輪廻の終わりで

秋赤音

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他様生

愛は買える

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夜の街は、地上に星屑が散ったように明るい。今日も、男女は出会いを求めてネオン光の影に足を踏み入れる。
「ここ、期待できそう。ススメた当人は来れなかったけど。この子は淫乱ビッチ系かな」
「確かに、いいね。写真だけでも色っぽい。薬の匂いがしない、肌がキレイな子がいい。意外と淫乱一途系かもしれないだろ」
男たちは、看板にある女の紹介写真とプラン内容を合わせ見る。
『貞操帯は、努力義務です。検査・治療済み。着用の有無が選べるプランあります』
「お店に出てる時点で一途って。なあ。変形者も愛想よく相手してもらえれば良い方よ」
男は嗤う。
「…確かに。良い仕事に期待しよう」
男は嗤う。

貞操帯の良し悪しは定着するほど改良され、社会へ強い影響を与えた。
異物を着用し続けることで増える皮膚疾患や、外す時間を減らすことで脱水症状や膀胱炎も増えた。
男性は、圧迫され続けることで起こる症状もある。
穴なら良いとお尻を使った方法や、貞操帯ありきの体に負担がかかる楽しみ方も話題となり課題は多い。
恩恵と害悪が残った試用期間を終え、彼らは考えた。
そして、人々は壊れた公共安全への備えを選んだ。
半数は、自ら育てることを放棄した。
産むだけの雌に、作るだけの雄になることを選んだ。
半数は、「今が楽しければいい」と妊娠に関わることすら放棄した。
誰かを心から愛することを放棄した。


夜の街は男を迎えるため、女性たちは準備で賑わう。
更衣室は、身支度のためドレスや化粧品が並んでいる。互いに素肌を晒しながら、見えにくいところを確認し合う。
「足キレー。いいな。私、帯の素材が合わなくて湿疹。何使ってるの?」
「いいなって…胸がキレイだから、使い勝手よさそうでいいよね。何使ってるのよ」
「これ?触ってみる?普通に下着型で…ぁんっ、んんっ…上手い、なぁあっ」
「布、シリコンパットと、シリコンカバーの鍵…動かしても、食い込まない…高そう」
女は念入りに確認するため、胸の表面を撫で、包むように揉み、アンダーラインをなぞりながら乳首を刺激する。愛撫のような動きに蕩けそうな様は、目に入っていない。
「熱心なのはぁ…わかるけどっ、もう、待って…まっぁああんんつ」
「ありがと…大丈夫?」
「…触らせて。足の付け根。私も参考にしたいから」
女たちは、朗らかに笑む。

「いらっしゃいませ。当店は先払いです。相手の希望はありますか?」
写真から相手を選んだ男たちは、清楚な明かりが彩るシンプルなレジで手続きを済ませる。指定された部屋で待っていると、ドアがノックされた。
「失礼します」
施錠がされた密室。女性が指定した服装で、自分の隣に座り、拳一つ分だけ空いている程よい距離で微笑んでいる。違和感なく似合いこなしている上に、見えそうで見えない深い谷間。ラインは見えているのに肌は見えない女の柔さ。間があるから分かる良い眺めも、密着しても楽しみがある。先を想像するだけで気が昂ぶる。
「ご指名ありがとうございます。そんなにジッと見つめられると…嬉しいです。似合いますか?」
足の内側を擦り合わせながら、蕩けた目で、甘い声で男を誘う。
「よく似合っている。脱がすのが惜しいくらいにね」
「ありがとうございます。だったら、このままシますか?帯無しプランなので、できますよ」
「本当に?」
「確かめていいですよ。ほら、ここ」
女性は男の前に立つ。そして、男の手をとってドレスの上を滑らせながら誘導する。
「最近は色々あるから、直に確かめないと不安だね」
「そう、ですよね。どうぞ。っんぁ…そう、です。どう、しますかぁんっ」
「そうだね…まずは、上に乗る?下がいい?」
「上に乗ります…次は、どうすればいいですか」
「胸は辛いだろうけど放置して…足を開いて、ドレスをめくって…濡れてる。慣らさないから自分で入れて、自由に動いて、たくさん気持ち良くなってね」
「はいっ…ぁあ…ぁふっ…んっ…ふぁっ…ああぁんっ」
女は男へ胸を突き出すように腰をふる。男は目の前で揺れている柔い水風船の様な胸を眺める。
「握ったら、潰れそう」
「やっ、ゃさしくっ、シて、くださひっ」
「やさしく、ね。努力もするけど…魅力的で難しい相談だね」
男は下から女を突き上げ、揺れる胸を眺める。互いに高め合いながら、女は絶頂の上にある絶頂を楽しむ。
「そのまま、あと二時間、頑張ってね」
「ぁひっ、んぁあっ、はふぅ…っ、あっ、あぁっ」
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