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第2話 転移先は巨木の前だった
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★
「えっ?」
「どうなってるの?」
トーリとメアリーの声が聞こえる。
モノリスの前では騒ぎが大きくなり、その場にいる人たちは一点を指差し話をしていた。
「ライアスはどこに行ったのよ?」
私は疑問を口にする。
先程、ライアスと会話をしたばかりで、この後、彼がクラスチェンジをしたら一緒にお茶をする予定を取り付けていた。
「今、一瞬でライアスの姿が消えたよな?」
だと言うのに、彼の姿がどこにも見当たらない。
「駄目です、広場のどこにもいません!」
メアリーも必死に探しているのだけど、どこにも彼の姿はなかった。
次第に騒ぎが大きくなり、人が集まり始める。
警備兵がモノリスの前に集まり、目撃者を募っては事情聴取を行う。
彼のクラスチェンジを見守りに来た私たちも事情を聞かれ答えていると、気が付けば深夜を回っていた。
「あいつ、一体どこに消えちまったんだよ?」
トーリが苛立ちを見せる。
「ライアス君、無事なんでしょうか?」
メアリーが祈りを捧げる。
「……そうだ、予約していた店に謝りに行かなきゃ」
そんな二人に比べて、私はどこか冷静な頭で呟く。
やらなければならないことが思いつくのは、あの二人程ライアスのことを心配していないからだ。
歩いていると、視界が歪み、水滴が落ち地面を濡らしはじめた。
「せっかく、伝えられると思ったのに……」
目から涙が溢れだし、呼吸が出来ず胸が詰まる。
「話を聞いてくれるって約束したじゃない!」
誰が聞いているとも知らず叫んでいた。
「ライアス……どこに行ったのよ?」
その疑問に答えてくれる者はおらず、私は上を向き天を見るのだった。
★
「はっ?」
視界が一瞬で切り替わる。
「っと? 何だ?」
足元がふらついたかと思うと、地面が妙にデコボコしていることに気付いた。
「ここは……どこだ?」
先程まで、俺は街のモノリスの前に立っていたはず。
クラスチェンジの儀式を行っていたのだが、モノリスの『はい』の文字に触れた瞬間、視界がブレた。
目の前には恐ろしい高さの壁がある。
いや、壁ではない。信じられない程大きな木のようだ。
上を見上げると、空を覆い隠すように葉が茂っており、木は雲を突きぬけてさらに伸びているようで、この木がどのくらい高さなのかが想像もつかない。
俺は木の高さを測ることを諦め視線を戻すと、木の横に小屋があるのを発見した。
どうやら誰かがここに住んでいる可能性がありそうだ、俺はホッとすると息を吐いた。
「何か手掛かりがないか……。最悪人がいれば話を聞かせてもらおう」
話を聞ければ何かわかるかもしれない。俺は小屋へと向かった。
ドアがないのでそのまま中へと入ってみる。
中には物がほとんどなく、壁にモノリスと同じような材質の板と、部屋の隅に大きな箱が置かれていた。
俺は板に触れてみる。すると、目の前に情報が現れた。まさかとは思ったが、これもモノリスのようだ。
ずらずらとたくさんの情報が表示される。
『買い取り・購入のいずれかを選びください。支払いはすべてポイントにて対応致します』
ひとまず、購入の文字に触れると、その下に項目が現れた。
『回復』『魔法』『武器』『防具』『食べ物』『飲み物』『スペシャル』
試しに『回復』に触れてみる。
【販売品】
・回復石(小)価格100pt……体力を小回復してくれる。
・回復石(中)価格500pt……体力を中回復してくれる。
・回復石(大)価格2000pt……体力を大回復してくれる。
・回復石(特)価格10000pt……体力を完全回復してくれる。
・魔石(小)価格100pt……魔力を小回復してくれる。
・魔石(中)価格500pt……魔力を中回復してくれる。
・魔石(大)価格2000pt……魔力を大回復してくれる。
・魔石(特)価格10000pt……魔力を完全回復してくれる。
・解毒石 価格500pt……身体から毒を取り除いてくれる。
・石化石 価格500pt……石化状態を解除してくれる。
・エリクシール 価格1000000pt……ありとあらゆる状態異常を治し体力と魔力を回復してくれる。
「回復石って、迷宮の宝箱からたまに手に入るレアアイテムのことか?」
俺たちのパーティーにはメアリーがいるので買ったことはないのだが、一般的に迷宮に潜る時には備えとして用意するのが回復石だ。
だが、命綱になるので結構高額だったりする。なので、迷宮での立ち回りはモンスター相手にも余裕を持って怪我をしないようにが基本となる。
そんな高級品を販売していると、このモノリスは告げている。
俺は試しに回復石(小)に触れて購入ボタンを押すが、
『ポイントが足りません。何かお売りしてポイントを溜めてください』
「……何か売れと言われてもな」
手元にあるのは、普段から使っている剣と防具だ。この奇妙な場所でこれらを手放す勇気が俺にはなかった。
「一応、金ならあるけどこれでもいいんだろうか?」
モノリスの『買い取り』に触れると『こちらにお売りいただけるアイテムを入れてください』と箱が自動で開いた。
俺は手持ちの中から一番安い価値しかない銅貨を箱に入れてみた。すると、箱が閉じてしばらくすると画面に文字が表示される。
『残高10ptです。継続してお売りいただけますか?』
まるで意志があるようにふたたび箱が開く。
どうやら銅貨1枚も10ptで買い取ってくれるらしい……。
そこで俺は疑問が浮かぶ、先程も言ったが『回復石』は高価なアイテムだ。
一番効果が低い物でも金貨1枚はくだらないはず。実は金をだまし取る詐欺なのではないだろうか?
