花相(かしょう)の願い

由宇ノ木

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花相(かしょう)の願い

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朝、目覚めると、隣にいたはずの彼女がいない

午前四時半

寝室のドアを静かに開けると、少し冷たい風が皮膚をかすめた

白いレースのカーテンが揺れている

リビングの窓が開いている

まだ薄暗い空と、彼女の後ろ姿・・・

微動だにしない彼女はベランダの手すりに寄りかかり、空を見ている

━━━太陽が昇りはじめる前の、少しずつ染まっていく空の美しさは毎日見てもあきない
世界はいつも美しいと思う━━━


独りの時間と、世界の美しさを彼女は楽しんでいる


寝室のドアを静かに閉めた

邪魔はしないでおこう


彼女の美しい時間は、彼女だけのものだ


そう思ったが、

『くしゅんっ』と声がして、

俺はガウンを持って彼女の世界に紛れ込んだ


彼女は笑って俺を迎え入れてくれた


やがて太陽が昇る


君と俺の一日が、


佳き日であるようにと願う







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