瞬く間に住む魔

秋赤音

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愛は番の運命に溺れる

3.愛願動物

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実験が始まった翌朝。
ウォル様は、初めて見る男根に似た道具を手にして私をベッドへ押し倒した。
足を広げられ、明け方まで繋がっていた秘部の奥に異物が入れられた。
子種の回収作業だと、言っていた。
冷たい感触と、すっかり馴染んでしまった男根の形状にナカが疼く。
まるで性行為をしているような動きをする異物に、腰が動く。

「ぁ…は、ぅうん…っ、あ…あぁっ…これ、ウォル様のと、同じ…っ」

「そうだ。慣れた形状の方が回収しやすい、らしい」

「あぁあっ、これ、ぃやぁあっ…つめた、ぃいいひゃああっ!あっ、あんっ、奥、こないで…ぁ、あっ、ぃやあああっ!」

拒否するほど深く入ってくる異物でイった私のお腹を撫でたウォル様。
異物をぬくと、撫でた場所に口づけをおとして、私を見つめる。

「回収に成功した。あとは、培養器で育てる」

「ぁ…は…ぃ」

「褒美だ」

妖しい笑みの赤い眼光に射抜かれ、不快感と期待で高鳴る鼓動が体を巡る。
異物ではない熱をもつ欲望は、難なく秘部に入ってきた。

「ああんっ、ウォル様の…熱い、です、ぅぁ…っあ、ぁああああっ!」

奥に当たった瞬間にイったナカを遠慮なく突くウォル様は、満足そうに笑っていた。



ウォル・ガディ様と出会って三か月が過ぎた。
試験者いわく、実験経過は良好。
遺伝子の弱さを補い合った個体が期待できる、と言う。
隔世遺伝子も含めると初代の変異種では得られなかった能力も付与される可能性がある、とも言う。
培養器を見たことは無いが、体を傷めることがないまま育っていくことは確かに楽だ。

ウォル様は、事後に達成感と倦怠感を隠さないまま、必ず私を腕に抱く。
激しく抱かれて返事をする気力は尽きていたが、言葉の代わりに頬を寄せる。

「俺は…野生動物の遺伝子の劣化品だと言われている」

ぽつりとこぼした空笑いと言葉は、悲しい響きを持っていた。

「それでも研究成果として遺伝子を残すことが役割だと…俺、嬉しかった。
良い個体ができるかもしれないと言われて、安心したんだ」

ウォル様は強く私を抱きしめながら、苦い何かを吐き出すように囁いた。
ガディ家は、身に得た野生動物の血を誇りに生きている。
親である元素種であり初代異能種の野生動物人は、短命で気性は荒く繁栄確率は低いが、身体能力と順応性は高い。
貴族だけでなく、選ばれた者は実験的に族種の違う母体で交配した。
結果の一つがウォル様であり、私。
瞳の色で属性が決められ、赤い目は動物族の野生派に分けられている。
ウォル様は、順応性だけは元素種と比べると劣るが、野生動物と飼育植物を交配されたおかげで異能を得たと言っていた。

「ルシアも、俺も、役に立てると証明できた。
だから、嬉しい。
もし、まだ劣化品だと言う奴がいたら…俺が潰す」

唸るような声に、胸の奥にある過去のわだかまりが解けていくのを感じた。
報復しなくても、十分に満たされてしまった。
それよりも、成果を重ねて価値を高める方が良いと思う。

「潰すのはだめ、です…ウォル様がわざわざ手をかける価値、ない、です」

枯れた声に答えたのは、言葉ではなく唇が重なる優しい触れ合いだった。
ふと、両親を思い出した。
両親は、心から愛し合って結ばれたと聞いている。
元素種の動物賊飼育派と真人族静観派の特徴は、よく似ている。
短命か、長生きできるか。
繁殖率が高いか、低いか。
だた、それだけ。
ルシアという個体は、金色を黄とみなされ動物族飼育派に分けられた劣化品。
元素種よりも短命な飼育動物、あるいは繁殖葎が高い真人族静観派。
他に取柄らしい特徴は無いが交配には使える素材程度の存在。
ウォル様と私は、身分違いだが同じ役割を強いられて生きていると知ったのは最近のこと。
素直に感情を表せるウォル様に憧れを抱き始めている私がいる。
自覚すると、少しだけ暗いだけだった道に光が見えた。
定まった未来を生きるためにも、アルトの思い出を封じることに決めた。

「ルシアが望むなら、そうしよう。
奴らと関わるよりも、ルシアといる方がいいしな」

甘えるような声に包まれながら、重くなっていく瞼を閉じる。

「おやすみ、ルシア」

不快でなくなり始めた温度に身を任せて眠る。
朝になると、きっと、抱かれて一日が始まるのだろう。
違う始まりを望みながら、快楽を受け入れたように疼く体を抑えた。
このままもう一度…と、夢に落ちる間際によぎった考えは夢へ道連れにした。



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