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動き出す歯車
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しばらく彼の書く小説の話で盛り上がり、と言うより私が一方的に感想を述べて、彼はにこにことそれを聞いてくれていたわけだが。
「ところで、昨日は店長さんと出かけていたんだね」
飲み干してしまったカップへ送る名残惜しそうな視線が酷く魅力的で、密かに見惚れていると彼がふいにそう言った。
「はい。仕事終わりに、突然出かけようって」
そうなんだ、と少しだけ眉をひそめる。口元には優しい笑みを浮かべたままで、やはり彼が私相手に嫉妬などするはずもないと、改めて落胆する。
「何で店長が急にそんなこと言い出したのかはわからないですけど、行ってよかったです」
自然と頬が綻んで、自分が笑っている事に気付く。彼は目を丸くさせて、薄く開いた唇の間から舌の先を覗かせて、湿らすように一度唇を舐めた。ゾクリと震えが走るが、感づかれない様に必死に平静を装う。
「楽しかったんだ?」
まとわりつく様な視線に絡みつかれて、逃げ出せなくなる。その不思議な目を見つめたまま、小さく首を振る。
「そうじゃなくて……。史弥さんに逢えたから……」
本当に予想していなかったのか、それとも、これも私をからかって遊んでいるうちなのだろうか。
しかし彼は、普段よりほんの僅かに高く驚きの声をあげると、瞬きもしないで動きを止めてしまった。
「それに、今日もここで逢えましたから……その、う、嬉しくて……」
一体何が私をここまで突き動かしているのかもわからない。ただ今は彼に繋がっている細く不安定な糸が切れてしまわぬようにと、必死だった。誰かの傍にいたいとか、どう思われているのだろうなんて気にするのは初めての事で、恥ずかしさやもどかしさばかりが募って、自分でもどうしたらいいのかわからない。人は皆、恋をすればこうなるものなのだろうか。
と、ここまで考えて、自分のこの気持ちが恋であることを無意識に認めていたことに気付く。
相変わらず黙っている史弥さんの気持ちが知りたくて、だけれど知るのが怖くもあって。
ふいに、史弥さんは表情を曇らせた。優しかった瞳に影が落ちて、悲しげに憂いを帯びた。その表情に言葉を失い、この気持ちはやはり彼にとっては迷惑でしかないのでは、と一気に恐怖が襲い掛かる。
「葉月さんは、俺の事が怖くない?」
真面目な顔で、突然問いかけられた意図がわからず、ただ首を横にぶんぶんと振った。その様子を見てか、彼の表情に穏やかさが戻る。
「同じことを、店長にも聞かれました。私、そんなに怯えているように見えますか」
坂口さんに同じことを聞かれた事を思い出すと同時に、何の前触れも無く「男」になった彼を思い出して、身体に震えが走った。確かにあの一件以降、私は坂口さんのことを警戒しているし、またいつあの目をするのでは、と怯えている。しかし、史弥さんのことを怖がる理由は一つもないし、怖がっているつもりもなかった。だから、彼の質問は不思議だった。
いや、と史弥さんの優しい声が聞こえた。その瞳は深く穏やかで、どこか悲しそうにも見える。
「俺の事を怖がっているようには見えないけど、少しぎこちない。緊張させてしまっているかな?」
優しい問いかけに一度首を横に振るが、考え直して頷いて見せた。彼は軽く笑うと、身を引いて私との距離を開けた。
「あまり、慣れていないんです。こういうの……」
「こういうのって?」
