こいじまい。 -Ep.the British-

ベンジャミン・スミス

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第四章 Virgin

第五話 英国人、合コンへ行く(※)

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 急遽、合コンに行くことになってしまった春人は松田と博多行きの電車に揺られていた。当日言われれば、勿論準備など出来ない。そんな春人とは逆に今日を心待ちにしていた松田は出社した時より小奇麗だ。香水の匂いがして、髪もお洒落に決まっている。ただ、仕事がすんなり終わらなかった事と、距離のある博多で開催する為、着替える暇などなく2人はスーツのままだ。

(行きたくないな)

松田は終始ニコニコしているが、春人は流れる街並みを見つめながら不安でいっぱいだった。

(僕がいつまでもアルバートを気持ちよくできないからいけないんだ)

アルバートが達したところを一度も見た事がない。いつも春人ばかりだが、アルバートもあれで満足だと言っていた。しかし実際はあの微笑みの裏で不満を抱えていたのかもしれない。だから合コンに行くのでは——これが春人の導き出した考え。

(正月、何も言ってなかったのに)

この話がいつから計画されていたのかは知らない。門司支社にいる間も研修生は福岡空港支社に出張に行っていた。ありえるとしたらその時だ、つまりそれは正月の時にはこの話が出来上がっていたことを意味する。だが、それを確定させてしまうと、楽しかったお正月、最悪あのクリスマスまでも嫌な思い出に変貌をとげてしまう。

 モヤモヤ考えていると、松田がため息をつく。

「電車遅れてんな」
「……つかなければいいのに」

その言葉は社内のアナウンスでかき消される。

「何か言ったか?」
「いえ……あの、松田さん、もし彼女がこっそり合コンに参加していたらどうします?」
「嫌だろそりゃ」
「問い詰めます?」
「俺に不満があっての事ならちょっと考えるかもな。でも、流石に合コン行くくらいなら不満をぶちまけてもらえる方がいい、たとえ喧嘩しても」
「そうですよね」
「残念だけど、俺は恋人が合コンに行くのを許せる男じゃない」

(僕もだ)

「ところでアルバートは僕が行くことを知っているんですか?」
「……知ってる。さっきジョシュアにも連絡したから。話してると思う」

 松田の見えない位置で春人は拳を握りしめた。

(驚くかな? でも驚いているのは僕の方なんだよアル)

 徐々に自分の不甲斐なさによる落ち込みは、未経験を逆手に取られたという怒りに変わっていく。連絡すれば解決するのに意地を張ってしないのもそれから来るもの。
アルバートはそのような事をする男ではないと分かっているのに今の春人にはそんな考えに至る余裕もなかった。

 そして到着した待ち合わせ場所には既に二人の外国人が待っていた。

「間に合った?」
「問題ない! 女性陣には15分後の時間を伝えてあるからね!」

松田とヴェネットが肩を組む横で春人はアルバートを見上げた。 
 仕事中と同じ恰好なのに、着飾っている様に見えてしまい視線をすぐに逸らす。そしてアルバートも何も言わない。
そんな膠着状態のまま15分後、綺麗な女性が4人やって来た。
 松田が手馴れたように合コンを回していく。やる気のある2人が真ん中に座り、その両サイドに春人ととアルバートが座る。
松田と話すふりをしながら、アルバートを盗みみる。
どう考えても一番の優良物件で、女性陣は虜になっていた。特にアルバートの目の前に座っている人は熱でもあるかのように頬が赤い。そして美人だ。

(絵になるな……見てらんない)

一人で深みにはまっていく春人の耳は大好きな声を一番に捉えてしまう。

「イギリスってどんなところなんですか?」
「街並みも美しく、田舎も風情がありますよ。郷土料理も伝統を引き継いでいますが、日本の方はあまりイギリスの食事を好まないそうですね」
「そうなんですか? いつかアルバートさんの手料理いただいてみたいです」
「日本の食事の方が断然美味しいと思いますよ」

さりげないアプローチを交わすアルバート。だが相手も負けていない。

「私、料理得意なんです。今度ご馳走したいわ」

(それって!)

