鴉の歌声

sayure

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鴉は飛ぶの章

その秘密

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私は、アイルを思いっきり引っ叩いた。

情けねー、顔してんなよ。

音楽も辞めたか?それしか取り柄のない奴が、何もしないで、死ぬ気か?

私の鼓動はどんどん速くなっていく。

でも、キレイな、夜景でも見たいからここに来た、とか言われたらどうしよう。

早とちりは、私得意よ。

でも、そのくらいが丁度いいか。



アイル君は、笑った。



やべー、私の早とちりだー。

笑え声が時々出なくなるくらい、ウケたか?

顔が真っ赤になってるな、私。

ハハハッ…

私も、つられて笑った。

でも、その笑いは、すぐに消えたよ。

アイルが…

悲しい表情を、笑顔で隠そうとしてるのに、気づいたから。
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