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第二章 熱き炎よギルロに届け、切なる思い
その108
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狭い部屋にベッドはかろうじて2つ。トイレは部屋の外で、共同。お風呂は部屋についてるけど、風呂桶がなくてシャワー室だけ。ハンドルをひねると、少し緩い水が出て、その水に少し色がついてる。これ、雨水を溜めておいて、それをそのまま使ってるだろう。汚ねえな。水圧も何だか弱いし。
食べ物なんて何もでなそうだな。素泊まりだ。
「パルンガ、お前、お金持ってる?」
金をどうにかしないと、この部屋が俺達の牢獄になる。この街でうまく立ち回るため、作戦を立てるのにもいい場所とは思ったけど。最悪、さっきの魔力買取人にお金を借りるしかねえな。ヘタしたら、泥沼の揉め事になりかねないけど。
「持ってるど…」
「え!?」
「オデ達ゼドケフラーは、野獣と違って、言葉が話せるし、街で生きてる住人と生活する事もできるんだど。だから、通貨は持ってたりはするんだど」
「へえ…。じゃあ、何処にあるんだよ?」
お前、ほぼ裸同然だけどな。
でも、腰に巻いている細い皮のベルトに白い大きな葉っぱ見たいのが何枚かぶら下がっているよな。
「内緒だど!」
何ッ!?まぁそうだよな、冷静に考えたら、俺のお金はここにありますって、他人に伝えるバカはいないよな。
でも、後でこの宿代払ってもらおう。
まさか、どんぐりで払おうとはしてないよな?オデ達の間では、通貨はどんぐりなんですって言ったら、その言い分がここのスタッフに通るまでは、俺は端で人形みたいに壁に寄りかかって動かないでいるからな。
「テテは、どの街からきたのか?」
「え?急だな…。別に、お前が住んでる様な場所と大して変わらねえよ」
変に詮索しようとするんじゃねえよ。俺とお前の仲じゃねえか。
「テテは、少し変わってるから、一緒にいて、おもしろいど」
「そうか?じゃあ、退屈しなくていいだろ」
「ゼドケフラーの成獣になったら、かっこいい姿、テテに見せてあげるど!」
何度かその言葉、俺に言ってきたけど、ずっと側にいるって事もできないんだぞ?俺はこの世界から抜け出したいんだ。この街を出てしばらくしたら、お前とは進む道が違くなるだろうな。
お前はこの世界の奴らとうまく溶け込む事ができるんだろうから、例え同じゼドケフラーが見つからなくても、やっていけるよ。
俺はムリだけどな。
気に入らねえんだよ、どいつもこいつも。
だけど、お前は別だ。パルンガ。
別れがくるまでの間、楽しくやろうぜ。
「ゼドケフラーの成獣の姿、見てくれるか?」
今この場でなってくれるなら、見てやるぜ。お前、少し体が大きくなってきたよな。体の内側から筋肉が張り出してきて、体の皮が伸びてる。その幼獣の皮じゃ、限界なのかもな。まさか、ただ太っただけじゃないよな?
