鴉の歌声

sayure

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暇潰しの章

うざ

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ああ、ムカつく。

あの言い方が、人の成長を止めるんだって、気づかないんだろうね。

誰も、頭を撫でながら、諭せと言うつもりはないけどさ。

何でもかんでも、やる気ないんじゃないの?はないでしょうよ。

アイドルみたいに、可愛いよ、可愛いよ、って連呼しろとは言わないけど…

いや、取り敢えずそれは言ってもらうのは、ありかな。

しかし、煩いわね。

ああ、あの上下黒い服で揃えた、黒い塊が、ギター鳴らして歌ってるから、か。

路上ライブは、大した音楽やってないのに、強制的に聞かされるのが堪らないんだ。

実際、下手な歌だな。

ギターは、まだマシだけどさ。

アンプに通して、大きな音で鳴らしてんじゃないよ。

誰かのカバー曲?

いや、オリジナルでやっているな。

一生懸命、歌っているところ悪いんだけど、カラオケboxで歌ってくんないかな?

癇に障るんだよね。

そんな私の気持ちが通じたのか、歌っていた彼の目が私に牙を剥く。

伝わって、嬉しいわ。

さあ、お片づけの時間よ。

殺人でも犯す気なのかしら?

凄い視線じゃない。

瞬きして、視線を逸らした男。

年令的には、23才くらいかな?

仕事してんのかな、この人。

私は、20才…からひとつ年を重ねたところ。

切りが悪くなった。

一応、職に就いているわ。

君みたいな人が、なりたがっている職にね。

音楽事務所に所属して、ソロで歌っている。

私は、路上ライブ経験していないから、わかんないけどさ。

まじ、煩いわ。

そんな私に、再び目を合わせた男。

目が少し釣り上がっているけど、中々いい顔してるわね。

顔で自惚れ君か、一番恥ずかしい生き物だ?

「おい、お前」

男は、私に声かけてきた。

「何ですか?」

素っ気なく、そう答えてやった。

「俺のファンか?まだ、曲あるから、聞いていってくれよ」

ゴミ屑君がそう言うから、思わず、

「ファンの意味わかってんの?」

そう言ってやった。

バーカ。

ゴミ屑君の前を通り過ぎると、しばらくして、また歌い出しやがった。

懲りないわね。

そしたら、さっきと歌い方変えてきた?

何か、心に入り込む様な歌い方。

でも、君はゴミ屑。

きっと、バイトと路上ライブで、人生ジ・エンドよ。
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