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旅立ち
その4
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「…はい、確かに確認しました。こちらに登録しましたので、これからよろしくお願いします」
ギルドの受付のお姉さんは目の前の二人に笑顔で言った。
目の前の二人は、昨日この街に来た冒険者さんで、神官の少女がマレットさん、黒衣の青年の方がシェイドさん。
シェイドさんの職業は格闘家《モンク》という事らしいのですが、黒い装備で頭からつま先まで包まれていて、見た目が暗殺者《アサシン》にしか見えませんね。
横の掲示板にクエストが貼り出してあり、出来そうなのを持ってきて下さいと言っておいたので、少女の方はさっきから真剣な顔で掲示板を見ていた。
しばらくすると少女が一枚のクエストを受付へと持って来た。
内容は採集クエスト、街の近くの林で野草を指定数集めるやつですね。
受注条件はランク1~なので問題はないんですけど、普通初めて受けるクエストは大体討伐クエストを持ってくる冒険者が多いので、なかなか新鮮です。
見た目とは裏腹に結構慎重なのかも?。
受注証を渡し、クエスト完了のサインを貰い忘れないようにアドバイスをすると、少女達はこちらに手を振って出掛けて行った。
「予想外に大変でしたのね…あんなに種類がある中で目的の野草を探すなんて、本当に大変なクエストでしたの」
鞄にさっき受け取ったクエスト完了証を入れながら少女はつぶやいた。
「まぁ、今度はちゃんと確認してから採るようにするといいと思うぞ…」
少し疲れたような感じで青年は少女に言う。
別にこのクエスト中に戦闘が発生したわけでもなかったのになぜ青年がこんな感じなのか?……それは相方の少女に問題があった。
ギルドで受け取った野草の特徴と絵の描いてある紙を見ながら採っていたはずなのだが、採ってくるのが半分以上別のものだったのだ。
仕方ないので、少女が集めてきたら青年が確認するという不思議な流れをすることとなり、持ってくるたびにまた違うという心労でぐったりしていたのだ。
当の少女の方は妙に前向きで、最後の方は間違いが減ったと胸を張っているほどだった。
(…これくらい分かりやすい特徴を間違うのか)
青年はこれからを考えて、軽く頭を抱えた。
「…はい、クエスト完了証を確認しました、ご苦労様でした。こちらが報酬金となります」
クエスト完了を報告して初の報酬金を受け取る少女。
嬉しそうに青年に見せているところが本当に微笑ましい。
(あぁ、この瞬間のために受付をしているといっても過言じゃないですね、私)
「とりあえず現金も手に入りましたので、少しお店をのぞいてみませんの?」
少女は目をキラキラさせながら青年にねだる。
得たお金で大したものが買えるとは思わないが、大きな街で見て回るのも楽しいのだろうと理解を示し、二人はギルドから出ると商店の並ぶ通りの方へ向かった。
普通のサイズの3倍はありそうな大きくて立派な盾を看板代わりにしている『鉄の大盾亭』というのはたぶん武器・防具屋だろう。
服系の装備を扱ってそうな裁縫店もある。
村の小さな店以外ほとんど行ったことのない少女は、目をキラキラさせながら右に左にと歩き回っている。
昨日の街までのデジャヴを感じて、すでに頭を痛めている青年の事は知らず、のぞいて回る少女だった。
しばらく進むと食料品の露店が並ぶエリアに着く。
「あら?。あそこにいるのはシスターではありませんの?。ナタリーさん?」
少女は手を振りながらシスターに近づいていく。
それは間違いなく、昨日お世話になった教会のシスター、ナタリーであった。
ギルドの受付のお姉さんは目の前の二人に笑顔で言った。
目の前の二人は、昨日この街に来た冒険者さんで、神官の少女がマレットさん、黒衣の青年の方がシェイドさん。
シェイドさんの職業は格闘家《モンク》という事らしいのですが、黒い装備で頭からつま先まで包まれていて、見た目が暗殺者《アサシン》にしか見えませんね。
横の掲示板にクエストが貼り出してあり、出来そうなのを持ってきて下さいと言っておいたので、少女の方はさっきから真剣な顔で掲示板を見ていた。
しばらくすると少女が一枚のクエストを受付へと持って来た。
内容は採集クエスト、街の近くの林で野草を指定数集めるやつですね。
受注条件はランク1~なので問題はないんですけど、普通初めて受けるクエストは大体討伐クエストを持ってくる冒険者が多いので、なかなか新鮮です。
見た目とは裏腹に結構慎重なのかも?。
受注証を渡し、クエスト完了のサインを貰い忘れないようにアドバイスをすると、少女達はこちらに手を振って出掛けて行った。
「予想外に大変でしたのね…あんなに種類がある中で目的の野草を探すなんて、本当に大変なクエストでしたの」
鞄にさっき受け取ったクエスト完了証を入れながら少女はつぶやいた。
「まぁ、今度はちゃんと確認してから採るようにするといいと思うぞ…」
少し疲れたような感じで青年は少女に言う。
別にこのクエスト中に戦闘が発生したわけでもなかったのになぜ青年がこんな感じなのか?……それは相方の少女に問題があった。
ギルドで受け取った野草の特徴と絵の描いてある紙を見ながら採っていたはずなのだが、採ってくるのが半分以上別のものだったのだ。
仕方ないので、少女が集めてきたら青年が確認するという不思議な流れをすることとなり、持ってくるたびにまた違うという心労でぐったりしていたのだ。
当の少女の方は妙に前向きで、最後の方は間違いが減ったと胸を張っているほどだった。
(…これくらい分かりやすい特徴を間違うのか)
青年はこれからを考えて、軽く頭を抱えた。
「…はい、クエスト完了証を確認しました、ご苦労様でした。こちらが報酬金となります」
クエスト完了を報告して初の報酬金を受け取る少女。
嬉しそうに青年に見せているところが本当に微笑ましい。
(あぁ、この瞬間のために受付をしているといっても過言じゃないですね、私)
「とりあえず現金も手に入りましたので、少しお店をのぞいてみませんの?」
少女は目をキラキラさせながら青年にねだる。
得たお金で大したものが買えるとは思わないが、大きな街で見て回るのも楽しいのだろうと理解を示し、二人はギルドから出ると商店の並ぶ通りの方へ向かった。
普通のサイズの3倍はありそうな大きくて立派な盾を看板代わりにしている『鉄の大盾亭』というのはたぶん武器・防具屋だろう。
服系の装備を扱ってそうな裁縫店もある。
村の小さな店以外ほとんど行ったことのない少女は、目をキラキラさせながら右に左にと歩き回っている。
昨日の街までのデジャヴを感じて、すでに頭を痛めている青年の事は知らず、のぞいて回る少女だった。
しばらく進むと食料品の露店が並ぶエリアに着く。
「あら?。あそこにいるのはシスターではありませんの?。ナタリーさん?」
少女は手を振りながらシスターに近づいていく。
それは間違いなく、昨日お世話になった教会のシスター、ナタリーであった。
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