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62 午前5時の散歩
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その日の夜、私はいつも通り午前2時に目が覚めた。
再び目をつむってみたが、腹が空いているせいか、よく眠れなかった。私は仕方なく身を起こし、キッチンへ向かった。
冷蔵庫には、牛乳があった。私はそれをマグカップに注ぎ、電子レンジで温めた。
私はホットミルクに息を吹きかけ、ちびちびと飲んだ。
私は、しばらく眠れないだろうと予感した。
ホットミルクを飲んだ後、再び横たわってみたが、やはり目が冴えすぎていた。
私は熟睡を諦め、スマートフォンで物書きを始めた。あまり筆は進まなかったが、夜の時間を潰す方法はそれしか見当たらなかった。
昨日の離人感は収まっていた。
手足がベッドに付き、確かな厚みを感じている。自分が現実にいるという実感がある。
私は現実世界に戻っていた。現実と空想を行き来するようなあの浮遊感は、今は何処にもなかった。
私には、時々逃避癖があった。現実で強い疲労を感じた時、私は昨日のように外をさ迷い、憂さ晴らしをした。
いつだったか、私は実家暮らしをしている時、午前5時にふと目が覚め、ふらりと外へ出かけたことがあった。
家族はドアの開く音に気づいたようで、後々、「誰かが家に侵入したのではないか」と不安がっていた。
私がその時間に散歩をすることは滅多になかったので、皆が犯人を追及したがった。
だが、私は何も言わなかったので、結局誰も私の散歩には気づかなかった。
そんな風にして、私は1人になるために、また現実から遠ざかるために、よく外に出かけた。
別に、理性を失っているわけではなかった。
ただ早朝の空気を味わってみたい、誰もいない通りを歩いてみたいという、単なる好奇心で動くこともあった。
私は、自分の行為が奇異に映るのが嫌だった。
家族は私の行為をよく珍しがり、笑い話にすることがあったが、それには違和感しかなかった。
私は、ただ黙って見ているような、あるいは私を放ったらかしにしてくれるような、そんな人間を欲していた。
しかし、家族の中には誰1人そのような人間がいなかったので、私は彼らから離れることにした。
一人暮らしは基本的に自由なので、私はその生活を気に入った。
午前2時に目が覚めようが、午前5時に散歩をしようが、誰も驚く者はいなかった。それが私には、何とも心地良いものだった。
再び目をつむってみたが、腹が空いているせいか、よく眠れなかった。私は仕方なく身を起こし、キッチンへ向かった。
冷蔵庫には、牛乳があった。私はそれをマグカップに注ぎ、電子レンジで温めた。
私はホットミルクに息を吹きかけ、ちびちびと飲んだ。
私は、しばらく眠れないだろうと予感した。
ホットミルクを飲んだ後、再び横たわってみたが、やはり目が冴えすぎていた。
私は熟睡を諦め、スマートフォンで物書きを始めた。あまり筆は進まなかったが、夜の時間を潰す方法はそれしか見当たらなかった。
昨日の離人感は収まっていた。
手足がベッドに付き、確かな厚みを感じている。自分が現実にいるという実感がある。
私は現実世界に戻っていた。現実と空想を行き来するようなあの浮遊感は、今は何処にもなかった。
私には、時々逃避癖があった。現実で強い疲労を感じた時、私は昨日のように外をさ迷い、憂さ晴らしをした。
いつだったか、私は実家暮らしをしている時、午前5時にふと目が覚め、ふらりと外へ出かけたことがあった。
家族はドアの開く音に気づいたようで、後々、「誰かが家に侵入したのではないか」と不安がっていた。
私がその時間に散歩をすることは滅多になかったので、皆が犯人を追及したがった。
だが、私は何も言わなかったので、結局誰も私の散歩には気づかなかった。
そんな風にして、私は1人になるために、また現実から遠ざかるために、よく外に出かけた。
別に、理性を失っているわけではなかった。
ただ早朝の空気を味わってみたい、誰もいない通りを歩いてみたいという、単なる好奇心で動くこともあった。
私は、自分の行為が奇異に映るのが嫌だった。
家族は私の行為をよく珍しがり、笑い話にすることがあったが、それには違和感しかなかった。
私は、ただ黙って見ているような、あるいは私を放ったらかしにしてくれるような、そんな人間を欲していた。
しかし、家族の中には誰1人そのような人間がいなかったので、私は彼らから離れることにした。
一人暮らしは基本的に自由なので、私はその生活を気に入った。
午前2時に目が覚めようが、午前5時に散歩をしようが、誰も驚く者はいなかった。それが私には、何とも心地良いものだった。
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