悲しむような様子は既に消え失せ、そこにはいつもの優しさと、ほんの少しの意地悪さが滲んでいた。私が何を言いたいのかわかっているくせに、わざと聞いているのだとわかる。こんな状況ですら嬉しくて、僅かに開いた唇の隙間から歯を覗かせている彼から目を逸らせないでいるのだから、私もどこかおかしいのかもしれない。
決して怖がっているわけでも、ましてや彼と接するのが嫌なわけではないとわかってほしくて、小さく息を吐いて心を落ち着かせる。そして、ぽつぽつと思いを言葉にしようと口を開く。
「今まで、徹底的に人を避けて生きてきました。知り合いと呼べるのも、店長だけで」
「寂しかったね。って、俺も似たようなものだけれど」
目を細めて笑う彼が、その笑みに見惚れる私を見て更に笑う。何だかよくわからない状況に陥りかけて、彼が右手をふわりと動かして話の先を促した。
「ごめんね、邪魔をしたね。続けてくれるかな?」
優しい瞳に意識を支配されてしまわないように、その綺麗な指先に視線を送った。
「寂しいとか、そんな気持ちも特に無くて……。大事な人がいついなくなってしまうかわからないのが、何よりも怖くて。だから、誰かと仲良くなりたいとか、好きだとか、今までは……」
自分の口から零れた言葉が信じられなくて、今自分は何を口走ったのだろう、と顔が青ざめていくのがわかる。口を開いたまま話すのを止めて、逃げ場を捜すように視線を彷徨わせた私に、史弥さんは優しく声をかけた。
「今度は青くなった。そんなにころころ顔色変えていたら、いつか倒れちゃう気がするな」
穏やかに笑いながら、手を伸ばした。テーブルの上に置かれていた私の手を包み込んで、微笑んだ。心臓の動きに合わせて身体が揺れる程、力強い鼓動を繰り返していた。もはやパニック寸前の私は、史弥さんが手を握ってくれていることすらも辛く感じていた。優しい彼だから、きっと私を気遣ってくれているのだろう。私みたいな人間が史弥さんの事を好きになるだなんて、あまりにもおこがましい。
勝手にそう思い込んで、今にも泣きだしそうになる。鼻で呼吸を繰り返して、必死に涙が滲まないようにする。ここで泣きだされる程迷惑な事は、史弥さんにとってそうないはずだ。
そう思っていたのに、彼は全く想像すらしていなかった言葉を口にした。まっすぐ私の目を見て、美しく微笑んでいる。
「ありがとう、凄く嬉しいよ。途中でやめちゃったけど、今の、告白してくれたと捉えていいんだよね?」
改めてそう言われると、恥ずかしくて逃げたくなる。しかししっかりと手を握られて、逃げる事も出来ない。尤も、手なんて握られていなくても、彼の視線から逃れる事など到底不可能なわけだが。
「あの、ごめんなさい、突然こんなこと言って……。おかしいですよね。逢ったばかりで、まだ何も知らないのに」
必死に体裁を整えようとするが、動揺してしまい手が震えてしまう。その手を彼は、心地よい力で掴んで離そうとはしない。どうしてあんなことを言ってしまったのかという恥ずかしさでパニックになる私を、彼は低い声で宥めている。
「さっきも言ったけれど、逢ったばかりだなんて悲しいな。確かに知り合ってからまだ間もないけれど、人に惹かれるのに時間なんて関係ない。葉月さんは、俺に何らかの魅力を感じてくれているんだよね?」
何らかの、どころの話ではない。彼を構成する全てから酔いそうな程魅力が溢れだして、正気でいることさえ困難なのだから。
黙って頷くと、彼は私の手の下にするりと大きな手を滑り込ませ、長い指を絡めて手を繋いだ。青かった私の顔は、今ではすっかり茹でダコになっているに違いない。その証拠に、史弥さんは私を見て笑いを噛み殺している。
「俺も、同じように想っているよ。葉月さんの隣にいるのは、店長さんではなくて俺でありたい。実際、昨夜二人が一緒にいるのを見て、柄にもなく彼に喧嘩をふっかけたりしたくらいだからね」
