128 / 221
127 堕落
しおりを挟む
目が覚めると、時刻は午前10時を過ぎていた。
何事もなかったかのように、出勤時刻が過ぎていた。私は家に閉じこもったまま、ベッドの上でぼんやりとしていた。
昨夜に入浴しなかったせいか、体に不快感があった。
最近は風呂に入ることも面倒で、典型的な憂鬱症状を呈していた。
こうして外に出ることもないまま、時間が過ぎれば良いと思った。
何も食べたくなかったし、動きたくもなかった。
私は、自分が段々と堕落しているのを感じ取った。
仕事にも行かず、食事や入浴もせず、ただ体が腐っていくばかりの生活。
もはや希死念慮を働かせる気力すらなかった。
私は何も考えず、埃を被った人形のように横たわっていた。
何かを執筆しようかとも思ったが、それすらも面倒に感じた。
寝たきりの生活を送っているために、何の刺激もない。書くことは何処にも見当たらなかった。
外では小鳥が鳴き、自動車が通りがかっていた。
外の世界は忙しそうだった。一方の室内は、まるでそこだけ時が止まったかのようで、あらゆるものが静まり返っていた。
部屋は2週間前に掃除をしたきり、何も手をつけていなかった。
床には埃が転がっており、鼻を刺激した。また洗濯物も積もっており、晴れているにも関わらず、いつまでも干されないままでいた。
私は、このまま部屋や自分を放置し続ければ、一体何日後に朽ちた姿が発見されるのだろうかと想像した。
私は腐臭を放つかもしれないし、白骨化しているかもしれない。
ドアを超えて腐臭が隣人に届けば、早いうちに気づかれるだろう。
そうでなければ、音信不通を疑った知人や家族が、死んだ私を見つけるかもしれない。
人々は私のグロテスクな姿を見て、嘔吐するのだろうか。あるいは嫌悪感を抱き、できるだけ直視を避けながら、さっさと埋葬してしまうのか。
死体を見て喜ぶ人間などそういない。だから、いずれにせよ、人々は私に対して何らかの負の感情を抱くのだろう。
私は、今住んでいる部屋が事故物件になる所も想像した。
私は別にそれでも良いと思った。部屋は壁が薄く、隣人の喚き声がいつもうるさかったので、誰も住まなければ良いと感じた。
あまりのやかましさに、私は騒音問題として管理会社に何度も訴え、録音データも聞かせたが、結局は何も変わらなかった。
人生とは、そういうものなのだ。この世には、ほとんど何も解決されないまま、放置された問題ばかりが残っている。
この世界はガラクタ山のようなもので、尊いものなど何一つない。だから、私1人が死のうが、対して珍しいことではないのだ。
私は以前そうしたように、充電コードに手を伸ばした。
それで首を締め付け、早く楽になりたかったが、結局は疲労感が勝り止めた。
私は1人、横になったままぼんやりとした。
涙1つ出ない生活だった。外の世界への関心を失った私は、目をつむり、またあの長い長い眠りについた。
何事もなかったかのように、出勤時刻が過ぎていた。私は家に閉じこもったまま、ベッドの上でぼんやりとしていた。
昨夜に入浴しなかったせいか、体に不快感があった。
最近は風呂に入ることも面倒で、典型的な憂鬱症状を呈していた。
こうして外に出ることもないまま、時間が過ぎれば良いと思った。
何も食べたくなかったし、動きたくもなかった。
私は、自分が段々と堕落しているのを感じ取った。
仕事にも行かず、食事や入浴もせず、ただ体が腐っていくばかりの生活。
もはや希死念慮を働かせる気力すらなかった。
私は何も考えず、埃を被った人形のように横たわっていた。
何かを執筆しようかとも思ったが、それすらも面倒に感じた。
寝たきりの生活を送っているために、何の刺激もない。書くことは何処にも見当たらなかった。
外では小鳥が鳴き、自動車が通りがかっていた。
外の世界は忙しそうだった。一方の室内は、まるでそこだけ時が止まったかのようで、あらゆるものが静まり返っていた。
部屋は2週間前に掃除をしたきり、何も手をつけていなかった。
床には埃が転がっており、鼻を刺激した。また洗濯物も積もっており、晴れているにも関わらず、いつまでも干されないままでいた。
私は、このまま部屋や自分を放置し続ければ、一体何日後に朽ちた姿が発見されるのだろうかと想像した。
私は腐臭を放つかもしれないし、白骨化しているかもしれない。
ドアを超えて腐臭が隣人に届けば、早いうちに気づかれるだろう。
そうでなければ、音信不通を疑った知人や家族が、死んだ私を見つけるかもしれない。
人々は私のグロテスクな姿を見て、嘔吐するのだろうか。あるいは嫌悪感を抱き、できるだけ直視を避けながら、さっさと埋葬してしまうのか。
死体を見て喜ぶ人間などそういない。だから、いずれにせよ、人々は私に対して何らかの負の感情を抱くのだろう。
私は、今住んでいる部屋が事故物件になる所も想像した。
私は別にそれでも良いと思った。部屋は壁が薄く、隣人の喚き声がいつもうるさかったので、誰も住まなければ良いと感じた。
あまりのやかましさに、私は騒音問題として管理会社に何度も訴え、録音データも聞かせたが、結局は何も変わらなかった。
人生とは、そういうものなのだ。この世には、ほとんど何も解決されないまま、放置された問題ばかりが残っている。
この世界はガラクタ山のようなもので、尊いものなど何一つない。だから、私1人が死のうが、対して珍しいことではないのだ。
私は以前そうしたように、充電コードに手を伸ばした。
それで首を締め付け、早く楽になりたかったが、結局は疲労感が勝り止めた。
私は1人、横になったままぼんやりとした。
涙1つ出ない生活だった。外の世界への関心を失った私は、目をつむり、またあの長い長い眠りについた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる