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本編
6話目 / 7話目
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『6話目・ひきこもりと私 / 更楽茄子』
次の日も宝箱の前に座ると、黙々とスキル上げを続ける。
『将来のビジョンをもって練習をやるかどうかで結果は激変する』
この偉い人の言ったことを座右の銘に、確固たる未来を目指して練習練習。
「女神様、飲み物と食事をお願い」
『はーい、ちょっと待ってくださいねぇ』
しばらくすると、机の上にコップに入った水と数枚のパン、あとスープが現れる。
「野菜も食べたいんだけど、サラダとかも出せる?」
『大丈夫ですよぉ。待ってくださいねぇ』
また少し待つと、小さな皿にキャベツみたいな野菜が盛られたサラダが出てきた。
私は出てきた食事に「いただきます」と手を合わせ、モシャモシャと完食した。
それからベッドで少し眠って、また宝箱の前に座りスキル上げを再開するのだった。
この間延びした女性の声は、本人が言うにはこの世界の女神らしい。
魔王が世界を壊す前に、魔王を倒すための勇者候補を異世界から呼んだらしく、それの一人になぜか私も選ばれたのだ。
そして、女神の力は直接的に世界に影響することは許されてなく、この始まりの町限定で力を行使できるらしい。
ダメもとで頼んだら、簡単な食事や飲み物なら頼めば出してもらえた。
そんなわけで、私は部屋から出る事もなくスキル上げに専念することが出来ている。
『スキルは順調に上がってますけどぉ、経験値を稼がないとレベルは上がりませんよぉ?』
女神さまが心配そうに声をかけてくる。
どうやら生産系スキル (施錠なんかもこれに含まれるらしい)はそれをすれば上がるが、ステータス強化等のジョブレベルとはまた別のものらしい。
なので、たとえ生産系のスキルがカンストしようと、モンスターを倒さない限り弱いままという事らしい。
施錠・開錠のスキルがLv3になったけど、私が未だにLv1鍵師のままなのはそういう事らしい。
ちなみに、未だに部屋の外には一度も出ていない。
残り:15人
───────────────────────
『7話目・始まりと私 / 更楽茄子』
『ここに集まっていただきました皆様にはぁ、この世界を救ってもらいたいんですぅ』
これは今より、少しだけ前のお話。
突然ここに飛ばされた男女各10名、計20名。
年齢は16~18歳─────その理由は異世界に適応が速く、ステータスも伸びやすいかららしい。
「あの質問なんですけど、もしこの世界で死亡した場合はどうなりますの?」
金髪縦ロールのテンプレお嬢様みたいな女子が、空に向って質問をする。
『残念ながら死亡した場合はぁ、こっちの世界の記憶は消えますがぁ、元居た世界の元の時間軸に戻るだけなのでぇ、なにも変わらないと思いますぅ』
なるほど。死亡のリスクはないみたい。
「貰えるスキルってのは条件あるのか?。ゲームだと上級職のスキルは無理とかよくあるが」
きっちり鍛えられた感じの短髪の男性も質問をしている─────低くていい声だ。
『それは大丈夫ですぅ。ただぁ、ジョブ専用スキルを選んだ場合、今後ジョブがソレ固定になっちゃうのでぇ、それだけは気を付けてくださいぃ』
「この横のスキルレベルってのは、戦闘で上げるわけ?」
茶髪のギャルっぽい子も質問をしてるけど、見た目に反してまともな質問だ。
『スキルはその行動をとることで上がりますぅ。モンスターを倒して経験値 (EXP)を得て上がるジョブレベルとは別物と考えてくださいぃ』
「…それで、僕たちはどうしたらいいんだ?。死亡以外に元の世界に戻る方法はあるのか?」
なんか真面目そうな眼鏡君ですね─────寡黙な感じも捨てがたい。
『この世界が壊されるか、魔王を倒してもらえたらぁ、皆さんは元の世界に戻れますぅ。でも出来るだけぇ、頑張って倒してこの世界に平和を取り戻してくださいぃ』
ふんふん、なるほど、つまり─────
「世界が壊されるのをくいとめたらいいわけですね?」
『えっとぉ、食い止めるというか魔王を倒して欲しいんですけどぉ、まぁ一緒の事ですねぇ』
私の質問にもちゃんと答えて貰えた。
うん、それなら何とかなりそうだ。
『ではぁ、目の前のスキル一覧から好きなスキルを1つ選んでくださいねぇ』