「オデは、必ずベルダイザーを見つけて、倒すんだど!絶対に、ゼドケフラーの成獣になるんだど!」
意気込んでやがる。そのためにここまで来たんだもんな。俺は、夢魔操か、ギルロの体と魂か。
…パルンガ、少しでもこの事について、知らねえかな。
「パルンガ、お前に聞きたい事があるんだけどさ」
「ゼドケフラーの成獣の事か?」
「まぁ、気にならなくもないけどさ。それよりも…」
「アルテリンコ・ブイ!」
あーあ。強制的に、伝言魔法使ってきやがったよ…。目の前に電子板が出てきた。
へえ。ゼドケフラーの成獣って、白い狐みたいな姿なんだな…。目の周りに赤い模様が浮かんでる。二足歩行は継続か。筋肉がすごいな。背も相当高いだろうけど、これ、2m超えてないか?今のパルンガと、全然違う…。
確かに、パルンガが言う様に、カッコいいな。これは、成獣に憧れるのも当然か。
成獣の目は、野獣そのものの鋭い目つきをしているから、このパルンガが成獣になったら、俺を襲ってくるんじゃないのか?でも、この世界の人間とうまくやれるんなら、大丈夫か。
確か、成獣にはみんなひれ伏す様な感じの事を言ってた様な気がする。自惚れ強くてやな奴になったりして。まぁでも、成獣を目指してるんだもんな。
「パルンガ、早く成獣になれよ。応援してるぜ」
「もちろんだど!」
「ちなみに、夢魔操って知ってる?」
「知らないど!」
ほう…。お前、何も考えないでまた即答したな?俺がどんな時も平常心でいられる様に、修行してくれてんのか?だから、俺の神経を逆撫でする様な事をやってくれるんだよな?気が利くぜ、このブタウサギわ。
「よく考えて、思い出してほしいんだよ…」
「知らないど!」
即答パート2!?やっぱり、こいつを魔法の買取人に差し出してしまおうかな?今、俺の心の中で開かれてるムカツキ裁判で、判決が下りそうになってるぞ。大丈夫か?
はぁ…。ギルロの話は止めておこう。どうせ、知らないど、で終わりだからな。
「テテ?」
「…何だ、無知君」
「オデ、何でも知ってるど!」
ウソをつけ!ほぼ何も知らねえ単細胞動物が!お前に何かを聞いて、実のある返答がきた事は一度もないんだよ!?
「テテは、見た感じが、リョウマ族に似てるど」
はっはっはっ!ハズレだよ、パルンガ大先生!満を期して発表した博識コンテストも虚しく、落選だぞ!無知の象徴めが、何を言ってもはずすよなあ?
「残念だったな、パルンガ!俺は…」
「え!何の種族なんだど?」
「えーと。いや、やっぱりリョウマ族…だったかな」
この世界でヘタな事を言うのは止めた方がいいかな?こいつバカだから、無意識に口外されるのも困るし。
「テテ、変わってるど」
「うるせえ!」
お前にだけは、言われたくねえんだよ!
食べ物なんて何もでなそうだな。素泊まりだ。
「パルンガ、お前、お金持ってる?」
金をどうにかしないと、この部屋が俺達の牢獄になる。この街でうまく立ち回るため、作戦を立てるのにもいい場所とは思ったけど。最悪、さっきの魔力買取人にお金を借りるしかねえな。ヘタしたら、泥沼の揉め事になりかねないけど。
「持ってるど…」
「え!?」
「オデ達ゼドケフラーは、野獣と違って、言葉が話せるし、街で生きてる住人と生活する事もできるんだど。だから、通貨は持ってたりはするんだど」
「へえ…。じゃあ、何処にあるんだよ?」
お前、ほぼ裸同然だけどな。
でも、腰に巻いている細い皮のベルトに白い大きな葉っぱ見たいのが何枚かぶら下がっているよな。
「内緒だど!」
何ッ!?まぁそうだよな、冷静に考えたら、俺のお金はここにありますって、他人に伝えるバカはいないよな。
でも、後でこの宿代払ってもらおう。
まさか、どんぐりで払おうとはしてないよな?オデ達の間では、通貨はどんぐりなんですって言ったら、その言い分がここのスタッフに通るまでは、俺は端で人形みたいに壁に寄りかかって動かないでいるからな。
「テテは、どの街からきたのか?」
「え?急だな…。別に、お前が住んでる様な場所と大して変わらねえよ」
変に詮索しようとするんじゃねえよ。俺とお前の仲じゃねえか。
「テテは、少し変わってるから、一緒にいて、おもしろいど」
「そうか?じゃあ、退屈しなくていいだろ」
「ゼドケフラーの成獣になったら、かっこいい姿、テテに見せてあげるど!」
何度かその言葉、俺に言ってきたけど、ずっと側にいるって事もできないんだぞ?俺はこの世界から抜け出したいんだ。この街を出てしばらくしたら、お前とは進む道が違くなるだろうな。
お前はこの世界の奴らとうまく溶け込む事ができるんだろうから、例え同じゼドケフラーが見つからなくても、やっていけるよ。
俺はムリだけどな。
気に入らねえんだよ、どいつもこいつも。
だけど、お前は別だ。パルンガ。
別れがくるまでの間、楽しくやろうぜ。
「ゼドケフラーの成獣の姿、見てくれるか?」
今この場でなってくれるなら、見てやるぜ。お前、少し体が大きくなってきたよな。体の内側から筋肉が張り出してきて、体の皮が伸びてる。その幼獣の皮じゃ、限界なのかもな。まさか、ただ太っただけじゃないよな?
