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秘めた心
4.青い春、再び
しおりを挟む高等学校を卒業したと同時に、
亜紀羅と和馬の婚約が成立した。
二人は同じ大学院へ入学。
卒業と同時に婚約者から妻と夫に変わる。
「亜樹十先輩、ぼーとしてどうしました?」
亜紀羅とは違う大学の学食。
ここ半年は、亜紀羅が弁当をいらないと言う。
一人分だけ作るのは面倒になり、
通っていながら機会がなかった場所へ足を運んでいる。
隣で公祐が心配そうに僕の顔を見る。
「公祐。ごめん、選択肢が多いから迷っていてね」
「わかります。どれも美味しそうに見えますよね。
学校生活はまだありますし、
今は一番気になるものにしませんか?」
「そうだよね…どうしよう」
たくさんあるメニュー。
慣れ親しむ自家製弁当ではない料理が新鮮で、
一番を決めるのが難しい。
やっと二つまで絞ったが、どちらも捨てがたい。
入るお腹が一つなことが悔しい。
「どれで迷ってます?」
「あれか、それ…」
「俺も気になってました!
よかったら、先輩が頼まない方を俺が頼んで半分にしませんか?」
「いいの?」
目を輝かせながら、こちらに都合のいい提案をしてくる。
無理に合わせてはいないだろうか。
「はい!」
「ありがとう」
「い、いえ。偶然ですけど、同じでしたから」
申し出を断らなくてよかった。
公祐はとても楽しそうに、
提案通りに半分ずつにした定食を食べている。
器が空になると、良いことを思いついたらしく
眩しい笑顔がこちらを向いた。
「先輩がよかったら、ですけど。
メニューを一通り食べるため、今日みたいに協力しませんか?
半分ずつなら、一周する時間が一人より半分で終わります」
「確かに…早く一周すれば、
迷うことなくお気に入りを繰り返し食べる楽しみ方に移行できる。
その提案、いいね」
「では、契約成立ですね?」
「そうだな。よろしくお願いします」
「はい!よろしくお願いします」
偶然から始まったメニュー食べつくし計画。
期間限定が何度かあり、意外と時間がかかっているが面白い。
そして、なぜか付きまとってきた女性たちが日に日に遠ざかっていく。
おかげで、大学生活の中で一番静かな昼食時間が過ごせるようになった。
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