代償 ー願いの対価ー

秋赤音

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独罪ー義兄の葛藤

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腹違いの、父親が気に入る白亜の愛人が産んだ子どもたち。2歳下で愛人である紅天使の遺伝子が強く出ている、らしい。
話を聞いたときはウンザリしていた。だが、両親の仲良し家族ごっこのために付き合い面会した瞬間、認識が変わった。
容姿は違うが、その魂を知っていた。ぼんやりと思い出す前世の記憶に残る最愛の人。空色だった瞳は薄紅で、でも自身の色が薄く混じっていることに酷く興奮した。
「オトハ…?」
「レイヤ。この子たちは、シラハとハクト。血が半分繋がっている、あなたの妹と弟よ。」
妹、義妹、いもうと。告げられた現実を認識した。妻は他人だが、血を分けた家族なら死んでも一緒だろう。嬉しい。嬉しい、うれしい、うれしい、ウレシイ。ただ安堵した。奪わなくても傍にいてくれる。彼女の大切な記憶を塗り潰すことも無い。ああ、この悦びを何と呼べばいい?良い兄になろう。好かれる兄になりたい。
「シラハ。ハクト。」
大切にしよう。怖いものを遠ざけて守るから、今世も愛し合おう。1日、1年と過ぎるたび、シラハは美しく磨かれていく。近寄る害虫を秘密に除き、年頃になった幼い淑女の好奇心を制御して。寝かしつけは年長者の自分に任せられたが本当に嬉しかった。ベッドで眠気に揺らぐ薄紅の瞳と唇の誘惑を耐え過ごすのも慣れた。
だが、彼女が7歳になった数日後にウッカリ我慢してる育てたい欲を出してしまい術をかけてしまった。結果、彼女の理性を奪い女の本能が目覚めて淫行未遂。彼女の記憶を消したが影響が残り、月夜の晩のはオトハとシラハが交ざる自分だけが覚えている幻想時間が生まれた。
幻想は消えないまま10歳になっても知られていないか、黙認されている。おかげか健在の仕事寝かしつけは誰にも譲る気がない。7日後は10歳で社交デビューという異例が決まっていようとも。
「お兄様、どうして眠る前に頬へキスするの?私の王子様なの?」
「うん。シラハが望むなら、シラハだけの王子様になる。」
望まれたい。望んでほしい。自分が育て女になっていくシラハは、日ごとに幻想時間では妻に似てきた。じっと目を合わせれば、ほのかに赤く染まる頬。今夜は美しい月が見え…発情期の雌のように潤む瞳は宝石のように美しい。
「ぉ…にい、さま。…っ」
気付けば彼女の方から寄ってきて、当たり前のように唇がふれあった。そして、小さな舌が唇を舐める。
「おにぃ、さまぁ…っ」
か弱い声にハッとした。とろんと笑む女の顔だった。これは良くない。家族でいられなくなる。また未遂だ。まだ未遂だ。止めようと手をだせば捕まれて、育ち始めている柔らかい胸の膨らみに押し当てられる。
どこで知った?遠慮なく行為は進んで、自分の指に馴染む肌がたまらない。思わず尖る先を指先で強く弾き、挟み、弄ぶ。
「ひやぁあんっ!友達が、こう…したら、いぃっ!って…んぅ…っ、きもちぃ…っ」
どこかから甘い香りがする。
「に、さまぁっ…!ぁあ…っ!ぁ…ぅ…っ」
脱力して虚ろに視線が迷っている。絶頂したようだ。失敗した。だから、仕方ない。シラハから失敗の記憶を消して、明日からは普段通りの家族になる。
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