17 / 41
第17話 疑問
しおりを挟む
「私と互角にやり合った時から強いのだろうと感じていましたが、まさか青鬼をほぼ単独で倒してしまうなんて……」
キキョウの尻尾が揺れ、俺を見る目がこれまでと違っている。
彼女は尊敬の眼差しを向けてくるのだが、
「どうしましたか? どこか怪我でもしましたか?」
俺が腑に落ちずにいると、キキョウが怪訝な顔をした。
「いや、このモンスターと俺は今まで戦ったことがなかったんだ」
「そうなのですか、それにしては動きを見切って鮮やかに立ち回っていたようですが?」
驚いて見せるキキョウに、
「この迷宮には俺も毎日入っている。このあたりなら本来はリザードマンウォーリアが出現するはずなんだよ」
「リザ……、聞いたことがない生き物ですね」
キキョウの顔つきが変わる。どうやら俺の言わんとしていることがわかったらしい。
「昨日まで現れなかったモンスターが出現し、それはキキョウの故郷で見られるモンスター。これは偶然だろうか?」
やはりこの迷宮には何か謎が隠されている。その謎を解明しなければ俺たちは元の場所に戻ることができないのではないだろうか?
「おそらく偶然ではないでしょうね、先程の石碑といい、私たちがこうして接して転移させられていることからも考えて、何者かの意志が介在しているのは間違いないでしょう」
俺も同意見だ。
「ですが、私は運が良い。あなたがいなければ今の青鬼の攻撃で怪我をしていたに違いありませんから。補給もままならぬ未知の場所では治療も困難ですからね」
「こっちこそ、キキョウが来てくれて良かったよ。また一つ謎が増えたが一人で抱え込まずに済むからな」
これまでは、一人で剣を振るい漠然と過ごしてきたが、これからは自分だけで考えなくても良く、キキョウに相談することができる。
「とりあえず、ドロップアイテムを回収するか」
青鬼の死体が地面に吸い込まれ、金棒が残っている。これを手で持ち運びするのは面倒なので『無限収納の腕輪』で空間を開いて収納しておく。
「なっ! 何なのですか今の術は?」
「これは『無限収納の腕輪』と言って、空間を開いてアイテムを保管することができるんだ。モノリスで買い物をした時に初回特典で無料でもらえたんだよ」
「このようなとんでもない効果を持つ道具が無料で……?」
俺の説明にキキョウは目を丸くする。
「ライアスがそうだと言うのなら、私にも同じような特典がもらえるのでしょうか?」
「断定はできないけど、多分もらえるんじゃないか?」
ポイントが共有できないのだから別扱いなのは間違いない。そうならば可能性は高いように思える。
「ライアス、もっと獲物を狩りましょう!」
これまで以上のやる気を出すキキョウに、
「わかったから。そんなに急かさないでくれ」
手を引っ張られた俺は苦笑いを浮かべついていくのだった。
キキョウの尻尾が揺れ、俺を見る目がこれまでと違っている。
彼女は尊敬の眼差しを向けてくるのだが、
「どうしましたか? どこか怪我でもしましたか?」
俺が腑に落ちずにいると、キキョウが怪訝な顔をした。
「いや、このモンスターと俺は今まで戦ったことがなかったんだ」
「そうなのですか、それにしては動きを見切って鮮やかに立ち回っていたようですが?」
驚いて見せるキキョウに、
「この迷宮には俺も毎日入っている。このあたりなら本来はリザードマンウォーリアが出現するはずなんだよ」
「リザ……、聞いたことがない生き物ですね」
キキョウの顔つきが変わる。どうやら俺の言わんとしていることがわかったらしい。
「昨日まで現れなかったモンスターが出現し、それはキキョウの故郷で見られるモンスター。これは偶然だろうか?」
やはりこの迷宮には何か謎が隠されている。その謎を解明しなければ俺たちは元の場所に戻ることができないのではないだろうか?
「おそらく偶然ではないでしょうね、先程の石碑といい、私たちがこうして接して転移させられていることからも考えて、何者かの意志が介在しているのは間違いないでしょう」
俺も同意見だ。
「ですが、私は運が良い。あなたがいなければ今の青鬼の攻撃で怪我をしていたに違いありませんから。補給もままならぬ未知の場所では治療も困難ですからね」
「こっちこそ、キキョウが来てくれて良かったよ。また一つ謎が増えたが一人で抱え込まずに済むからな」
これまでは、一人で剣を振るい漠然と過ごしてきたが、これからは自分だけで考えなくても良く、キキョウに相談することができる。
「とりあえず、ドロップアイテムを回収するか」
青鬼の死体が地面に吸い込まれ、金棒が残っている。これを手で持ち運びするのは面倒なので『無限収納の腕輪』で空間を開いて収納しておく。
「なっ! 何なのですか今の術は?」
「これは『無限収納の腕輪』と言って、空間を開いてアイテムを保管することができるんだ。モノリスで買い物をした時に初回特典で無料でもらえたんだよ」
「このようなとんでもない効果を持つ道具が無料で……?」
俺の説明にキキョウは目を丸くする。
「ライアスがそうだと言うのなら、私にも同じような特典がもらえるのでしょうか?」
「断定はできないけど、多分もらえるんじゃないか?」
ポイントが共有できないのだから別扱いなのは間違いない。そうならば可能性は高いように思える。
「ライアス、もっと獲物を狩りましょう!」
これまで以上のやる気を出すキキョウに、
「わかったから。そんなに急かさないでくれ」
手を引っ張られた俺は苦笑いを浮かべついていくのだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
372
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる