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花は愛を乞う
5.愛してる
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気づけば、人の気配が無い裏路地にいた。
目の前には壁と、男を誘う女性の柔い背中があった。
すでに下肢は互いの熱を高め合い、今にも果てそうで。
まとう脱ぎかけのドレスは、暴きたい欲を煽るだけ。
「アルト、さま」
女性は、ルシア、は自分を幸せそうに熱のこもった切ない目で見つめてくる。
昔は様なんてつけてなかったのに。
知らないはずなのに、なぜか苛々する。
「ルシア、様」
「そ、そうですね。私は、ウォル・ガディ様の妻です。
あなた様は、スノウ・クラフ様の夫です」
ウォル・ガディ様の妻だから、呼んだ名前に表情が曇った。
苛々する。
感情のまま深くナカを突くと、艶やかな悲鳴が聞こえた。
「だったら、なぜ煽るのですか?
このままだと、どうなるか。
人妻だから、わかりますよね?」
「ぃい…っ、このまま、出して、ください…っ、子種を、ください…アルト、アルト…っ!」
苛々する。
こんなルシア、知らない。
悲しそうに呼ばないでほしい。
どうして、どうして、自分はルシア様を知っている?
熱を分け合う前触れに違和感がない理由も、分からない。
様づけで呼び合う違和感も、苛々する理由も、わからない。
けれど、なぜか分け合う温度が心地いい。
でも、スノウを、妻を裏切って、ルシアを諦めて、諦めた?
混乱する思考はルシアが煽る快楽に消えていく。
今は、互いに心地よくなれるようにしよう。
焦らすようにゆっくりとナカを擦り煽り返すと、返事をするようにナカが締まる。
「アルト、さん…ですよね?お願いする相手を呼ぶのです…ぅっ、くっ…」
「ぁあ…アルトさん、ルシアって呼んで、ください…っ、今だけでぃいからぁああんっ!」
「ルシアさん。お望みの子種、です…っ、…ほら、いきます、から…っ」
「ぁ、あっ、きて、奥、あつっぅぁあああっ!…んんぁっ!ゃ、あっ、は、ぁ…もっとぉ…っ」
射精すると、嬉しそうに腰をおしつけてくるルシア。
片手は腰においたまま、片手で無防備な胸に触れると嬉しそうに喘ぐ。
懐かしい感触と、知らない大きさに夫の存在が見えた。
苛々する。
愛し合うのは自分のはずだったのに。
昂る自身を抜き、無理やり向き合わせて抱き上げた。
首に腕が回った瞬間、濡れる秘部を再び自身で貫く。
心地よい悲鳴が聞こえた。
「夫様とは、どのように、しているんです?
ここ、よさそうですが。仕込まれましたか?」
「ひゃ…ぃわないでっ、いつもより、気持ち、ぃいの…っ」
「それは、相手が違うからですか?」
「んっ、そう、ですぅうぁ…っ、やぁっと、恋人とつな、がれて…嬉しくて…ぁ、は、ぅうん…っ」
ルシアは甘く啼きながら、蕩けて微笑んだ。
そうだ。
この顔が見たかった。
それから、夢中で抱き合った。
最初で最後の一度だけと決めて、互いを求めた。
知らないはずなのに、満たされていく心。
重い足で家に帰ると、スノウはまだいなかった。
少しだけ、安心した。
後ろめたい感情を胸の奥に封じ込める。
待っていたが、夜になっても帰ってこない。
いつものように食事を食べ、風呂にを済ませて、ベッドに入る。
違うのは、一人きりなだけ。
寂しいような、安堵するような、不思議な気持ちで眠った。
翌朝。
久しぶりにスッキリと目が覚めた。
昼食の用意をしていると、スノウが帰ってきた。
仕事が忙しかった、と言っていた。
働くことを許されない自分にできることは、家事だけ。
「待っていてくれて、ありがとう」とスノウは微笑んだ。
目の前には壁と、男を誘う女性の柔い背中があった。
すでに下肢は互いの熱を高め合い、今にも果てそうで。
まとう脱ぎかけのドレスは、暴きたい欲を煽るだけ。
「アルト、さま」
女性は、ルシア、は自分を幸せそうに熱のこもった切ない目で見つめてくる。
昔は様なんてつけてなかったのに。
知らないはずなのに、なぜか苛々する。
「ルシア、様」
「そ、そうですね。私は、ウォル・ガディ様の妻です。
あなた様は、スノウ・クラフ様の夫です」
ウォル・ガディ様の妻だから、呼んだ名前に表情が曇った。
苛々する。
感情のまま深くナカを突くと、艶やかな悲鳴が聞こえた。
「だったら、なぜ煽るのですか?
このままだと、どうなるか。
人妻だから、わかりますよね?」
「ぃい…っ、このまま、出して、ください…っ、子種を、ください…アルト、アルト…っ!」
苛々する。
こんなルシア、知らない。
悲しそうに呼ばないでほしい。
どうして、どうして、自分はルシア様を知っている?
熱を分け合う前触れに違和感がない理由も、分からない。
様づけで呼び合う違和感も、苛々する理由も、わからない。
けれど、なぜか分け合う温度が心地いい。
でも、スノウを、妻を裏切って、ルシアを諦めて、諦めた?
混乱する思考はルシアが煽る快楽に消えていく。
今は、互いに心地よくなれるようにしよう。
焦らすようにゆっくりとナカを擦り煽り返すと、返事をするようにナカが締まる。
「アルト、さん…ですよね?お願いする相手を呼ぶのです…ぅっ、くっ…」
「ぁあ…アルトさん、ルシアって呼んで、ください…っ、今だけでぃいからぁああんっ!」
「ルシアさん。お望みの子種、です…っ、…ほら、いきます、から…っ」
「ぁ、あっ、きて、奥、あつっぅぁあああっ!…んんぁっ!ゃ、あっ、は、ぁ…もっとぉ…っ」
射精すると、嬉しそうに腰をおしつけてくるルシア。
片手は腰においたまま、片手で無防備な胸に触れると嬉しそうに喘ぐ。
懐かしい感触と、知らない大きさに夫の存在が見えた。
苛々する。
愛し合うのは自分のはずだったのに。
昂る自身を抜き、無理やり向き合わせて抱き上げた。
首に腕が回った瞬間、濡れる秘部を再び自身で貫く。
心地よい悲鳴が聞こえた。
「夫様とは、どのように、しているんです?
ここ、よさそうですが。仕込まれましたか?」
「ひゃ…ぃわないでっ、いつもより、気持ち、ぃいの…っ」
「それは、相手が違うからですか?」
「んっ、そう、ですぅうぁ…っ、やぁっと、恋人とつな、がれて…嬉しくて…ぁ、は、ぅうん…っ」
ルシアは甘く啼きながら、蕩けて微笑んだ。
そうだ。
この顔が見たかった。
それから、夢中で抱き合った。
最初で最後の一度だけと決めて、互いを求めた。
知らないはずなのに、満たされていく心。
重い足で家に帰ると、スノウはまだいなかった。
少しだけ、安心した。
後ろめたい感情を胸の奥に封じ込める。
待っていたが、夜になっても帰ってこない。
いつものように食事を食べ、風呂にを済ませて、ベッドに入る。
違うのは、一人きりなだけ。
寂しいような、安堵するような、不思議な気持ちで眠った。
翌朝。
久しぶりにスッキリと目が覚めた。
昼食の用意をしていると、スノウが帰ってきた。
仕事が忙しかった、と言っていた。
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