剣士アスカ・グリーンディの日記

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第4章 貴方へ愛の言葉を

カインハッタ牢獄(for three days)

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アメリディロ島で唯一の施設、カインハッタ牢獄。

その島からそれほど遠くは離れていない海の上に、全てを黒く染め上げた海賊船が、3隻ほど。

このカインハッタ牢獄を監視するかの様に、海に浮かんでいる様に見えた。

何が目的なのかは、わからないけど。

誰が所有する海域という訳でもないから、自由なんだろう。

陸での戦いなら負けはしないが、海での戦いは、僕は素人だ。

気をつけなければいけないな。



アメリディロ島に上陸した僕らは、船着き場の兵に話しかけた。

地面は固く、作物はほぼ何も育たない様な気がした。実際に、草木は枯れ果てたものが点々と見当たるくらいだ。

ウイプルなどからの食料供給が命綱か。



檻車かんしゃに囚われているバルケーは、崖の上にたたずむカインハッタ牢獄を見て、光栄だと声を上げて笑っていたのが、不気味だった。

このカインハッタ牢獄がどういう所か、わかっているのだろうか。



よくわからないけど。



ここで、自分の罪と向き合って、過ごすんだ。



ジスマリアの4日
                     アメリディロ島にて

_________

島の渓谷の奥に、重く大きな扉がある。その扉の横に片手が入るかどうかの小窓があり、外側から内側の番兵に合図を送り、内側から解錠してもらっていた。

その様な大きな扉が3つ続いた。

2つ目と3つ目の扉の間にいる番兵は、どちらとも解錠する事ができる様だ。

その3つの扉を抜けた洞窟の行き止まりに、とても長く続く螺旋階段がある。

檻車かんしゃと、共に来たウイプル兵を残し、螺旋階段を上り続け、とても広い空間へ出た。

薄暗く、かび臭い。小さな音でも反響し、響いている印象だ。

天井が30フィートはあるのか、とても高い。その天井から要所要所に小窓があり、細い光が差し込んでいた。



15フィート先に、見える黒い壁。



壁の合間に鉄の戸がはめ込まれている。戸の数は、左右見渡して、50はあるだろうか。



壁伝いに行くと、道が分かれ、さらに鉄の戸がたくさん見える。





数人の番兵らに囲まれていたカインハッタ牢獄の看守長ゲーベルドンが僕を見つけ、長く伸びた髭を器用に動かして、ようこそ騎士様、と言っていたな。



僕を見る目が、特別敬ってはいないのは、わかっている。






別に僕は、気にはしない。







ウイプルへの反逆を企む事がないのなら。






それでいい。





ジスマリアの5日
                      カインハッタ牢獄にて

_________

ウイプル国王からは、カインハッタ牢獄が正常に機能しているかの確認をする様にと言われてはいるけど、それは暇を持て余すからという理由での事。

国王からの本国帰還命令が出るまで、ここにいる事になる。

外の空気を吸うには、長い螺旋階段を下り、3つの扉を開けてもらわなくてはいけない。


厳重な体制なのは、いい事だ。






何処かでうめき声が聞こえる。





色々な立場の者らがここに収容されている。




聖職者や貴族、兵、商人、職人など。





何を語るのか興味もあるけど、話をしてもいいものだろうか。





しばらくは、大人しくしていよう。






ジスマリアの6日
                     カインハッタ牢獄にて

_________
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