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22 「総一郎の誕生日」
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ドイツの職人には先日のお礼を。
ほかの3人には一応ご挨拶に行きたいのですが、と書き記した。
親しかったらしいその4人に手紙を出した。
3人共に「何かのついでがあればその時に来てくれればいいよ」と綴られていた。
暗号が記されていた手紙の方は有名推理小説で使われた暗号をいくつか混ぜて作られていたことに気づく。
早速それを読み解くが正直意味は分からなかった。
『返すことはできない』
父はなにか貸していたのか。それとも本当にただ適当に作ったものを適当に送り付けただけなのか。
どの道この一通しかなかったのだ
意味はなかったのかもしれない
イタズラなようだし解けたからもう必要ないだろう。
だが解き方が違う暗号を組みあわせて文を作る、というのはなにかに使えるかも?なんて思った。
いつ使うか分からないがその暗号を書き写した紙は自室の机に仕舞い、総一郎の誕生日サプライズを準備するにあたり存在を忘れた。
「うわっ!?」
「おめでとう!総くん!」
「おめでとう総一郎」
「おめでとうございます、長谷さん」
総一郎の誕生日当日いつも通り3人で出社し、いつものように仕事を熟した昼休憩後。
社長室の扉をくぐった瞬間に鳴ったクラッカーの音に総一郎は目を白黒させた。
巽と愁弥だけではバレやすい誕生日サプライズは南波にも手伝ってもらい、準備は会社のフリースペースで密かに進行されていた。
当日に昼休憩の間で南波1人で簡単に飾り付けさせてしまったのは忍びないが喜んで引き受けてくれた彼に感謝する。
「びっくりした…ありがとう
南波くんもありがとう、準備手伝ってくれたんだね?」
ここに居るということは、と悟る。
「仲間に入れて貰えたみたいで嬉しかったですよ!
今年もプレゼントを用意しました、日頃の感謝も込めて」
巽同様、プレゼントを受け取ってもらうことが難しい彼ら
だが南波からは受け取っていた。
巽の友達の中でも後暗いことはなくただただ友達としての好意のみの彼へ警戒を向けることはしない。
「俺らからのプレゼントは家でな」
開けてみてください、と南波が言うので綺麗なラッピングを剥がして中を見る。
「あれ?これってまだ…」
「はい、父にせがみました!」
快活にそう告げた南波はちゃんとお金は払いましたよ?と付け加える。
総一郎にプレゼントしたものはウォンダック社の腕時計で総一郎が愛用していたものだった。
ただ今使用しているものとはデザインは似ているが少し違い、更にケースバックにはS.Hとイニシャルが刻印されていた。
「お、さすが令息、いい仕事するな?」
覗き込んだ愁弥が南波を褒める。
ウォンダック社は南波の父親が20歳の時に1代で築き上げた会社で、多少手を出しづらい値段はするものの品質デザインは素晴らしくコスパがいいと世界中から高評価を貰っている。
「俺がデザインしたんですよ、長谷さんの使っているものって初期のものですからもう作ってないですし。
だから似たようなものを以前から試作してたんです。
発表前ですけど長谷さんは知ってたみたいですね?父に気に入られてますし俺が作ってるってバレやしないかちょっとドキドキしてました!」
なんとも可愛らしい笑顔だ。精悍な顔つきと高身長な南波も喋り方が若くて28に見えない。バカっぽい、という意味ではない。溌剌としているからだ。
「新しいものを作っているのは聞いてましたよ。でも南波くんがつくってくれてたんですね、ありがとう。大事に使わせてもらいます」
総一郎と背は変わらない程の高身長な南波だが頭を撫でようとするその手のために少し屈む。
「晃はいい美的センス持ってるよな~ウチのロゴも晃に任せるか?」
「変えるって話をそういえばしてたね。晃、やらない?」
「えっ…と荷が重い。」
「あはは!大丈夫だよ!うーん気になるのならデザイン候補を外注で数人、社内で数人募ればいいんじゃない?審査時は誰のか明らかにしないでさ」
