剣士アスカ・グリーンディの日記

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第3章 竜の涙

何者かの襲撃(for three days)

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ウイプルから北東部に位置するミジャイル平野のスワンド部族の集落が、何者かの群れに襲われ、村を焼かれたらしい。

賊の群れの仕業かはわからない。

ウイプル領土内ではないから、ウイプルは様子を見るのだと思っていたけど。

邪教国との戦いもあって、その因縁も途絶えてはいない。警戒は怠らない方が良いという事だろう。

ウイプルからも、コーリオからも近い場所に位置するため、どちらかの国が兵を向かわせる事になり、

今回は、僕らのウイプルから兵を出す。

この任務は、リガード竜騎士団遊撃隊長として、初めての任務になる。

僕がリガード竜騎士を2人、そして一般兵を6名ほど連れて行く事になった。

明日、まずはウイプルの国境に比較的近いキリステンドの街まで行く事にしよう。


アリグルドの25日   
                     ヘールベータ地区の家にて
____________________________

対象の集落に到着。

山を背にしての集落、確かに襲われ、村を焼かれている。しかし、山賊ではないだろう。

焼かれた村の中で、スワンド部族の死体も見つかった。しかし、死体の損壊が激しい。これをやった奴は、尋常ではない力の持ち主だ。普通に考えると、人ではない。

邪教国のオルフブ王国と戦った時の相手側の兵を思い出す。

骸兵やゴブリン等を使ってきた。

元々、この周辺にその様な化け物が棲息しているという話は訊かない。もし奴らだとしたら、邪教国が送り込んでいる可能性もある。

この集落を襲い、そして母国へ戻ったか?

反ドメイル教の活動への警告か?

この焼け落ちた集落で、焚き火をして、スワンド部族の生存を思わせる事にした。相手がそう遠くへ行っていないのなら、おびき寄せられるか。


アリグルドの26日
                     スワンド部族の集落にて
____________________________

日が落ち、そして日が昇るまでの間、この集落で、何も襲ってくる気配はなかった。

もうこの周辺にはいないのかも知れない。

この集落に、相手側の証拠も何も見つからなかった。

スワンド部族は何処の国にも属さないが、武力に長けていたはず。そのスワンド部族相手に、死者を1人も出さずに、去っていったのか。

それとも、死者が出ても、それを担いで何処かで埋めたのか。

いや、人の殺し方に知性は感じられない。死者を1人も出さなかったのかも知れない。

極少数の化け物がやった可能性もある。

いずれにしても、警戒はしておくべきだろう。

もし、これがウイプルへの挑発のつもりなら。

後悔させてやる。


アリグルドの27日
                     キリステンドの宿にて
____________________________
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