春人はその真意に目を丸くしたが、他の女性陣も先手を打たれたと一瞬個室の空気が凍り付いた。
 それに気が付いた松田が大きな声を出す。

「食べ物っていえば、月嶋は北海道出身だもんな! 海鮮あるぞ! てか、お前食ってないじゃん」

空気を変えようと話を振った松田が空っぽの春人の皿に気が付く。

「私、とりわけますよ」

と目の前の女性が春人の皿に手を伸ばした。
そして大皿の刺身を大根のつまと一緒に盛り付けて行く。とても慣れているその手はネイルが綺麗で、仕事帰りの春人とは大違いだ。

「どうぞ」
「ありがとうございます」

皿を受け取る時に微かに触れる手。それが不思議な動きをする。キョトンとする春人に女性が自身の口元で人差し指を立てる。
 受け取った皿を持つ春人の指には小さな紙が挟まっていた。
合コンが初めての春人でも分かる、肉食獣へ繋がる数字が書かれたメモだ。それを持ったまま目を泳がせる。周りは誰もこちらを見ていない。各々、目の前の人物と会話を楽しんでいた。アルバートの様子を伺ってやろうと思ったが、威勢は罪悪感にかき消され、黙ってそれをポケットにしまった。
 それに満足げに微笑んだ女性は、今からが本番だとばかりに春人に絡み始めた。

「春人君って可愛いよね。職場でも言われない?」
「いえ、そんな事ありません」
「ジョシュア君から仕事もできる可愛い男性が来るっていうから私楽しみにしていたんだ」
「全然できません。隣の松田さんの方が立派な先輩です」

と褒められてデレデレになるような発言も、春人にとっては田中部長の嫌味の様にしか聞こえない。

「でもドジな春人君でも可愛いな」

飾られた人差し指が春人に向けられる。

「今も頭に埃つけちゃって。可愛い」

と、指が伸びてくる。それを避けようと仰け反った春人の背中に何かが当たる。

「失礼」
「あっ、ごめんなさい! ……アルバート」

奥の席にいるはずのアルバートがそこにはいた。後ろを通り過ぎようとして、仰け反った春人とぶつかってしまったのだ。

「今の衝撃で埃は落ちたみたいだよ」

と振ってくる低い声と優しい微笑みは目が笑っていない。だがそれは春人ではなく手が虚しく空を掻いた女性に向けられていた。悔しそうな表情をする女性を一瞥してアルバートが先ほどより優しい声を出す。

「電話だ。失礼するよ」

震えるスマートフォンを持つ手とは逆の手がこっそりと春人の背骨を撫で上げる。

「っ?!」

ゾクリとする感覚はまるで「君は私の物だ」と骨の髄に刻み込む様に走る。

(ずるい)

出て行く背中を恨む様に睨み付ける。
それから女性が何やら話していたが、背中の感触が忘れられない。個室の扉が開く音で我に返り、もう一度触って欲しいと願ってしまう。

そうすればまたアルバートを信じられる。

切に願いながら待つがその手が背中に触れる事はなかった。その代り、

「月嶋さん、仕事だ」

と、春人の腕を掴み椅子から立ち上がらせた。

「え? 仕事?」

状況が飲み込めず、不格好に腕だけ上げた春人にアルバートがスマートフォンを見せつけてきた。そこでは数字がカウントされていて「赤澤 修一」と表示されている。そして「月嶋、早く来い!」と聞き覚えのある声がした。

「は、はい!」

仕事に呼ばれたとようやく気付き、急いで身支度をする。

「何か不備かい?」

とさすがの松田とヴェネットも仕事の顔をしていたが「研修に関する事だ。私と月嶋さんの書類に急を要する訂正が見つかった。」とアルバートが説明する。

(ミス? どこを?)