「そうだね、南波くんが荷が重いって言うならそれの方がいいかな」
「やるって話確定じゃないですか!でも、期待してくれてるのなら受けさせてもらいます」
「ありがとう」
社長室で小一時間ほどのパーティーを済ませ南波は通常業務に戻って行った。
「ほんと弟みたいだよね、彼」
「俺の可愛くない弟たちと交換したいくらいだな」
「そういや悠介くんと悠汰くんは今年度で大学卒業だよね?お祝い考えておかなきゃ」
「いらねーって、アイツら就職先もまだ決まってないんだぞ」
「CROW入社してくれるんじゃなかったっけ?」
「アイツら俺に相談もなく申し込んだのか」
「申請書類は昨日届いたけど面接はまだだからね」
愁弥とは10歳離れた双子の弟たちは海外大学に行っているのでほとんど会ってない。
けれど時々愁弥とはテレビ電話していたらしかった。
「双子くんたちの面接、俺はちゃんとできるか分からないから2人に任せるよ」
「厳しめに見てやろうかな」
言いながらも仕事では公正に物事を見る愁弥だ。冗談を流し総一郎と先程のデザイン募集の詳細を話し合う。
「文字フォントは変えないで配置は自由
サイトバナー用とロゴを募集して…あとはなにかあるっけ」
「ダンボールのデザインも頼んでおく?」
「そうだね、あれもずっと使ってるみたいだから」
外注募集と言ってもデザインを盗まない信頼のおける業者にしか頼まない。
あとは公募だがこちらも誰かの作品を盗んだ訳では無い、と確信が得るまですごく労力がかかるのでそもそも募集はしない。
社員にも美大を卒業したものや独学、趣味など嗜む程度でもやる気があるのならば頼むつもりだ。
そこから更に吟味して最終判断が社長になる。
ギリギリだが早くて新年から、遅くとも来年度から使用できるようにしたい。
「なるべく早くよろしくね」
募集をかけてからひと月後の10月末にはデザインが出揃い社員の中で選考が始まった。
頼んだ人達には最大3つ考えてきてもらっていたので結構な数だ。
最初の審査で半分に減り、役員が更に半分に絞る。
最終的に社長にまで上がってきたのは13デザインだった。
相当悩んだらしい。
名前が伏せられたその13種はどれも素晴らしくて全部使いたいなと思うほどの出来栄えだった。
「うーん…これとこれとこれはやめておく。あとは…これも」
机いっぱいに広げられたそれらを多少悩みながらも捨てていく。悩む割には潔が良い。
「うん、このふたつのどっちかだね」
選んだのはひとつは青を基調とした爽やかめのデザインで割とシャープだ。
もうひとつは黒地にハケで虹色を散らしたようなものだった。こちらはサイトのバナーに使えそうだったので結局どちらも採用することになった。
「誰がデザインしたのか見ます?」
「誰なの?」
ノートパソコンを持ち出しデータを見せる。
「あ!これ晃の?」
選んだのは南波のデザインしたロゴだった。
やはりセンスがあるのだろう。提出した全てが最終選考に持ち込まれたのは南波1人だったらしい。
自身の父親の会社でデザイン担当をした方が儲かりそうだ。
彼は好きでCROWに入社したのだから追い出そうとするな、なんて言いそうだが。
「よくわかってるよね、CROWの特色とイメージがピッタリだよ」
「どれが選ばれたか社内で知らせず発表してみます?」
「それいいね!」
新デザイン発表は正月に間に合いそうだ。
新聞に少し大きめに載せる手筈が整っているからあとは持ち込むだけ。
内緒にしておく、というのは酷くワクワクした。
年末長期休暇があるのは営業や開発など主にデスクワークの者のみで、申し訳ないが物流担当している社員の半分は仕事だ。
勿論年末に働いてくれた彼らには給料も上がるし、年末休暇入る前後どちらかで長期休暇を取らせる。
「俺らも明日からやっと休みだな。疲れたわ」
「…社長、こいつの給料差し引いて俺の少しあげといてくれませんか。」
「あー?なんでだよ」
「愁弥の仕事を一部負担してやってるのは俺だから」
「あははは!確かにね!爺ちゃんにも言っておこうかな」
