瞬く間に住む魔

秋赤音

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同じ傘の下で

9.偶然と軌跡と、

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一年後。
偶然にも再会したシア様は、また襲われそうになっていた。
サンルーナ国の中でも昼と夜の安全性が逆転し、一番危ない裏路地だった。
依頼者の指定で警護しやすい夜会ドレスを着ていたせいか、襲っている女性に強く睨まれた。
綺麗な仕事服のシア様が私を抱き寄せて耳元で囁く姿に苛立っているように見えた。
見送りの道中、以前よりも香りが強い媚薬を身にあびせる女性と遭遇した。
シア様の身にかかることを防いだ。
しかし、ドレスのせいで肌に直接かかった部位が広く、瞬く間に感覚が過敏になっていく。
布に染み込んだ香りで眩暈がした。
でも、嫌な感じはしない。
これくらい、よくあることだった。
シア様も欲情を隠さない眼差しで笑みを浮かべ、機嫌も良いらしく口角を上げている。
声に出さなくても揃ったように、まるで踊るように弾む足取りで歩く。

「昔を思い出します」

「今日は、二人だけの舞踏会…ですね」

互いに笑みを交わし、静かに歩き続け、二度と来ないと思っていた扉が開いた。
促され先に入室すると、背後で鍵が閉まる音がした。
振り向くと、突然に体が浮く。
抱き上げられて運ばれたと気づいたときには、すでにベッドの上に寝かされていた。
見上げた先にあるのは天井とシア様の笑み。

「リディ。新しいドレスを贈るから、これはいりませんよね?」

ドレスで行う護衛の仕事が今日限りで、しかも贈り物扱いでよかった。
もし借り物だったら、元通りにすることが難しい状態だっただろうから。

「はい。これはすでに役割を終えています」

「よかったです。
だったら、今日はもう、これもいいですか?」

するりと足をなぞられ、背中が震えた。
添わせて隠している刃を外そうとする指先を受け入れ、うなずく。

「はい」

「わかりました。脱がせますね」

とられた刃でドレスを裂かれた。
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