『継続してお売りいただけますか?』
『継続してお売りいただけますか?』
『継続してお売りいただけますか?』
『継続してお売りいただけますか?』
「うわっ! 急かすなよ……」
ひとまず悩んでいても仕方ない。今度は銀貨を入れてみた。
『残高110ptです。継続してお売りいただけますか?』
銅貨が10ptに対し、銀貨は100ptらしい。ひとまず売るのを止めて買うことにした。
俺が『回復石(小)』に触れ、『決定』の文字に触れると、箱から「コトリ」と音がした。
開けて見ると、そこに『回復石(小)』が入っていた。
過去に見たことがあるから間違いなさそうだ。
詐欺ではなく、このモノリスとやり取りをすれば本当にアイテムが手に入るらしい。
『迷宮【ユグドラシル】への入り口を解放しました』
『初回購入特典より『スペシャル』より一つのアイテムを無料でお渡しします』
箱から出た『回復石(小)』を手にしながら考えていると、新たなメッセージが表示されるのだった。
「えっ?」
「どうなってるの?」
トーリとメアリーの声が聞こえる。
モノリスの前では騒ぎが大きくなり、その場にいる人たちは一点を指差し話をしていた。
「ライアスはどこに行ったのよ?」
私は疑問を口にする。
先程、ライアスと会話をしたばかりで、この後、彼がクラスチェンジをしたら一緒にお茶をする予定を取り付けていた。
「今、一瞬でライアスの姿が消えたよな?」
だと言うのに、彼の姿がどこにも見当たらない。
「駄目です、広場のどこにもいません!」
メアリーも必死に探しているのだけど、どこにも彼の姿はなかった。
次第に騒ぎが大きくなり、人が集まり始める。
警備兵がモノリスの前に集まり、目撃者を募っては事情聴取を行う。
彼のクラスチェンジを見守りに来た私たちも事情を聞かれ答えていると、気が付けば深夜を回っていた。
「あいつ、一体どこに消えちまったんだよ?」
トーリが苛立ちを見せる。
「ライアス君、無事なんでしょうか?」
メアリーが祈りを捧げる。
「……そうだ、予約していた店に謝りに行かなきゃ」
そんな二人に比べて、私はどこか冷静な頭で呟く。
やらなければならないことが思いつくのは、あの二人程ライアスのことを心配していないからだ。
歩いていると、視界が歪み、水滴が落ち地面を濡らしはじめた。
「せっかく、伝えられると思ったのに……」
目から涙が溢れだし、呼吸が出来ず胸が詰まる。
「話を聞いてくれるって約束したじゃない!」
誰が聞いているとも知らず叫んでいた。
「ライアス……どこに行ったのよ?」
その疑問に答えてくれる者はおらず、私は上を向き天を見るのだった。
★
「はっ?」
視界が一瞬で切り替わる。
「っと? 何だ?」
足元がふらついたかと思うと、地面が妙にデコボコしていることに気付いた。
「ここは……どこだ?」
先程まで、俺は街のモノリスの前に立っていたはず。
クラスチェンジの儀式を行っていたのだが、モノリスの『はい』の文字に触れた瞬間、視界がブレた。
目の前には恐ろしい高さの壁がある。
いや、壁ではない。信じられない程大きな木のようだ。
上を見上げると、空を覆い隠すように葉が茂っており、木は雲を突きぬけてさらに伸びているようで、この木がどのくらい高さなのかが想像もつかない。
俺は木の高さを測ることを諦め視線を戻すと、木の横に小屋があるのを発見した。
どうやら誰かがここに住んでいる可能性がありそうだ、俺はホッとすると息を吐いた。
「何か手掛かりがないか……。最悪人がいれば話を聞かせてもらおう」
話を聞ければ何かわかるかもしれない。俺は小屋へと向かった。
ドアがないのでそのまま中へと入ってみる。
中には物がほとんどなく、壁にモノリスと同じような材質の板と、部屋の隅に大きな箱が置かれていた。
俺は板に触れてみる。すると、目の前に情報が現れた。まさかとは思ったが、これもモノリスのようだ。
