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4.劣情
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会場の外にあるベンチ。
座って庭を眺める白亜の紳士は、近づいてきた足音に振り返る。
女性ならではの曲線美と、美しい白亜の絹髪が煌めく。
動けば大胆に足を魅せる紅のドレスをまとうのは、白亜にして黒天の死神は優美に微笑む。
「こんばんは。ご一緒しても?私はシロネと申します」
「はい、どうぞ。麗しい黒天神様。東の白亜族のマシロと申します」
1人分の間をあけて紳士の隣に座った淑女は、ゆるりと揺れた生地の隙間から美しい足を月光に晒す。
男は思わず目で追いそうになるのを堪え、景色へ視線を戻す。
「マシロ様…奥様はお嬢様の婚約者探しで忙しいのですね」
「はい、立派な母親で良い妻です。得意だから任せて、と。心強いですよ」
紳士は穏やかに笑む。紳士の言葉を聞いた淑女は口角をさげて、悲しそうに微笑んだ。
「どうして…とても素敵な方なのに、奥様は何が不満なの…私にはわからないのです。
連れ子に優しくしてもらって…お嬢様方だけでなく、東白亜様の母親でもあるのに」
独り言のように呟いた言葉に紳士の肩が凍てついた。
「どういう、ことですか」
「お嬢様のお相手を見定めながら、奥様も楽しんでいたようなので。
思い違いかもしれないのに…申し訳ありません」
「いえ。ありがとうございます。申し訳ないですが、失礼します」
慌てて駆け出した紳士。
追って淑女も走る。
淑女が止まった先にいたのは、紅天使が死神と未婚者のように求愛しながら踊る姿。
「マシロ様…やはり、間違い、ですよね」
紳士は妻を、淑女は夫を見つめて驚く。
悲しげに俯く淑女は紳士の手をとり、顔を上げた。
「あ…「マシロ様。私と、庭で踊りましょう?舞踏会ですもの」
「しかし「今宵だけは、天使にも休息があってもいいと思いますのよ」
紳士は淑女と目が合った瞬間、色がない瞳に光を戻した。
「私が、誘ったのですわ。
マシロ様は夫から愛されない愛妾でも、第二夫人として扱ってくださる素敵なお方様」
「それは、当然です。御婦人も社交の場では彼の妻ですから」
紳士は淑女に手をさしのべると、二人の手が繋がり外へと歩きだす。
音楽がとまると、麗しい死神は天使の頬に口付けた。
「マシロ様…私、まだ一緒にいたいです」
「…いえ、戻らないと「マシロ様」
死神は天使の唇をふさぎ、甘い毒を絡め合わせるように理性を奪う。
「今宵だけ、です…今宵だけだから」
白亜の滑らかな淡色肌の手をそっと撫でる淑女が誘う。
「マシロ様…今宵だけ、です」
「シロネ様…」
誘う手に死神の指先が重なり、褐色と淡色の指が絡まる。
二人は人の気配が無い暗闇へ一歩踏み出す。
客室の扉の内側へ消えた影は、朝陽に照らされて間もなく離れた。
淫らな音が熱を惜しむようにゆっくりと消える。
とろりと溢れる白濁をこぼさないように身を起こした淑女は、柔い笑みを浮かべる。
紳士はじっと見つめた後、女を押し倒して足を開かせた。
「私が望んだことです…子供が、できても、私が育てますから…安心してください」
「やはり、よくないと…だから」
紳士は女の陰部へ指をねじこみ、溢れてくる白濁をかき出す。
「ぁあああっ、ぃやぁっ!んぁっ、きもち、い…こぼれ、る、からぁ、あふうっ、んぁあっ!」
男女の影が客室の廊下を歩く頃、同じような気配たちも帰路へ向かう。
舞踏会の影で行われた密談は堂々と始まり、終えた。
座って庭を眺める白亜の紳士は、近づいてきた足音に振り返る。
女性ならではの曲線美と、美しい白亜の絹髪が煌めく。
動けば大胆に足を魅せる紅のドレスをまとうのは、白亜にして黒天の死神は優美に微笑む。
「こんばんは。ご一緒しても?私はシロネと申します」
「はい、どうぞ。麗しい黒天神様。東の白亜族のマシロと申します」
1人分の間をあけて紳士の隣に座った淑女は、ゆるりと揺れた生地の隙間から美しい足を月光に晒す。
男は思わず目で追いそうになるのを堪え、景色へ視線を戻す。
「マシロ様…奥様はお嬢様の婚約者探しで忙しいのですね」
「はい、立派な母親で良い妻です。得意だから任せて、と。心強いですよ」
紳士は穏やかに笑む。紳士の言葉を聞いた淑女は口角をさげて、悲しそうに微笑んだ。
「どうして…とても素敵な方なのに、奥様は何が不満なの…私にはわからないのです。
連れ子に優しくしてもらって…お嬢様方だけでなく、東白亜様の母親でもあるのに」
独り言のように呟いた言葉に紳士の肩が凍てついた。
「どういう、ことですか」
「お嬢様のお相手を見定めながら、奥様も楽しんでいたようなので。
思い違いかもしれないのに…申し訳ありません」
「いえ。ありがとうございます。申し訳ないですが、失礼します」
慌てて駆け出した紳士。
追って淑女も走る。
淑女が止まった先にいたのは、紅天使が死神と未婚者のように求愛しながら踊る姿。
「マシロ様…やはり、間違い、ですよね」
紳士は妻を、淑女は夫を見つめて驚く。
悲しげに俯く淑女は紳士の手をとり、顔を上げた。
「あ…「マシロ様。私と、庭で踊りましょう?舞踏会ですもの」
「しかし「今宵だけは、天使にも休息があってもいいと思いますのよ」
紳士は淑女と目が合った瞬間、色がない瞳に光を戻した。
「私が、誘ったのですわ。
マシロ様は夫から愛されない愛妾でも、第二夫人として扱ってくださる素敵なお方様」
「それは、当然です。御婦人も社交の場では彼の妻ですから」
紳士は淑女に手をさしのべると、二人の手が繋がり外へと歩きだす。
音楽がとまると、麗しい死神は天使の頬に口付けた。
「マシロ様…私、まだ一緒にいたいです」
「…いえ、戻らないと「マシロ様」
死神は天使の唇をふさぎ、甘い毒を絡め合わせるように理性を奪う。
「今宵だけ、です…今宵だけだから」
白亜の滑らかな淡色肌の手をそっと撫でる淑女が誘う。
「マシロ様…今宵だけ、です」
「シロネ様…」
誘う手に死神の指先が重なり、褐色と淡色の指が絡まる。
二人は人の気配が無い暗闇へ一歩踏み出す。
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淫らな音が熱を惜しむようにゆっくりと消える。
とろりと溢れる白濁をこぼさないように身を起こした淑女は、柔い笑みを浮かべる。
紳士はじっと見つめた後、女を押し倒して足を開かせた。
「私が望んだことです…子供が、できても、私が育てますから…安心してください」
「やはり、よくないと…だから」
紳士は女の陰部へ指をねじこみ、溢れてくる白濁をかき出す。
「ぁあああっ、ぃやぁっ!んぁっ、きもち、い…こぼれ、る、からぁ、あふうっ、んぁあっ!」
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