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愛は番の運命に溺れる
忘れて
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翌日。
初めてルシアと共に街に出かけると
装飾品を売る店の前で、真人族の男を連れたスノウ・クラフと会う。
数歩分の距離を保って、互いに目礼する。
男はルシアの恋人で今はスノウ・クラフの番だが、ルシアを見ても表情に変化はない。
立場を考え、わざと知らないふりをしている可能性はある。
隣で身を強張らせたルシアは男を見て驚いているが、声には出さないまま一瞬で笑みを作った。
「こんにちは。
ウォル・ガディも番様とデートですか?」
「そうだ」
「素敵ですね。私も、彼と一緒にお揃いの指輪を選ぶところです。
そういえば、ウォル・ガディに言いたいことが「なん」
突然に詰められた距離。
あと一歩で間合いが無くなる程の立ち位置から、スノウ・クラフは俺の耳元に口を寄せた。
「彼…アルトは、記憶喪失です。
覚えているのは、暮らしに困らない知恵と私のことだけ…番様の方はお任せします」
言いたいことだけ言ったスノウ・クラフは、すぐに元の立ち位置に戻った。
すると、男の眉にしわが寄った。
男の様子に、ルシアの目が曇った。
スノウ・クラフは、俺を見てニッコリと微笑む。
「アルト。私たちに関わる大切な話だったの。
でも、会う機会はないから…ね?」
「はい…スノウ」
「私たちはそろそろ…失礼します」
二人が去り、装飾店の扉が揺れた。
だが、閉じた扉をくぐる予定はない。
「ルシア。俺たちが向かうのはこの先だ」
腰を抱くと、布越しに冷えた体温を感じた。
ルシアに不調があってはいけない。
少しでも温まればいいと、ひき寄せる。
「はい。ウォル様…よければ、ですが。
一緒に選んでいただけますか?」
「選んで、いいのか?」
「はい。お願いします」
身を寄せてくるルシアは、寂しさを宿した目をしていた。
理由は、いずれ、夢の中で聞けばいい。
今は、せっかく得た機会を無駄にしないのが最優先だ。
ルシアは、部屋に戻るまで笑みを崩すことは無かった。
眠る前、いつもより激しい行為を求められた。
様々な感情がまじる瞳は泣いているようにも見えたが、知らないふりをして応えた。
翌日。
再びうなされるようになったルシアは、恋人の名をつぶやく。
寝言が静かになるまで聞いていた。
さらに翌日。
幻想を見せる道具を使わなくても、なぜか道具を使ったときと同じ現象が起きた。
しかし、今までと違うこともある。
心が変わり、知った快楽を受け入れていて、求めてしまうと言うルシア。
恋人に謝りながら我慢できないと悲鳴をあげて、恋人の幻想を見ながら俺に抱かれる。
翌朝。
ルシアは目が覚めると、俺を見て安堵したようにため息をついた。
理由は分からない。
だが、俺を見つめて精をねだるルシアには応えられる。
ルシアの記憶や感情のすべてが、大切なルシアの一部だ。
すべてがあるから、今がある。
ルシアは、俺の、番だ。
今、これからも、俺だけを見ているようにすればいいだけだ。
交尾が終わり、互いに身なりを整え直す。
仕事にむかうため扉を開ける直前、ルシアを正面から抱きしめ、耳元に口を寄せる。
「そろそろ、様はなくしてもらいたい」
「ウォル、様?」
「様」
「う…ぅ、ウォル?ですか?」
呼ばれた声は、考えていたよりも耳に心地よく響いた。
気づけば重ねていた唇。
甘い吐息がこぼれ始めて離すと、発情したルシアは蕩けた目で俺を見つめる。
「俺が戻るまで、これと遊んでいるがいい。
ベッドで、な」
自立した蔦を濡れた秘部に入れると、すでにイきそうになっているルシア。
「ぁああっ…ん…っ…は、い。ありがとう、ござい、ます…っ」
「イけ」
「んぁっ、イくっ、イきますぅ…んゃあああんんっ!!」
「続きは、ベッドでしろ」