「来年から!ちゃんとこいつの手を煩わせないように仕事するから!給料変えないで!」
休日前の浮かれた気分で過ごし社長らも一般社員より2日遅れで長期休暇に入った。
ほかの3人には一応ご挨拶に行きたいのですが、と書き記した。
親しかったらしいその4人に手紙を出した。
3人共に「何かのついでがあればその時に来てくれればいいよ」と綴られていた。
暗号が記されていた手紙の方は有名推理小説で使われた暗号をいくつか混ぜて作られていたことに気づく。
早速それを読み解くが正直意味は分からなかった。
『返すことはできない』
父はなにか貸していたのか。それとも本当にただ適当に作ったものを適当に送り付けただけなのか。
どの道この一通しかなかったのだ
意味はなかったのかもしれない
イタズラなようだし解けたからもう必要ないだろう。
だが解き方が違う暗号を組みあわせて文を作る、というのはなにかに使えるかも?なんて思った。
いつ使うか分からないがその暗号を書き写した紙は自室の机に仕舞い、総一郎の誕生日サプライズを準備するにあたり存在を忘れた。
「うわっ!?」
「おめでとう!総くん!」
「おめでとう総一郎」
「おめでとうございます、長谷さん」
総一郎の誕生日当日いつも通り3人で出社し、いつものように仕事を熟した昼休憩後。
社長室の扉をくぐった瞬間に鳴ったクラッカーの音に総一郎は目を白黒させた。
巽と愁弥だけではバレやすい誕生日サプライズは南波にも手伝ってもらい、準備は会社のフリースペースで密かに進行されていた。
当日に昼休憩の間で南波1人で簡単に飾り付けさせてしまったのは忍びないが喜んで引き受けてくれた彼に感謝する。
「びっくりした…ありがとう
南波くんもありがとう、準備手伝ってくれたんだね?」
ここに居るということは、と悟る。
「仲間に入れて貰えたみたいで嬉しかったですよ!
今年もプレゼントを用意しました、日頃の感謝も込めて」
巽同様、プレゼントを受け取ってもらうことが難しい彼ら
だが南波からは受け取っていた。
巽の友達の中でも後暗いことはなくただただ友達としての好意のみの彼へ警戒を向けることはしない。
「俺らからのプレゼントは家でな」
開けてみてください、と南波が言うので綺麗なラッピングを剥がして中を見る。
「あれ?これってまだ…」
「はい、父にせがみました!」
快活にそう告げた南波はちゃんとお金は払いましたよ?と付け加える。
総一郎にプレゼントしたものはウォンダック社の腕時計で総一郎が愛用していたものだった。
ただ今使用しているものとはデザインは似ているが少し違い、更にケースバックにはS.Hとイニシャルが刻印されていた。
「お、さすが令息、いい仕事するな?」
覗き込んだ愁弥が南波を褒める。
ウォンダック社は南波の父親が20歳の時に1代で築き上げた会社で、多少手を出しづらい値段はするものの品質デザインは素晴らしくコスパがいいと世界中から高評価を貰っている。
「俺がデザインしたんですよ、長谷さんの使っているものって初期のものですからもう作ってないですし。
だから似たようなものを以前から試作してたんです。
発表前ですけど長谷さんは知ってたみたいですね?父に気に入られてますし俺が作ってるってバレやしないかちょっとドキドキしてました!」
なんとも可愛らしい笑顔だ。精悍な顔つきと高身長な南波も喋り方が若くて28に見えない。バカっぽい、という意味ではない。溌剌としているからだ。
「新しいものを作っているのは聞いてましたよ。でも南波くんがつくってくれてたんですね、ありがとう。大事に使わせてもらいます」
総一郎と背は変わらない程の高身長な南波だが頭を撫でようとするその手のために少し屈む。
「晃はいい美的センス持ってるよな~ウチのロゴも晃に任せるか?」
「変えるって話をそういえばしてたね。晃、やらない?」
「えっ…と荷が重い。」
「あはは!大丈夫だよ!うーん気になるのならデザイン候補を外注で数人、社内で数人募ればいいんじゃない?審査時は誰のか明らかにしないでさ」
「そうだね、南波くんが荷が重いって言うならそれの方がいいかな」