「オデは、必ずベルダイザーを見つけて、倒すんだど!絶対に、ゼドケフラーの成獣になるんだど!」
意気込んでやがる。そのためにここまで来たんだもんな。俺は、夢魔操か、ギルロの体と魂か。
…パルンガ、少しでもこの事について、知らねえかな。
「パルンガ、お前に聞きたい事があるんだけどさ」
「ゼドケフラーの成獣の事か?」
「まぁ、気にならなくもないけどさ。それよりも…」
「アルテリンコ・ブイ!」
あーあ。強制的に、伝言魔法使ってきやがったよ…。目の前に電子板が出てきた。
へえ。ゼドケフラーの成獣って、白い狐みたいな姿なんだな…。目の周りに赤い模様が浮かんでる。二足歩行は継続か。筋肉がすごいな。背も相当高いだろうけど、これ、2m超えてないか?今のパルンガと、全然違う…。
確かに、パルンガが言う様に、カッコいいな。これは、成獣に憧れるのも当然か。
成獣の目は、野獣そのものの鋭い目つきをしているから、このパルンガが成獣になったら、俺を襲ってくるんじゃないのか?でも、この世界の人間とうまくやれるんなら、大丈夫か。
確か、成獣にはみんなひれ伏す様な感じの事を言ってた様な気がする。自惚れ強くてやな奴になったりして。まぁでも、成獣を目指してるんだもんな。
「パルンガ、早く成獣になれよ。応援してるぜ」
「もちろんだど!」
「ちなみに、夢魔操って知ってる?」
「知らないど!」
ほう…。お前、何も考えないでまた即答したな?俺がどんな時も平常心でいられる様に、修行してくれてんのか?だから、俺の神経を逆撫でする様な事をやってくれるんだよな?気が利くぜ、このブタウサギわ。
「よく考えて、思い出してほしいんだよ…」
「知らないど!」
即答パート2!?やっぱり、こいつを魔法の買取人に差し出してしまおうかな?今、俺の心の中で開かれてるムカツキ裁判で、判決が下りそうになってるぞ。大丈夫か?
はぁ…。ギルロの話は止めておこう。どうせ、知らないど、で終わりだからな。
「テテ?」
「…何だ、無知君」
「オデ、何でも知ってるど!」
ウソをつけ!ほぼ何も知らねえ単細胞動物が!お前に何かを聞いて、実のある返答がきた事は一度もないんだよ!?
「テテは、見た感じが、リョウマ族に似てるど」
はっはっはっ!ハズレだよ、パルンガ大先生!満を期して発表した博識コンテストも虚しく、落選だぞ!無知の象徴めが、何を言ってもはずすよなあ?
「残念だったな、パルンガ!俺は…」
「え!何の種族なんだど?」
「えーと。いや、やっぱりリョウマ族…だったかな」
この世界でヘタな事を言うのは止めた方がいいかな?こいつバカだから、無意識に口外されるのも困るし。
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「うるせえ!」
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