AZ雫over drive

宇宙一の美女

私、皆様に謝りたいの。

宇宙一の美女に生まれてきて、ごめん下さい。

少し言葉を間違えましたわ。

ギリシャ生まれなので、少しはご勘弁を。

宇宙一の美女に生まれてきて、ごめんなさい。

大富豪のおじ様から、石の裏に貼り付いているダンゴムシまで、私を見ると目を輝かせるの。

私が、欲しぃ…、欲しいっっ…て。

ダンゴムシの目は何処かって？

ご自分で、探しなさぁい。

二個はあるはずよ。



私がこの間、藤原の街を歩いていたら、その歩く仕草が惚れてしまうから、止めて欲しいと言われたわ。

遊園地で子供が利用する動物の乗り物みたいに、四つん這いで動けって言うの？って、悪戯っぽく言ってみたら、それもまた、惚れてしまうって言われたわ。



ふふふ、ダメな坊や達ねぇ。



ブリッチして四つん這いで歩いてあげたわ。




首の筋が張って、疲れたわ。




私、出るとこ出で、引っ込むとこ引っ込む、ナイス、バディなワケ。

いくら食べても、太らない体質なの。持って生まれた天性…ah…サイジャス！ロン！マルメリンガ！！アー、ダイズン！

アー…

プモン、ハニカム、モモンドリアン、カーテンニニンシモフリ、ソニア…。

あっ。

ごめんなさぁい。

こんな素敵な女性って、私だけだと思う人、手を上げて…という事をしなくても、全員が手を上げてしまうから、無意味なのでしないわ、と言ったのよ。

ロシアとフランスの血も混ざってるの、ごめんなさぁい。



この間、高級フランス料理店デ・オーロに行った時の事、料理長が私に挨拶がしたいというから、構わないわと言ってあげたわ。

見たいんでしょ？私の芸術的な美貌を、その目に焼き付けて。私を…あぁ…、夜にどうしたいの？

凄く綺麗な人に、ぴったり合うワインがあるとか言ってたわね。

私に合うワインなんて、この世にあるの？

聞いた事もないわね。

いいわ、教えてみなさい。

そうしたら、その料理長さんわ…。



一本二十万円するワインを、ただで私に提供するから、たくっさん飲んで…欲しい…って。



胸の谷間に流れるくらい、たくっさん…飲んで欲しいのね？




料理長さん…。





私、料理長さんの前で、ワインボトル逆さに、ラッパ飲みしてあげたわ。




口からこぼれて、ほぼ飲みきれなかったわね。胸の谷間にワインが入り込んで、股下から地面に大量に流れて、ホラー映画のヒロインみたいな姿になったわ。







アー、ビクティブ、クローズン、ファクティア！！





私の美しさ、罪なのね…。






『宇宙一の美女』…完