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素直じゃない!
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海外出張から早く帰って来た。
連絡しないで帰って来たが、驚くだろうか。
午前0時を過ぎている。
寝ているだろうな。
できるだけ静かに入り、ホールのドアを開ける。
キッチンの灯りがついている。
起きているのか・・?
テーブルに伏せっている。
近づくと寝息が聞こえた。
眠っている。
何故ここで・・?
顔をのぞくと涙を流していた。
また夢を見ているのだろうか・・。
彼女の名を呼んで、肩を軽く揺さぶった。
彼女はぼんやりとまぶたを開いて俺を見上げた。
頬を伝う涙を拭うと、
彼女は寝ぼけた眼差しで俺の名を呟いて、いきなり抱きついてきた。
俺の名を呼びながら泣いている。
寂しかったのだろうか。
彼女を強く抱き締めて、
「ただいま」と、囁いた。
とたんに彼女はハッと我に返った顔をし、
俺の顔をみつめて、
「・・本物・・。夢じゃない・・」
と真剣な声で言った。
「寂しかったのか?」
と聞く俺に、
「いえ、大丈夫です。子供じゃありませんから」
スッと真顔に変えて彼女は答えた。
素直じゃない。いつものことだが。
俺は彼女を担いで寝室のドアを開けベッドに放った。
彼女が抗議の声をあげているが知ったことではない。
素直に寂しかったと言えばいいものを。
ああ、そうだな。
せっかく早く帰って来たんだ。
留守にしていた分、
たっぷりとかわいがってやるさ。
海外出張から早く帰って来た。
連絡しないで帰って来たが、驚くだろうか。
午前0時を過ぎている。
寝ているだろうな。
できるだけ静かに入り、ホールのドアを開ける。
キッチンの灯りがついている。
起きているのか・・?
テーブルに伏せっている。
近づくと寝息が聞こえた。
眠っている。
何故ここで・・?
顔をのぞくと涙を流していた。
また夢を見ているのだろうか・・。
彼女の名を呼んで、肩を軽く揺さぶった。
彼女はぼんやりとまぶたを開いて俺を見上げた。
頬を伝う涙を拭うと、
彼女は寝ぼけた眼差しで俺の名を呟いて、いきなり抱きついてきた。
俺の名を呼びながら泣いている。
寂しかったのだろうか。
彼女を強く抱き締めて、
「ただいま」と、囁いた。
とたんに彼女はハッと我に返った顔をし、
俺の顔をみつめて、
「・・本物・・。夢じゃない・・」
と真剣な声で言った。
「寂しかったのか?」
と聞く俺に、
「いえ、大丈夫です。子供じゃありませんから」
スッと真顔に変えて彼女は答えた。
素直じゃない。いつものことだが。
俺は彼女を担いで寝室のドアを開けベッドに放った。
彼女が抗議の声をあげているが知ったことではない。
素直に寂しかったと言えばいいものを。
ああ、そうだな。
せっかく早く帰って来たんだ。
留守にしていた分、
たっぷりとかわいがってやるさ。
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