まさか恋愛にうつつを抜かしたせいかと、コートに上手く手が通らない。
そしてマフラーをもたもた巻いていると、大きな手がふわりと巻いてくれる。そのまま「行こう。」と言いながら松田に春人の分も飲食代を渡し、部屋から連れ出した。

相も変わらずスマートな動きは計算されていたかのようだ。店から出ると、アルバートは黙って春人を引っ張り駅まで連れて行く。
 渡された切符は春人の家までは到底いけないが、福岡空港支社まで行くにしては通り過ぎてしまう値段だった。
つまりその間にある駅、それは……

「アルの家に行くの?」
「そうだ」
「赤澤さんは? 仕事は?」

 再び混乱し始めた春人を他所に、アルバートが誰かに電話をかける。

「もしもし……ああ、上手くいったよ。本当に助かった……分かっている、あの件はこれでなしだ。本当にありがとう。また仕事で」

電話を切ったアルバートが白い息を吐く。
そして春人を一度も見ずにやって来た電車に乗り込んだ。足を踏み出すのを躊躇う春人に「おいで」と声をかけるがやはり重たい。
 春人は今ので、赤澤の電話が合コンを抜け出す口実だと気付いた。そしてアルバートが春人にいつもと違う感情を向けている事も。
 
(意味が分かんない。そもそもアルバートが合コンになんて行くから悪いんじゃん。ばれたから赤澤さんを利用して抜け出したんじゃないの?)

 本当はそこに誤解があるのに、事の真相を知らぬ春人は突進するかのように電車に足を踏み入れる。
 そして揺られる事しばらくして、電車はアルバートの家の最寄りで止まり2人は下りた。
家までの道すがら大きな背中は春人の気配を逃さず、歩幅を合わせてくる。後ろに目でもついているのかと感心してしまう。
そしてその優しさが春人を苦しめる。

(何考えてるのか分かんないよ。どうして? 僕が嫌で合コンに行ったんじゃないの? それともただ女性と遊びたかっただけ?)

何故アルバートが合コンに行ったのか分からず腹の内が気持ち悪い。

(それなのに優しくして……ずるいよ)

また、経験値の差を見せつけられているようで、春人はどん底に落とされる。

——モテ男に遊ばれている。

そんな考えも頭を過るのに背中を追う足を止められない。それはどうにかしてこの背中を振り向かせたいから。

春人を愛するいつものアルバートに戻って欲しいからだった。
春人自身も彼への怒りと愛の葛藤が止まらない。そして背中にしがみつけぬままアルバートの部屋へと着いてしまった。

「どうぞ」
「お邪魔します」

 玄関の扉が閉まった瞬間、アルバートは豹変した。

「ちょ、靴!」

 玄関で靴を並べる事もせず、アルバートは春人を強引に奥へと連れ込む。寝室の扉に手をかけた時、春人の中で一つの答えに辿り着いた。
 いつまでもやれない春人に嫌気がさして合コンへ。そして、バレてしまった今、もう優しさなど捨て強引に抱くつもりではと春人は身構えた。
その硬直した身体をうつ伏せで押し倒すアルバート。全体重はかけずに覆い被さり、匂いを確かめるように首筋に舌を這わせてくる。

「っ‼」

いつもの様に声を抑える春人。
アルバートの舌先は激しくなり耳輪をピチャピチャと舐める。そして怒気を含んだ声色で

「さすがに、今日は優しく出来ないよ」

と、低い声を落としてきた。
 しかし相変わらず声とは裏腹に行動だけは春人を労わる様に優しい。ボタンを丁寧に外していく。ズボンに手をかけた時、その手がポケットに滑り込んでいく。
そしてあのメモを手にしていた。

「これは君には必要ない」

ベッドの下に舞い落ちる女性の文字で書かれた数字達は、アルバートが今春人に抱いている感情までは連れ去ってくれない。

誤解により一色になってしまっている「愛」「怒り」「嫉妬」——本当は色々な感情が入り乱れる部屋で「遊ばれている」という答えしか見つけられない春人は目をギュッと瞑る。そして恥ずかしさを捨て、いつもなら喘ぎ声を閉じ込める唇から力を抜く。
うつ伏せの春人が下で何を考えているか知らずにアルバートの指先が胸の突起に触れる。

