭から血を流して、僕は平衡感覚を失った。脳震とうを起こしている。飛行からの突進はできないから、僕は、長い首を振り回し、遠心力で頭を何度も、岩山に叩きつけた。
血が飛び散る度に、僕の心が少しずつ、軽くなっていく気がしたんだ。
これは、僕自身への罰だ。
お母様、
ブルーシーズ、
ウイプル王国のみんな、
僕は、竜の血を持つ者として、あまりにも無能過ぎた。
誰も、助ける事は、できなかったんだよ。
気の利いた言葉さえ、かけてあげられなかった。
混乱を招いて、近くにいる者に死を与える。
それが、僕。
僕の人生の幕を下ろすしかない。
僕の意識が朦朧として、それでも意識があるうちは、頭を岩山に打ち続け、そして死んでいこう、と。
そう思っていたのに。
ベルベッタが僕を助けようと身を投げ出して、僕の頭の衝撃をまともに受けてしまった。
ベルベッタ、止めてくれ。もう、誰も僕を助けようとする必要はないんだ。
君までが、死んでしまう。
ベルベッタ。
僕に、ベルベッタは小さな鳴き声を出した。
僕は、それを訊いて、ベルベッタが何を言いたいのかが伝わり、死に逸る僕の気持ちの根を抜かれた様に、脱力して、俯いた。
ベルベッタは、僕が死んでいなくなるのは、淋しい、って。
一緒に、竜の山に行こう、って。
僕は、竜を殺してしまうから、それは、できない。
それは、できないけれど。
目から温かいものが流れているのを感じた。
僕は、泣いている事に、気づいた。
悲しいんじゃない。
その誘いには、乗れないけれど。
嬉しくて、
嬉しくて。
必要だと、少しでも思ってくれる事が、こんなにも、僕を嬉しくさせた。
___________________
僕は、その時、遠く離れた所で、細長く流れる土埃を感じたんだ。
視力は、人間の時の何百倍にもなっている。ただ、眩暈を起こしているせいか、景色がぶれてはいた。
何とか、聖バハール軍の旗印が見えた。進軍しているんだ。
まだ、戦争は続いている。
その進む先には、何処の国があるのか。この間の、ドメイル教の集会では、ウイプルとの戦いが終わっていない内容の話をしていた。
僕は、関わらない方がいい。お互いに傷つかない。
僕は、
ウイプルの思い出を仕舞い込み、
終わりにする。
でも、
それで、
いいのだろうか。
僕は、後悔はしないのか。
ウイプル王国は、ドメイル教信仰国の標的にされつつある。ウイプルの状況は、どうだろうか。優勢とは、思えない。
お母様から託された。
あの、ウイプル。
ベルベッタ、君とは、よくティールの丘で遊んでいた。
あの時は、お母様もいて、僕も幸せだった。
あの頃には、戻れないけれど、でも、あの場所は、かけがえの無い、思い出の場所。そして、その他の場所も、出会いがあり、そして思い出となった。
大切なもの。
ウイプルは、僕の故郷だ。
僕は、どうして、きれいに好かれようとしているんだ。
僕は、どうしたいのだろう。
答えは、もう出ていたんだ。心の奥底では、ずっと前から。
僕は、ベルベッタの頭を撫でる様に、僕の頬で撫でた。
ありがとう、君のおかげだ、と伝えた。
僕はふらつきながら、岩山から飛び立ち、聖バハール軍が
向かう先を目で辿った。
そのずっと先には、ウイプル王国がある。
聖バハール軍の兵数は、300人程度に感じた。
聖バハール軍も、兵力がかなり消耗しているのだろう。思った以上に、少ない。
ウイプルは、この進軍を知っているのか。
もう、迷わない。
これ以上。
僕は、翼を大きく羽ばたかせ、ウイプルへ向かった。
以前と同じく、静まり返っていたウイプル。誰一人見当たらない。それでも、僕はウイプルを大きく旋回して、咆哮した。
一回。
誰も見当たらない。見張りも立たせていないのだから、本当にいないのか。本当に、滅んでしまっているのか。では、サンクトペーテルグで出会ったあの者達は。
不安にそう思いながらも、さらに旋回していった。
二回目。
お母様、僕はまた舞い戻ってきたよ。
貴女が前に助けた、白灰千王竜を殺す事に、なってしまった。
僕は、それに対して、罰を受けようと思う。
三回目。
僕は、このウイプルで育った。みんなが死んで、誰も残っていなくても、僕は1人でも戦ってみせる。みんなには勿論、僕にとっても、ここが故郷。みんなの仇は、討つ。
そう思ったんだ。
でも、望みは消えていなかった。
ダルレアス自治領から、人が1人、そして2人出てきた。
そして、30、40人と。さらに、増えていったんだ。
リガード竜騎士団と、そしてツォルバ竜騎士団の騎士達も、見えている。
この時に、わかったんだ。
まだ、戦力は思ったより落ちてはいない、と。
ダルレアス自治領のザシンは、みんなを守ってくれたんだ。
竜使いのザシン、貴方は、僕達がダルレアス自治領へ行ったあの時、僕が竜の目をしていると、貴方は気づいていた。
ウイプルのみんなを、ありがとう。
たくさんの人達が、生きていて、くれた。
僕の翼竜の姿を見て、みんなは歓声を上げてくれたんだ。
ウイプルのみんな、僕は、帰ってきたよ。
僕の、故郷であるウイプル。
お母様の大好きな、ウイプル。
ウイプルに、平和と繁栄を。
このウイプル王国を守り抜いたら、最後には、君の元へ行くよ。
その時まで、待っていてくれ、ブルーシーズ。
僕は、戦意を高めるかの様に、ウイプル全土に響く様に、咆哮した。
あの距離だと、決戦は明日になるだろう。ウイプルの現有戦力で、十分に戦えるはず。そして、僕もいる。
竜の血を持つ者として、そして、ウイプル王国の兵もある、剣士アスカ・グリーンディとして、誇りと共に、
この国を、守り抜く。
もう、目を逸らしたりは、しない。
例え、ウイプル兵から、また背後から斬られようとも。
ウイプル王国には、アスカ・グリーンディがいる事を、敵国に思い知らせてやる。
この意思は、もう揺るがない。
その証に、
この、アスカ・グリーンディの日記に、記す。
エンディオンの10日
ウイプル王国の王城にて
___________________
第2章 竜の血を持つ者 END
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
☆ほしい
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
拾われ子のスイ
蒼居 夜燈
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞 奨励賞】
記憶にあるのは、自分を見下ろす紅い眼の男と、母親の「出ていきなさい」という怒声。
幼いスイは故郷から遠く離れた西大陸の果てに、ドラゴンと共に墜落した。
老夫婦に拾われたスイは墜落から七年後、二人の逝去をきっかけに養祖父と同じハンターとして生きていく為に旅に出る。
――紅い眼の男は誰なのか、母は自分を本当に捨てたのか。
スイは、故郷を探す事を決める。真実を知る為に。
出会いと別れを繰り返し、命懸けの戦いを繰り返し、喜びと悲しみを繰り返す。
清濁が混在する世界に、スイは何を見て何を思い、何を選ぶのか。
これは、ひとりの少女が世界と己を知りながら成長していく物語。
※週2回(木・日)更新。
※誤字脱字報告に関しては感想とは異なる為、修正が済み次第削除致します。ご容赦ください。
※カクヨム様にて先行公開(登場人物紹介はアルファポリス様でのみ掲載)
※表紙画像、その他キャラクターのイメージ画像はAIイラストアプリで作成したものです。再現不足で色彩の一部が作中描写とは異なります。
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
わたしのことがお嫌いなら、離縁してください~冷遇された妻は、過小評価されている~
絹乃
恋愛
伯爵夫人のフロレンシアは、夫からもメイドからも使用人以下の扱いを受けていた。どんなに離婚してほしいと夫に訴えても、認めてもらえない。夫は自分の愛人を屋敷に迎え、生まれてくる子供の世話すらもフロレンシアに押しつけようと画策する。地味で目立たないフロレンシアに、どんな価値があるか夫もメイドも知らずに。彼女を正しく理解しているのは騎士団の副団長エミリオと、王女のモニカだけだった。※番外編が別にあります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる