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2. 成仏できない私の理由
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彼女と私はとりあえず公園内を歩きながら話をした。
公園の一部が様変わりしてて驚いていたので、子供が遊具でケガをして、遊具類は撤去になったと教えた。
彼女は残念がっていたが、あのベンチは変わらずあって嬉しかったと言った。きっと思い出があるのだろう。
話しを続けていると、なんと同じ高校で隣のクラスであることが判明した。
「え、じゃあ第一東高校の・・」
「二年一組でした。あなたは?」
「私・・二年二組で・・・」
彼女の顔色が心なしか青ざめた。霊でも青ざめるのかという意見もあろうが青ざめるのだ。
「あ、あの・・」
「でも悪いけど顔知らない。私、二年になってまもなく入院でそのまま死んだから。正直クラスメートの顔もよく覚えてないし、ましてや隣のクラスまではちょっとカンベンって感じ」
「・・そうですか」
彼女はホッとしたようだ。
「あの・・、あなたは病気で死んだのに、どうして成仏できないでいるの?」
彼女の質問はごく至極当然のことだと思う。
「やりたいことがたくさんあって、思いが強すぎるんだと思うな。要するに執着心の塊みたいなもんが私」
「成仏して生まれ変わってきて叶えれば?」
「それも考えたけど、・・・もしもまるっきり別世界に生まれ変わったらどうする?異世界転生とか悪役令嬢・溺愛ルートとか、私のやりたいことが叶わない世界に生まれてしまったらこの執着心は解消されない。心は決して満たされない。問題は解決しない。・・・なんて恐ろしい・・」
考えただけで落ち込む。その証拠に私の足は足首まで地中にめり込んでいる。
「ちょっと引っ張ってくれない?」
「ど、どうやって??」
「大根引っこ抜くカンジでグイッと」
彼女が私の両手を引っ張った。
スポンッ!と、私は地中から抜けた。
「ありがとう。助かった。気分が落ち込むと地中にめり込む霊質だから。あなたはどお?めり込む?」
彼女は首を横に何度も振った。
やはり私だけの個体的な霊質か。
「一人の時はどうしてるの?」
「気分をアゲアゲにして心を軽くする。サイコーにアゲアゲになると自由に空も飛べるはずだよ。まだ飛んだことはないけど」
彼女が若干引いている。
「・・・あの、やりたかったことってなんなの?」
「三島由紀夫、川端康成、太宰治、芥川龍之介全読破」
「・・・」
「バカにしてるでしょう?そんな暗い純文学のどこが面白いんだって思ってるでしょう?私にはわかる」
「思ってません」
「まあ、いいさ」
「良くないです。私はあなたをバカにしてないし、純文学を暗いなんて思ってませんから。勝手にひとの気持ちを決めないでください」
「・・あなた、ハッキリ言うのね」
「・・・・私・・、ハッキリ・・言いましたか・・?」
「言った。すごくハッキリクッキリパッキリポッキリと言った」
「・・・・・」
彼女は私をみつめながら涙を流した。
これは困った。女の子を泣かせてしまった。私の騎士道精神に反する。宥めなくては。
「まあ、泣かないで。ハッキリと自分の意思を伝えることはいいことだよ。素晴らしいことだから」
私は褒めた。しかしありきたりなセリフだな。他に何か良いセリフはないものか。
「も・・、もっと・・・」
え?もっと?もっと褒めてくれってこと?
そうだな、こんな時こそ純文学の大御所たちの作品群のなかからイキなセリフを・・。
・・・・・。
だめだ!出てこない!
私の役立たずめ!
「もっと早く自分の気持ちを言えるようになってれば・・・」
ん?どういうこと?
彼女と私はとりあえず公園内を歩きながら話をした。
公園の一部が様変わりしてて驚いていたので、子供が遊具でケガをして、遊具類は撤去になったと教えた。
彼女は残念がっていたが、あのベンチは変わらずあって嬉しかったと言った。きっと思い出があるのだろう。
話しを続けていると、なんと同じ高校で隣のクラスであることが判明した。
「え、じゃあ第一東高校の・・」
「二年一組でした。あなたは?」
「私・・二年二組で・・・」
彼女の顔色が心なしか青ざめた。霊でも青ざめるのかという意見もあろうが青ざめるのだ。
「あ、あの・・」
「でも悪いけど顔知らない。私、二年になってまもなく入院でそのまま死んだから。正直クラスメートの顔もよく覚えてないし、ましてや隣のクラスまではちょっとカンベンって感じ」
「・・そうですか」
彼女はホッとしたようだ。
「あの・・、あなたは病気で死んだのに、どうして成仏できないでいるの?」
彼女の質問はごく至極当然のことだと思う。
「やりたいことがたくさんあって、思いが強すぎるんだと思うな。要するに執着心の塊みたいなもんが私」
「成仏して生まれ変わってきて叶えれば?」
「それも考えたけど、・・・もしもまるっきり別世界に生まれ変わったらどうする?異世界転生とか悪役令嬢・溺愛ルートとか、私のやりたいことが叶わない世界に生まれてしまったらこの執着心は解消されない。心は決して満たされない。問題は解決しない。・・・なんて恐ろしい・・」
考えただけで落ち込む。その証拠に私の足は足首まで地中にめり込んでいる。
「ちょっと引っ張ってくれない?」
「ど、どうやって??」
「大根引っこ抜くカンジでグイッと」
彼女が私の両手を引っ張った。
スポンッ!と、私は地中から抜けた。
「ありがとう。助かった。気分が落ち込むと地中にめり込む霊質だから。あなたはどお?めり込む?」
彼女は首を横に何度も振った。
やはり私だけの個体的な霊質か。
「一人の時はどうしてるの?」
「気分をアゲアゲにして心を軽くする。サイコーにアゲアゲになると自由に空も飛べるはずだよ。まだ飛んだことはないけど」
彼女が若干引いている。
「・・・あの、やりたかったことってなんなの?」
「三島由紀夫、川端康成、太宰治、芥川龍之介全読破」
「・・・」
「バカにしてるでしょう?そんな暗い純文学のどこが面白いんだって思ってるでしょう?私にはわかる」
「思ってません」
「まあ、いいさ」
「良くないです。私はあなたをバカにしてないし、純文学を暗いなんて思ってませんから。勝手にひとの気持ちを決めないでください」
「・・あなた、ハッキリ言うのね」
「・・・・私・・、ハッキリ・・言いましたか・・?」
「言った。すごくハッキリクッキリパッキリポッキリと言った」
「・・・・・」
彼女は私をみつめながら涙を流した。
これは困った。女の子を泣かせてしまった。私の騎士道精神に反する。宥めなくては。
「まあ、泣かないで。ハッキリと自分の意思を伝えることはいいことだよ。素晴らしいことだから」
私は褒めた。しかしありきたりなセリフだな。他に何か良いセリフはないものか。
「も・・、もっと・・・」
え?もっと?もっと褒めてくれってこと?
そうだな、こんな時こそ純文学の大御所たちの作品群のなかからイキなセリフを・・。
・・・・・。
だめだ!出てこない!
私の役立たずめ!
「もっと早く自分の気持ちを言えるようになってれば・・・」
ん?どういうこと?
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