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同じ傘の下で
事と情
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主従だった頃には考えてもいなかった。
下僕が使う台所に夫として隣に立つシア様がいる。
楽しそうに味見できるのを待つシア様。
毒見といってもいい行動を名乗り出るから少し困る。
当然ながら完成した品をお渡しするが、これがお屋敷でなくてよかったと心から思う。
「シア。料理の試食はできるだけ「リディ」
「リディは、愛する妻が作った料理を一番に食べることができる楽しい特権を奪うんですね」
寂しそうに呟かれる言葉に返す言葉が分からない。
顔見知っている同士の契約だから、ここまで演技をする必要があるのだろうか。
演技だとしても、シア様が紡ぐお言葉に胸を弾ませてしまう私の不浄な感情が体内で渦を巻いている。
「いいえ。そこまでは「だったら、いいですね」
頬を撫でられ、唇が重なる。
幸せ。
いつから劣情になったのか分からない敬愛と保護欲が悦んでいる。
楽しそうに私へ触れるシア様に、私の心が満足している。
心から愛されなくてもいい。
シア様が心穏やかに暮らせるならいい。
いつの間にか正面から抱きしめられていて、なぜか背中から下に指が這ってる。
応えるように体の奥から熱が溢れてくる。
「先に、ここでリディを食べます」
身にまとっている布が剥かれ離れていく。
壁に背を押しつけられ、抱えられて、はしたなく開いた足でシア様の腰にしがみつく。
「準備が整っているリディには、ご褒美をあげないといけませんね」
「ぁああああ…っ、シア、深い、壊れるっ、壊れます…っ」
「壊れたリディも愛するから、安心して壊れてください」
するりと馴染む感触と在るだけで眩暈がする快楽。
さらに激しく揺さぶられ、理性は瞬く間に消えた。
いつものこと。
下僕の時から変わらない、大切な重さと体温。
「シ、アさ、ま…っ」
離れないようにシア様の首に回す腕に力を入れ、口づけを強請った。
下僕が使う台所に夫として隣に立つシア様がいる。
楽しそうに味見できるのを待つシア様。
毒見といってもいい行動を名乗り出るから少し困る。
当然ながら完成した品をお渡しするが、これがお屋敷でなくてよかったと心から思う。
「シア。料理の試食はできるだけ「リディ」
「リディは、愛する妻が作った料理を一番に食べることができる楽しい特権を奪うんですね」
寂しそうに呟かれる言葉に返す言葉が分からない。
顔見知っている同士の契約だから、ここまで演技をする必要があるのだろうか。
演技だとしても、シア様が紡ぐお言葉に胸を弾ませてしまう私の不浄な感情が体内で渦を巻いている。
「いいえ。そこまでは「だったら、いいですね」
頬を撫でられ、唇が重なる。
幸せ。
いつから劣情になったのか分からない敬愛と保護欲が悦んでいる。
楽しそうに私へ触れるシア様に、私の心が満足している。
心から愛されなくてもいい。
シア様が心穏やかに暮らせるならいい。
いつの間にか正面から抱きしめられていて、なぜか背中から下に指が這ってる。
応えるように体の奥から熱が溢れてくる。
「先に、ここでリディを食べます」
身にまとっている布が剥かれ離れていく。
壁に背を押しつけられ、抱えられて、はしたなく開いた足でシア様の腰にしがみつく。
「準備が整っているリディには、ご褒美をあげないといけませんね」
「ぁああああ…っ、シア、深い、壊れるっ、壊れます…っ」
「壊れたリディも愛するから、安心して壊れてください」
するりと馴染む感触と在るだけで眩暈がする快楽。
さらに激しく揺さぶられ、理性は瞬く間に消えた。
いつものこと。
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「シ、アさ、ま…っ」
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