「やるって話確定じゃないですか!でも、期待してくれてるのなら受けさせてもらいます」
「ありがとう」
社長室で小一時間ほどのパーティーを済ませ南波は通常業務に戻って行った。
「ほんと弟みたいだよね、彼」
「俺の可愛くない弟たちと交換したいくらいだな」
「そういや悠介くんと悠汰くんは今年度で大学卒業だよね?お祝い考えておかなきゃ」
「いらねーって、アイツら就職先もまだ決まってないんだぞ」
「CROW入社してくれるんじゃなかったっけ?」
「アイツら俺に相談もなく申し込んだのか」
「申請書類は昨日届いたけど面接はまだだからね」
愁弥とは10歳離れた双子の弟たちは海外大学に行っているのでほとんど会ってない。
けれど時々愁弥とはテレビ電話していたらしかった。
「双子くんたちの面接、俺はちゃんとできるか分からないから2人に任せるよ」
「厳しめに見てやろうかな」
言いながらも仕事では公正に物事を見る愁弥だ。冗談を流し総一郎と先程のデザイン募集の詳細を話し合う。
「文字フォントは変えないで配置は自由
サイトバナー用とロゴを募集して…あとはなにかあるっけ」
「ダンボールのデザインも頼んでおく?」
「そうだね、あれもずっと使ってるみたいだから」
外注募集と言ってもデザインを盗まない信頼のおける業者にしか頼まない。
あとは公募だがこちらも誰かの作品を盗んだ訳では無い、と確信が得るまですごく労力がかかるのでそもそも募集はしない。
社員にも美大を卒業したものや独学、趣味など嗜む程度でもやる気があるのならば頼むつもりだ。
そこから更に吟味して最終判断が社長になる。
ギリギリだが早くて新年から、遅くとも来年度から使用できるようにしたい。
「なるべく早くよろしくね」
募集をかけてからひと月後の10月末にはデザインが出揃い社員の中で選考が始まった。
頼んだ人達には最大3つ考えてきてもらっていたので結構な数だ。
最初の審査で半分に減り、役員が更に半分に絞る。
最終的に社長にまで上がってきたのは13デザインだった。
相当悩んだらしい。
名前が伏せられたその13種はどれも素晴らしくて全部使いたいなと思うほどの出来栄えだった。
「うーん…これとこれとこれはやめておく。あとは…これも」
机いっぱいに広げられたそれらを多少悩みながらも捨てていく。悩む割には潔が良い。
「うん、このふたつのどっちかだね」
選んだのはひとつは青を基調とした爽やかめのデザインで割とシャープだ。
もうひとつは黒地にハケで虹色を散らしたようなものだった。こちらはサイトのバナーに使えそうだったので結局どちらも採用することになった。
「誰がデザインしたのか見ます?」
「誰なの?」
ノートパソコンを持ち出しデータを見せる。
「あ!これ晃の?」
選んだのは南波のデザインしたロゴだった。
やはりセンスがあるのだろう。提出した全てが最終選考に持ち込まれたのは南波1人だったらしい。
自身の父親の会社でデザイン担当をした方が儲かりそうだ。
彼は好きでCROWに入社したのだから追い出そうとするな、なんて言いそうだが。
「よくわかってるよね、CROWの特色とイメージがピッタリだよ」
「どれが選ばれたか社内で知らせず発表してみます?」
「それいいね!」
新デザイン発表は正月に間に合いそうだ。
新聞に少し大きめに載せる手筈が整っているからあとは持ち込むだけ。
内緒にしておく、というのは酷くワクワクした。
年末長期休暇があるのは営業や開発など主にデスクワークの者のみで、申し訳ないが物流担当している社員の半分は仕事だ。
勿論年末に働いてくれた彼らには給料も上がるし、年末休暇入る前後どちらかで長期休暇を取らせる。
「俺らも明日からやっと休みだな。疲れたわ」
「…社長、こいつの給料差し引いて俺の少しあげといてくれませんか。」
「あー?なんでだよ」
「愁弥の仕事を一部負担してやってるのは俺だから」
「あははは!確かにね!爺ちゃんにも言っておこうかな」
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