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第一章 悪役令嬢と女神様
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ミシェルの部屋の戸を叩く数時間前ー。
私、シルヴィラは昨日のことをきれいサッパリ忘れた。うん、忘れたつもり。朝、ノワールをこっそり見送った後、私は王宮から自分の家に戻ってきた。それからノワールの言葉について何度も考えたけれど、答えは出なかった。だから、もう考える意味もない気がするのでとりあえず別のことを考えることにした。
さて、考えなければいけないのはやはりBLのことよね!あとモブになること。どうすればモブになれるか、いや、違う。
その時、私は重要な事実に気づいた。
そもそもこの世界にBL文化なくない!?
モブになりたいのはBLを間近で見たいからなのに、そもそもBLがないなら元も子もないっ!
モブになるために、まずBLを広めることから始めましょう。
私は、新たな決意を胸に抱いた。
問題はどうやってBL文化を広めるか、よね。初めての人にリアルでのBLは難しいから、最初は2次元から始めるべきだわ。小説…でもいいけれど、初めてだったら想像することは難しいわね。だとしたら、やはり漫画…が一番良いかしら?うん、文化を広めるためだったら漫画が一番だわ。でも漫画は一番問題が多い。しかし、それを解決しないことには何もできない。よし、問題を一つずつ見ていこう。
第一に、私は絵がド下手だ。絵を描くと毎回、芸術的ですね、と褒められる。ただし毎回苦笑い付きなので絶対に褒め言葉ではない。そんな私がどうして漫画を描けると言うのだ。絶対ムリ。しかし、ここにはBL文化がないこの世界の絵師が男同士がキスしているのを上手く描けるかも疑問だ。私は90%描けないだろうと思っている。あれは才能とコツと努力が必要な代物なのだから、一朝一夕で描ける訳がない。
「誰か同人誌でも描いたことがある人って居ないかしら…」
同人誌という言葉はこの世界にないので、意味が誰にも通じないだろうと思っていた。
丁度その時、部屋の窓のカーテンがふわりと舞った。そして少女が姿を現す。そういえば窓…開けっ放しだった。無用心だとこう言う不審者が入ってきちゃうのね…気を付けよう。…ねぇ、ここ3階なのにどうやって登ったの。
「話は全て聞かせてもらいました!」
その声はやはり神出鬼没なご令嬢、シャルロットだった。絶対そうだと思った。
しかし私は5秒後、彼女に土下座することになる。
「私、前世で同人誌作ってたんです。あ、漫画ですよ?だから私で良ければ漫画の絵、描きま…」
「ありがとうございましたあぁぁぁ!!」
そうだった。もう一人、転生者はいた。私の知っている全ての言葉を理解できる人が、いた。
私は淑女としてあるまじき体勢でガッツポーズをした。召し使いが何事かとドアの隙間から部屋を覗いているがスルーだ。今は土下座で誠意を示すのが最優先。
とりあえず絵師ゲット。第一関門クリアです。
私、シルヴィラは昨日のことをきれいサッパリ忘れた。うん、忘れたつもり。朝、ノワールをこっそり見送った後、私は王宮から自分の家に戻ってきた。それからノワールの言葉について何度も考えたけれど、答えは出なかった。だから、もう考える意味もない気がするのでとりあえず別のことを考えることにした。
さて、考えなければいけないのはやはりBLのことよね!あとモブになること。どうすればモブになれるか、いや、違う。
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モブになるために、まずBLを広めることから始めましょう。
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問題はどうやってBL文化を広めるか、よね。初めての人にリアルでのBLは難しいから、最初は2次元から始めるべきだわ。小説…でもいいけれど、初めてだったら想像することは難しいわね。だとしたら、やはり漫画…が一番良いかしら?うん、文化を広めるためだったら漫画が一番だわ。でも漫画は一番問題が多い。しかし、それを解決しないことには何もできない。よし、問題を一つずつ見ていこう。
第一に、私は絵がド下手だ。絵を描くと毎回、芸術的ですね、と褒められる。ただし毎回苦笑い付きなので絶対に褒め言葉ではない。そんな私がどうして漫画を描けると言うのだ。絶対ムリ。しかし、ここにはBL文化がないこの世界の絵師が男同士がキスしているのを上手く描けるかも疑問だ。私は90%描けないだろうと思っている。あれは才能とコツと努力が必要な代物なのだから、一朝一夕で描ける訳がない。
「誰か同人誌でも描いたことがある人って居ないかしら…」
同人誌という言葉はこの世界にないので、意味が誰にも通じないだろうと思っていた。
丁度その時、部屋の窓のカーテンがふわりと舞った。そして少女が姿を現す。そういえば窓…開けっ放しだった。無用心だとこう言う不審者が入ってきちゃうのね…気を付けよう。…ねぇ、ここ3階なのにどうやって登ったの。
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