ずらずらとたくさんの情報が表示される。
『買い取り・購入のいずれかを選びください。支払いはすべてポイントにて対応致します』
ひとまず、購入の文字に触れると、その下に項目が現れた。
『回復』『魔法』『武器』『防具』『食べ物』『飲み物』『スペシャル』
試しに『回復』に触れてみる。
【販売品】
・回復石(小)価格100pt……体力を小回復してくれる。
・回復石(中)価格500pt……体力を中回復してくれる。
・回復石(大)価格2000pt……体力を大回復してくれる。
・回復石(特)価格10000pt……体力を完全回復してくれる。
・魔石(小)価格100pt……魔力を小回復してくれる。
・魔石(中)価格500pt……魔力を中回復してくれる。
・魔石(大)価格2000pt……魔力を大回復してくれる。
・魔石(特)価格10000pt……魔力を完全回復してくれる。
・解毒石 価格500pt……身体から毒を取り除いてくれる。
・石化石 価格500pt……石化状態を解除してくれる。
・エリクシール 価格1000000pt……ありとあらゆる状態異常を治し体力と魔力を回復してくれる。
「回復石って、迷宮の宝箱からたまに手に入るレアアイテムのことか?」
俺たちのパーティーにはメアリーがいるので買ったことはないのだが、一般的に迷宮に潜る時には備えとして用意するのが回復石だ。
だが、命綱になるので結構高額だったりする。なので、迷宮での立ち回りはモンスター相手にも余裕を持って怪我をしないようにが基本となる。
そんな高級品を販売していると、このモノリスは告げている。
俺は試しに回復石(小)に触れて購入ボタンを押すが、
『ポイントが足りません。何かお売りしてポイントを溜めてください』
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手元にあるのは、普段から使っている剣と防具だ。この奇妙な場所でこれらを手放す勇気が俺にはなかった。
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モノリスの『買い取り』に触れると『こちらにお売りいただけるアイテムを入れてください』と箱が自動で開いた。
俺は手持ちの中から一番安い価値しかない銅貨を箱に入れてみた。すると、箱が閉じてしばらくすると画面に文字が表示される。
『残高10ptです。継続してお売りいただけますか?』
まるで意志があるようにふたたび箱が開く。
どうやら銅貨1枚も10ptで買い取ってくれるらしい……。
そこで俺は疑問が浮かぶ、先程も言ったが『回復石』は高価なアイテムだ。
一番効果が低い物でも金貨1枚はくだらないはず。実は金をだまし取る詐欺なのではないだろうか?
『継続してお売りいただけますか?』
『継続してお売りいただけますか?』
『継続してお売りいただけますか?』
『継続してお売りいただけますか?』
「うわっ! 急かすなよ……」
ひとまず悩んでいても仕方ない。今度は銀貨を入れてみた。
『残高110ptです。継続してお売りいただけますか?』
銅貨が10ptに対し、銀貨は100ptらしい。ひとまず売るのを止めて買うことにした。
俺が『回復石(小)』に触れ、『決定』の文字に触れると、箱から「コトリ」と音がした。
開けて見ると、そこに『回復石(小)』が入っていた。
過去に見たことがあるから間違いなさそうだ。
詐欺ではなく、このモノリスとやり取りをすれば本当にアイテムが手に入るらしい。
『迷宮【ユグドラシル】への入り口を解放しました』
『初回購入特典より『スペシャル』より一つのアイテムを無料でお渡しします』
箱から出た『回復石(小)』を手にしながら考えていると、新たなメッセージが表示されるのだった。
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