従僕と柔撲

秋赤音

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曇天と棘

解花

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再び唇が合わさって、舌が触れ合って。
夢中で追いかけていると、どこかから水の音が聞こえてきた。

「ぁ…っ、あっ、みず、こぼれて…」

「そうだね。羅輝亜さん、気持ちよさそうに僕の指で遊んでいる」

何を言っているのか、わからない。
目を動かすと、私が腰をふっているのが見えた。
下着ごしに、彼の指へ股をおしつけている。
なにかあったのか、下着の隙間から内側にはいった彼の指には異物感があるのに。

「ぇ…?な、ぁ…っ、あっ、指、なぁあっ…んっ、ぁあっ、やめ、ぬい、て…っ」

「何度もぬこうとしたんだけれど。羅輝亜さんが離そうとしなくて」

「ちが…ぁああっ、ぬけ、なぃ…っ、なんで…ぃ、ゃ…な、あ、あっ、あつ、ぃひゃああああああっっ」

体の奥で何かが弾けた。

「イったのか」

「んぅ…っ、ぁああっ…とめ、て…っ、ぬいて…っっ」

水の音がとまらない。
圧迫感がぬけきろうとする手前でビリビリして力がぬける。
するんと入ってくる繰り返し。
熱い、熱い、痛くはないが、熱くて溶けそう。
苦しいのに、心地よくて、気持ち悪いのに、なくなると物足りない。
やめてほしい。
やめないでほしい。
助けてほしい。

「羅輝亜さんは、空腹状態らしい。
我慢ができないくらいの衝動なら、もはや食欲と同じ。
足りない栄養を補おうとするのは人として正常で、良いことです」

なぜか楽しそうな彼の様子で、悪いことでないのだと思う。
恋人役として、少しくらい望まれたことができているだろうか。

「いぃこと、ですか…?」

「いいこと。だから「んぅ…っ!ぁ…あっ、ん…っ」

唇が触れ合って、舌が撫でころがされて、真似ればさらに応じてくれる。
褒められたみたいで、嬉しかった。
私も誰かに求められていると、安心できた。


夕食の支度をする時間まで続いた触れ合い。
濡れたシーツに驚くが、上機嫌な彼に台所へ行くよう促され、謝る機会を失った。

夕食後。
片付けを終えて浴室に向かおうとすると、彼に呼び止められた。
ようやく謝ることができたが、気にしているなら…と一緒に風呂へはいることになった。
先に行った彼を追うが、用意をして入室するとすでに湯船でくつろいでいた彼。
気にしないようにしながら体を流し終えた私は、彼の希望で向かい合って座る。
そして、「少しだけ」とはじめたキス。
お腹が痛くて、熱くなってきた瞬間、背後から腰に近づいてきたのは膝立ちの体を支えてくれる手。
空腹と彼は言った。
ねだれば、同じことをしてもいいのだろうか。
理想の恋人なら、どうすればいい?

「腰、ゆれてる」

「ぁ…っ、指が…あたって…っ、ぅ…んっ」

「ほしい?」

ほしい場所に寄せられたことで、我慢ができなくなった。

「んんっ、ほしい、です…っ、ぁあああっ」

湯船に水がおちたが、彼が気にしていないから続けた。
舌が溶け合うような感触も、違和感から心地よいものに変わっていく。


のぼせたらしい私は、目が覚めると彼のシャツをきていた。

「良い経験ができた。羅輝亜さん、ありがとう」

時々、記憶がないけれど。
もう、痛くないし、熱くない。
彼が満足そうにしているから、まあいいかと思った。

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