「ひゃっ……ああ!」

一度開いた口は閉じることが出来ない。
快楽に任せ零れる声は、蓋が消え去った事で部屋中に散らばっていく。

       *

「はあ、ああん……そこ、やっ!」

シーツで跳ね返ってくる声はいつもより艶めかしい。解き放たれた春人の喘ぎ声にアルバートは嬉しさよりも不安が押し寄せた。

いや、それよりも怒りが勝っていた。

ベッドの下へ消えたメモを思い返し唇を噛みしめる。

(もし、あのまま赤澤さんの作戦が無ければ春人はあの女性と夜を共にしていたのだろうか)

前立腺による快楽を覚えた男は、女を知らない初心な身体で、また新しい快楽を求め合コンへ行ってしまったのではないか。激痛を伴う行為に嫌気がさしたのではないか——アルバートの勝手な解釈は、年甲斐もなく巻き上がる嫉妬と怒りで半分理性を失いかけている証拠だった。
 それでも愛しいが故に押し寄せる不安は歯止めが利かない。

「ほらもっと喘いでごらん。気持ちよくしてほしいだろ?」

と煽り、自分の欲しい言葉を待つ。

「ん、んあっ! おね……がい、もっと触って……早く中に、ほし……い」

息を荒げながら懇願する春人の身体を持ち上げ向き合わせる。ようやくあった瞳は潤み、本当に泣いている様にみえる。その顔にキスを激しく降らせ、春人の性器をゆっくり扱けば、口に直接喘ぎ声を投げつけられる。一言も漏らすまいと舌を絡めると、その動きについていけず、唾液が春人の口元を伝う。
 それを掬い、液が照る指を春人の秘部に押し付ける。熱い蜜壺に入り込み、その上で無防備になっている睾丸を4本の指で揉む。

「あっ‼……はあ、ふああ」

これも初めてだったのか身体がビクンと跳ね、驚いたように目を見開きそして気持ちよさそうに細めながらため息を漏らす。
 今度は蜜壺への意識が無防備になった春人をアルバートの人差し指が「こっちも」と攻めたてる。

「んんっ! あっ、んっ……あっ、あッあッあああ‼」

と卑猥な高い声が空気を震わせる。制止しようとする春人の手を払い、アルバートは左手で春人の性器を扱き、右手で前立腺と睾丸を、そして舌先で乳首を弄んだ。
 4つの性感帯を激しく攻められ春人は意識が朦朧とし始める。それなのに快楽だけは鮮明に襲い狂い射精感を誘い始める。

「ひう!……あん、そこ、激しくしない……で! あああッダメ‼ イくッイちゃう‼」

性器の先端の蜜の音をグチョグチョ鳴らし、いかに春人が感じているか本人に知らしめる。

「やだぁぁッ、そんな音、鳴らさないで‼」

そういう割に先ほどまで抵抗の色を見せた手は顔を覆っているだけ。

「嘘はよくないな」
「嘘じゃ、ふああ、ああっ‼」

反抗するお仕置に前立腺を絶妙な加減で押し撫でれば腰が浮き硬直する。突き上げられた腹部に舌を這わせ、さらに硬直したところで性器をスッポリと口内に咥え込む。

「ああ、ダメ、あっ……アル……」
「ん?」

視線だけ向けると、激しく呼吸をする春人が苦しそうな表情をしていた。

「…で、出ちゃうッ」

咥えたまま裏筋に舌を当てる。そして「おいで。」と欲を上へ押し上げるが春人は堪えた。

「ああッ、待って……アルと、アルとイきたいのッ‼ お願い……もう……」

潤んだ瞳と交差する。
そして小さな声で「大きいの、ちょうだい」と発した瞬間、アルバートの理性は切れた。

「君は本当に……」
「えっ? 何? ひゃああッ!」

アルバートの指が春人の太腿に食い込む。持ち上げられた足の間に、限界まで張った性器を押し付けた。その大きさを皮膚から感じ取った春人が興奮の声を上げ、秘部をひくつかせる。
ぴくぴくするそこに先走りが光る性器をあてがい、ゆっくり沈める。

「凄くいやらしいよ」
「見ない……で……」

徐々に飲み込まれていくアルバートの性器。
それを受け入れる熟した肉壁は痛いくらい締め付けてくる。

「っ‼」

二人の下腹部は隙間を埋め、繋がった喜びを噛みしめる様に抱きしめ合った。
 
「動いて……」

痛がる素振りもなく欲しがる春人。だがその表情は酷く、そして汗が額に滲んでいた。
しかし「お願い」と絞り出した声は必死にアルバートを欲しがり、覚悟を決め一度腰を引く。
 排泄に似た感覚に「んんッ」と耐える春人……そこへまた肉壁を押し広げ大きな性器が入ってくる。ゆっくり、ゆっくりと、出し入れされる。ジンジンとした痛みを隠すように、春人は自身の性器を扱いた。

「んあっ……あっ、はあん」

痛みと快楽に耐える苦悶の表情にアルバートは堪らなくなる。腰を砕かれる様な衝撃を視覚から与える春人への動きは少しずつ激しさを増していった。
 最初は小さな波で包み込む様に

——ズプ……グチュ……

「んふッ」

 しかし突くたびに上がる艶めいた声が大きな波にさせる。

——グチュ、グチュ、ヌプッ

「んっ、あっ、あっ」

 そして激しく打ちつけだした波はシーツに波紋を深く残しながら乾いた皮膚のぶつかる音を水音と奏でる。

——パンッ! パンッ! パンッ!

「あんッ! あッ、あッ、ダメ! やッ、奥は、ダメェェェ‼」

駄目と言われた奥を下から腰をうねらせ突き上げる。腰まで波うつアルバートの熟練されたテクニックが春人の中をめちゃくちゃにしていく。

「ああ! もう、あっ……ッ! イッちゃう‼ んくッ‼」

春人の口内に興奮した舌が捻じ込まれ激しく暴れる。そして同時に自身の性器を上に扱いたタイミングに合わせるよう、アルバートが前立腺を先端で小刻みに擦った。

「んんんッ‼」

手に生暖かい物が広がり、重なっていたアルバートの腹部も汚す。それをヌチュヌチュと言わせながらアルバートは腰を激しく振り、そして大きく、深く、奥へと沈めた。

「春、人ッ」

と愛しい人の名を呼び、春人をきつく抱きしめる。キスをし、そして何度も英語で愛を囁きながら、アルバートが絶頂を迎え、春人の腰をドクンッと響かせた。

「アル? ひゃッ‼」

アルバートは恥ずかしさを誤魔化す様に首筋にキスを這わせる。

「やッだッ、イッたばかりなのに……はあんっ‼ アルも、最後までしてよ‼」

と、未だに気が付いていない春人に、まだドクドクしている性器を引き抜いて見せつける。
 ゴクリと喉を鳴らした春人が再び自分のを勃起させる。

——トロッ、グチュッ、グチュッ

アルバートは外した避妊具から精子を垂らし、春人の性器に塗り込む様に扱いた。

「ちょっ! ああっ、気持ちいっ、アルの精子、温かくて……気持ちい……」

事後の愛撫も激しく、春人は我を忘れて乱れ狂い続けた。
そして……
 
「はあ、はあ、はあ……」
「可愛かったよ。ああ、君を愛している」

気持ちよさが去ると同時に不安が押し寄せてきたアルバートが今度は日本語で愛を囁く。

(満足させることが出来ただろうか?)

そんな気持ちを過らせて、瞼を上げると、息を整えた春人が「僕も……アルバートが好き。だから……何処にもいかないで」と言いながらベッドに意識を吸い込まれるかのように目を閉じた。
 
 目からは、雫が伝った。
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