指示に忠実なルシア足は、ゆっくりと歩き出す。
その背を見送ると、扉をくぐり、鍵を閉めた。
初めてルシアと共に街に出かけると
装飾品を売る店の前で、真人族の男を連れたスノウ・クラフと会う。
数歩分の距離を保って、互いに目礼する。
男はルシアの恋人で今はスノウ・クラフの番だが、ルシアを見ても表情に変化はない。
立場を考え、わざと知らないふりをしている可能性はある。
隣で身を強張らせたルシアは男を見て驚いているが、声には出さないまま一瞬で笑みを作った。
「こんにちは。
ウォル・ガディも番様とデートですか?」
「そうだ」
「素敵ですね。私も、彼と一緒にお揃いの指輪を選ぶところです。
そういえば、ウォル・ガディに言いたいことが「なん」
突然に詰められた距離。
あと一歩で間合いが無くなる程の立ち位置から、スノウ・クラフは俺の耳元に口を寄せた。
「彼…アルトは、記憶喪失です。
覚えているのは、暮らしに困らない知恵と私のことだけ…番様の方はお任せします」
言いたいことだけ言ったスノウ・クラフは、すぐに元の立ち位置に戻った。
すると、男の眉にしわが寄った。
男の様子に、ルシアの目が曇った。
スノウ・クラフは、俺を見てニッコリと微笑む。
「アルト。私たちに関わる大切な話だったの。
でも、会う機会はないから…ね?」
「はい…スノウ」
「私たちはそろそろ…失礼します」
二人が去り、装飾店の扉が揺れた。
だが、閉じた扉をくぐる予定はない。
「ルシア。俺たちが向かうのはこの先だ」
腰を抱くと、布越しに冷えた体温を感じた。
ルシアに不調があってはいけない。
少しでも温まればいいと、ひき寄せる。
「はい。ウォル様…よければ、ですが。
一緒に選んでいただけますか?」
「選んで、いいのか?」
「はい。お願いします」
身を寄せてくるルシアは、寂しさを宿した目をしていた。
理由は、いずれ、夢の中で聞けばいい。
今は、せっかく得た機会を無駄にしないのが最優先だ。
ルシアは、部屋に戻るまで笑みを崩すことは無かった。
眠る前、いつもより激しい行為を求められた。
様々な感情がまじる瞳は泣いているようにも見えたが、知らないふりをして応えた。
翌日。
再びうなされるようになったルシアは、恋人の名をつぶやく。
寝言が静かになるまで聞いていた。
さらに翌日。
幻想を見せる道具を使わなくても、なぜか道具を使ったときと同じ現象が起きた。
しかし、今までと違うこともある。
心が変わり、知った快楽を受け入れていて、求めてしまうと言うルシア。
恋人に謝りながら我慢できないと悲鳴をあげて、恋人の幻想を見ながら俺に抱かれる。
翌朝。
ルシアは目が覚めると、俺を見て安堵したようにため息をついた。
理由は分からない。
だが、俺を見つめて精をねだるルシアには応えられる。
ルシアの記憶や感情のすべてが、大切なルシアの一部だ。
すべてがあるから、今がある。
ルシアは、俺の、番だ。
今、これからも、俺だけを見ているようにすればいいだけだ。
交尾が終わり、互いに身なりを整え直す。
仕事にむかうため扉を開ける直前、ルシアを正面から抱きしめ、耳元に口を寄せる。
「そろそろ、様はなくしてもらいたい」
「ウォル、様?」
「様」
「う…ぅ、ウォル?ですか?」
呼ばれた声は、考えていたよりも耳に心地よく響いた。
気づけば重ねていた唇。
甘い吐息がこぼれ始めて離すと、発情したルシアは蕩けた目で俺を見つめる。
「俺が戻るまで、これと遊んでいるがいい。
ベッドで、な」
自立した蔦を濡れた秘部に入れると、すでにイきそうになっているルシア。
「ぁああっ…ん…っ…は、い。ありがとう、ござい、ます…っ」
「イけ」
「んぁっ、イくっ、イきますぅ…んゃあああんんっ!!」
「続きは、ベッドでしろ」
指示に忠実なルシア足は、ゆっくりと歩き出す。
その背を見送ると、扉をくぐり、鍵を閉めた。
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