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演奏が終わり、踊り終えたルシフェルとジョゼフィーヌに対し大きな喝采が贈られた。
大広間の中央に立つふたりは四方に向かって礼をする。
ルシフェルの真っ白なテールコートは細やかなレースと金糸の刺繍で飾られ、美しさを秘めた荘厳な姿は、未だ天界の天使長ではないかと思われるほどだった。そして、ジョゼフィーヌもまた、白のドレスを、天使の軽やかな羽根のようにひらめかせ、天界の聖女たる清らかさを見せつけた。
「ジョゼフィーヌ、サタン様も君の美しさにご満悦のようだ。さあ、挨拶を」
ルシフェルに促され、ジョゼフィーヌはサタンに向かって深く礼をした。
かがむとこぼれ落ちそうな胸に、周囲の男たちがゴクリと唾をのんだ。
〝しゃぶりつきたい。あの白い肌に、乳房に、そして・・・″
男たちの心の内の欲が、ジョゼフィーヌを責めはじめた。
燻りはじめた淫欲の灯に、ジョゼフィーヌは耐えなくてはならない。
「あんな美しい方々がこの世にいるなんて・・。でもあの男性のほうはどこかで見たことがあるわ」
女は黒髪の青年に話しかけると青年は微笑んで答えてくれた。
「はい。ファッション業界で有名な方です。ご自身もモデルをしていらしたことがありますので、ショーや雑誌でご覧になったのではありませんか?」
「そうだわ。ルシフェルだわ。二年くらいでモデルは引退したんじゃなかった?」
「はい。現在は多くのファッションブランドの会社を経営しておられます」
「じゃあこのドレスも?」
「はい。彼のブランドのものです」
イタリアのファッション界に突如現れた男性モデル『ルシフェル』に、人々は魅了された。
金色の巻き毛に緑色の瞳、美しい容姿は悪魔の名を持つにふさわしかった。
190cmに近い長身、スーツを脱ぎ捨てたときの、華奢な見た目とは違うたくましい体躯に、女も男も性欲を刺激された。
様々な一流ブランドがルシフェルをモデルに起用し、有名になったルシフェルは、欧州の上流社会、芸能界、政治の世界にあっというまに入りこみ、強力なコネクションを作り上げた。
それはすなわちルシフェルの奴隷に選ばれた人間達だ。
反感を持つ者もいたが、大概はルシフェルに骨抜きにされるか、突然の死を遂げた。
「光栄だわ。お連れの方のドレスもとても素敵ね」
「変えていらしてはいかがですか?同じものはありませんが、似たドレスならあるはずなのでスタイリストに用意させましょう」
「男たちの視線を感じるだろう?」
ルシフェルはジョゼフィーヌの耳元で囁いた。
ジョゼフィーヌの息遣いがわずかに早くなっていることに気づいていた。
「皆、君がどのように男たちと乱れるか想像しているのだろうね。君がその気なら私はかまわないよ、ジョゼフィーヌ。この大勢の男達と君が交わっても。・・君も・・・欲しいのだろう?」
ルシフェルの指がジョゼフィーヌの胸の頂に触れた。ドレスの上からでもかすかな刺激となって、ジョゼフィーヌはビクンとふるえた。
ルシフェルは囁く。
「さあ、気に入った男を選びたまえ。君の豊満な肉体を満足させてくれる男を。誰を望む?」
淫欲の火種がジリジリと大きくなるのがわかる。
この火種に身を任せることができたらどんなに楽だろうか?
しかしそれはできない。してはならない。
苦しみは、自分自身への罰だ。
あの日の過ちへの―――
「素晴らしかったよ。ルシフェル」
二人の状況を知ってか知らずか、ベールが席から降りてきて声をかけてきた。
大広間の中央に立つふたりは四方に向かって礼をする。
ルシフェルの真っ白なテールコートは細やかなレースと金糸の刺繍で飾られ、美しさを秘めた荘厳な姿は、未だ天界の天使長ではないかと思われるほどだった。そして、ジョゼフィーヌもまた、白のドレスを、天使の軽やかな羽根のようにひらめかせ、天界の聖女たる清らかさを見せつけた。
「ジョゼフィーヌ、サタン様も君の美しさにご満悦のようだ。さあ、挨拶を」
ルシフェルに促され、ジョゼフィーヌはサタンに向かって深く礼をした。
かがむとこぼれ落ちそうな胸に、周囲の男たちがゴクリと唾をのんだ。
〝しゃぶりつきたい。あの白い肌に、乳房に、そして・・・″
男たちの心の内の欲が、ジョゼフィーヌを責めはじめた。
燻りはじめた淫欲の灯に、ジョゼフィーヌは耐えなくてはならない。
「あんな美しい方々がこの世にいるなんて・・。でもあの男性のほうはどこかで見たことがあるわ」
女は黒髪の青年に話しかけると青年は微笑んで答えてくれた。
「はい。ファッション業界で有名な方です。ご自身もモデルをしていらしたことがありますので、ショーや雑誌でご覧になったのではありませんか?」
「そうだわ。ルシフェルだわ。二年くらいでモデルは引退したんじゃなかった?」
「はい。現在は多くのファッションブランドの会社を経営しておられます」
「じゃあこのドレスも?」
「はい。彼のブランドのものです」
イタリアのファッション界に突如現れた男性モデル『ルシフェル』に、人々は魅了された。
金色の巻き毛に緑色の瞳、美しい容姿は悪魔の名を持つにふさわしかった。
190cmに近い長身、スーツを脱ぎ捨てたときの、華奢な見た目とは違うたくましい体躯に、女も男も性欲を刺激された。
様々な一流ブランドがルシフェルをモデルに起用し、有名になったルシフェルは、欧州の上流社会、芸能界、政治の世界にあっというまに入りこみ、強力なコネクションを作り上げた。
それはすなわちルシフェルの奴隷に選ばれた人間達だ。
反感を持つ者もいたが、大概はルシフェルに骨抜きにされるか、突然の死を遂げた。
「光栄だわ。お連れの方のドレスもとても素敵ね」
「変えていらしてはいかがですか?同じものはありませんが、似たドレスならあるはずなのでスタイリストに用意させましょう」
「男たちの視線を感じるだろう?」
ルシフェルはジョゼフィーヌの耳元で囁いた。
ジョゼフィーヌの息遣いがわずかに早くなっていることに気づいていた。
「皆、君がどのように男たちと乱れるか想像しているのだろうね。君がその気なら私はかまわないよ、ジョゼフィーヌ。この大勢の男達と君が交わっても。・・君も・・・欲しいのだろう?」
ルシフェルの指がジョゼフィーヌの胸の頂に触れた。ドレスの上からでもかすかな刺激となって、ジョゼフィーヌはビクンとふるえた。
ルシフェルは囁く。
「さあ、気に入った男を選びたまえ。君の豊満な肉体を満足させてくれる男を。誰を望む?」
淫欲の火種がジリジリと大きくなるのがわかる。
この火種に身を任せることができたらどんなに楽だろうか?
しかしそれはできない。してはならない。
苦しみは、自分自身への罰だ。
あの日の過ちへの―――
「素晴らしかったよ。ルシフェル」
二人の状況を知ってか知らずか、ベールが席から降りてきて声をかけてきた。
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