従僕と柔撲

秋赤音

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番外「剣火に燃える」

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15時。
おそらく貸した本が読み合わる頃だから、と言い訳に彼女に近づいた。
いつもなら貸し借りの流れで自分か彼女の自室に行き、ベッドに沈む。
だが、今はできない。
欲情していながら無視を続けるか、強請るか揺らぐ彼女を抱くことにした。
実験終了。

18時。
声が枯れるまで抱き潰した彼女の体をふいていた。
仰向けの彼女の胸や腹に精をかけたからか、白濁にまみれて男を煽る。
恍惚の笑みで「もっと」と、掠れた声で強請るから、不覚にもまた勃った。
最後に避妊しながらナカで精を注いだ後だったが、伸ばされた腕を拒めなかった。
自分が彼女の性癖に影響を与え、淫らな体にした要因の一つになっていると自負がある。
仰向けで呆然としている無防備な腰を指先で撫でるだけで、簡単に絶頂する彼女。
面白くて、自分の中にある感情が満たされていくのを味わいながら、陰核を焦らし弄ぶ。

「ぅあっ、あぐ…ひやぁあっ!イくっ、イく…っ、またイくからぁ…っ」

「うん。イきっぱなし、気持ちいいよな。
ナカも撫でてやるからな」

「んぁっ、イっく…ぅひゃ、い…ぁああああっ!!」

つぷりと指を受け入れた淫部をかき回し、触れば潮吹くところを責める。
壊れた人形のような彼女は、虚ろな目で腰をふる。
そして、規則的に、気持ちよさそうな声を漏らしながら吹いている。
そろそろ、いいだろう。

「羅輝亜。いれるね」

まだ孕ませる気はないから避妊は忘れない。
聞こえた悲鳴を無視して指で弄んだナカを、自身で貫いた。
浅いところを擦るだけで強く締めつけるから、楽しくて、つい出し入れを繰り返した。
少しだけ焦らしていると、泣きながら腰を振って奥まで誘い強請る彼女に合わせた。
奥を重点に突けば、悦び喘ぎながらナカを締めつけてくる。

「羅輝亜。気持ちいい?玩具も使う?」

「きもち、いっ、きもちい、い…っ!お、もちゃいゃあああっ!!っくぅう…っ!凪都ぉ…っ」

玩具と言うだけでさらに締めつけが強くなったナカに応えることにする。
近くにあったクリップを硬い胸の先端につける。
悲鳴をあげながら、泣いて啼いて、恍惚の笑みを浮かべる彼女は綺麗だった。

22時。
媚薬を飲んだように乱れ狂い果て、運んできた軽食を食べた後に彼女は眠った。
ベッドに寝かせて、机に向かう。
その前に。

「おやすみなさい。羅輝亜」

穏やかに眠る彼女の額に口づけた。


明朝。
仕上がった作品はすぐに電話の主に送った。
眠くなったので、ベッドへ戻った。
寝相のいい彼女を抱き枕にして、共に朝を迎えた。

お題の最後は別れと再会だった。
小さなすれ違いが積もり、女は別れようと考えていた。
同棲している恋人に別れを告げられる寸前の男は、自分から別れを告げて家を出た。
数か月先、夜の街中で男と偶然再会した女は再び男と過ごすことを願った。
男が了承し、恋の続きが始まる。
定番だが、安心して読める内容だろう。
電話の主に気に入られたらしい。
そのうち人の目に晒されることになる。
どうでもよかったが、今は少しだけ良いと思える。
自室の長椅子で彼女が読み終えたページの最後を眺めた後、作品一覧を見て笑うから。

「新作はいつ出ますか?」

「そのうち」

「そうですか」

丁寧に閉じられ置かれた本を回収し、棚に戻した。
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