こーして、私達20人のこの世界での冒険は始まった。
次の日も宝箱の前に座ると、黙々とスキル上げを続ける。
『将来のビジョンをもって練習をやるかどうかで結果は激変する』
この偉い人の言ったことを座右の銘に、確固たる未来を目指して練習練習。
「女神様、飲み物と食事をお願い」
『はーい、ちょっと待ってくださいねぇ』
しばらくすると、机の上にコップに入った水と数枚のパン、あとスープが現れる。
「野菜も食べたいんだけど、サラダとかも出せる?」
『大丈夫ですよぉ。待ってくださいねぇ』
また少し待つと、小さな皿にキャベツみたいな野菜が盛られたサラダが出てきた。
私は出てきた食事に「いただきます」と手を合わせ、モシャモシャと完食した。
それからベッドで少し眠って、また宝箱の前に座りスキル上げを再開するのだった。
この間延びした女性の声は、本人が言うにはこの世界の女神らしい。
魔王が世界を壊す前に、魔王を倒すための勇者候補を異世界から呼んだらしく、それの一人になぜか私も選ばれたのだ。
そして、女神の力は直接的に世界に影響することは許されてなく、この始まりの町限定で力を行使できるらしい。
ダメもとで頼んだら、簡単な食事や飲み物なら頼めば出してもらえた。
そんなわけで、私は部屋から出る事もなくスキル上げに専念することが出来ている。
『スキルは順調に上がってますけどぉ、経験値を稼がないとレベルは上がりませんよぉ?』
女神さまが心配そうに声をかけてくる。
どうやら生産系スキル (施錠なんかもこれに含まれるらしい)はそれをすれば上がるが、ステータス強化等のジョブレベルとはまた別のものらしい。
なので、たとえ生産系のスキルがカンストしようと、モンスターを倒さない限り弱いままという事らしい。
施錠・開錠のスキルがLv3になったけど、私が未だにLv1鍵師のままなのはそういう事らしい。
ちなみに、未だに部屋の外には一度も出ていない。
残り:15人
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『7話目・始まりと私 / 更楽茄子』
『ここに集まっていただきました皆様にはぁ、この世界を救ってもらいたいんですぅ』
これは今より、少しだけ前のお話。
突然ここに飛ばされた男女各10名、計20名。
年齢は16~18歳─────その理由は異世界に適応が速く、ステータスも伸びやすいかららしい。
「あの質問なんですけど、もしこの世界で死亡した場合はどうなりますの?」
金髪縦ロールのテンプレお嬢様みたいな女子が、空に向って質問をする。
『残念ながら死亡した場合はぁ、こっちの世界の記憶は消えますがぁ、元居た世界の元の時間軸に戻るだけなのでぇ、なにも変わらないと思いますぅ』
なるほど。死亡のリスクはないみたい。
「貰えるスキルってのは条件あるのか?。ゲームだと上級職のスキルは無理とかよくあるが」
きっちり鍛えられた感じの短髪の男性も質問をしている─────低くていい声だ。
『それは大丈夫ですぅ。ただぁ、ジョブ専用スキルを選んだ場合、今後ジョブがソレ固定になっちゃうのでぇ、それだけは気を付けてくださいぃ』
「この横のスキルレベルってのは、戦闘で上げるわけ?」
茶髪のギャルっぽい子も質問をしてるけど、見た目に反してまともな質問だ。
『スキルはその行動をとることで上がりますぅ。モンスターを倒して経験値 (EXP)を得て上がるジョブレベルとは別物と考えてくださいぃ』
「…それで、僕たちはどうしたらいいんだ?。死亡以外に元の世界に戻る方法はあるのか?」
なんか真面目そうな眼鏡君ですね─────寡黙な感じも捨てがたい。
『この世界が壊されるか、魔王を倒してもらえたらぁ、皆さんは元の世界に戻れますぅ。でも出来るだけぇ、頑張って倒してこの世界に平和を取り戻してくださいぃ』
ふんふん、なるほど、つまり─────
「世界が壊されるのをくいとめたらいいわけですね?」
『えっとぉ、食い止めるというか魔王を倒して欲しいんですけどぉ、まぁ一緒の事ですねぇ』
私の質問にもちゃんと答えて貰えた。
うん、それなら何とかなりそうだ。
『ではぁ、目の前のスキル一覧から好きなスキルを1つ選んでくださいねぇ』
こーして、私達20人のこの世界での冒険は始まった。
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