彼の言葉が信じられなくて、握られていない方の手が自然と口元へと伸びた。ポカンと相手し合った口を覆い隠して、灰色の瞳に映る自分の目が大きく見開かれているのを確認した。
「そんなに驚くことかな」
ふわりと笑った彼に、何度も頷いて見せる。歯を見せて目を細めて笑う彼が愛おしくて、またその姿をとても美しいと思った。こんな人が、私を想ってくれているだなんて何度言葉にされても信じられない。ひんやりとした手の感触も、どこか夢の中の出来事みたいだ。
「驚きます。まさか、史弥さんみたいな人が私なんかを……」
そこでピクリと片眉を吊り上げて、彼が身を乗り出した。グッと近づいた彼の端正な顔に照れて、微かに身を引く。
「それは良くないな。どんな理由があろうと、自分を卑下するようなことを言ってはいけない。葉月さんは、とても綺麗だよ。俺には、他の誰より輝いて見える」
作家と言う職業柄なのか、恥ずかしい台詞をさらりと言ってのけた事に驚きつつも、嬉しくて笑ってしまう。嬉しくて笑うなんて、あの日以来初めてのことだ。それもまた嬉しくて、目を見つめて一人笑う私に、彼は眩い程の笑顔をくれた。
「ほら、凄く綺麗だ」
繋いでいない方の手を私の頬に伸ばすと、一度だけ撫でてすぐに戻してしまった。そして下を向いて笑うと、小さな声で呟いた。
「まずいな、我慢できなくなる」
そう言った彼の様子は、限りなく素に近いように思えた。え? と聞き返せば、いつもの笑顔で首を横に振る。
「気にしないで。それよりこの後、少しだけ時間貰えるかな」
左腕につけた時計を彼が確認して、そう尋ねた。彼と一緒にいられるのなら、もちろん返事は決まっている。すぐに二つ返事をした私に微笑むと、彼は伝票を掴んで席を立った。繋いでいた手を軽く引っ張り私を引き寄せると、行こうか、と笑った。
「ところで、昨日は店長さんと出かけていたんだね」
飲み干してしまったカップへ送る名残惜しそうな視線が酷く魅力的で、密かに見惚れていると彼がふいにそう言った。
「はい。仕事終わりに、突然出かけようって」
そうなんだ、と少しだけ眉をひそめる。口元には優しい笑みを浮かべたままで、やはり彼が私相手に嫉妬などするはずもないと、改めて落胆する。
「何で店長が急にそんなこと言い出したのかはわからないですけど、行ってよかったです」
自然と頬が綻んで、自分が笑っている事に気付く。彼は目を丸くさせて、薄く開いた唇の間から舌の先を覗かせて、湿らすように一度唇を舐めた。ゾクリと震えが走るが、感づかれない様に必死に平静を装う。
「楽しかったんだ?」
まとわりつく様な視線に絡みつかれて、逃げ出せなくなる。その不思議な目を見つめたまま、小さく首を振る。
「そうじゃなくて……。史弥さんに逢えたから……」
本当に予想していなかったのか、それとも、これも私をからかって遊んでいるうちなのだろうか。
しかし彼は、普段よりほんの僅かに高く驚きの声をあげると、瞬きもしないで動きを止めてしまった。
「それに、今日もここで逢えましたから……その、う、嬉しくて……」
一体何が私をここまで突き動かしているのかもわからない。ただ今は彼に繋がっている細く不安定な糸が切れてしまわぬようにと、必死だった。誰かの傍にいたいとか、どう思われているのだろうなんて気にするのは初めての事で、恥ずかしさやもどかしさばかりが募って、自分でもどうしたらいいのかわからない。人は皆、恋をすればこうなるものなのだろうか。
と、ここまで考えて、自分のこの気持ちが恋であることを無意識に認めていたことに気付く。
相変わらず黙っている史弥さんの気持ちが知りたくて、だけれど知るのが怖くもあって。
ふいに、史弥さんは表情を曇らせた。優しかった瞳に影が落ちて、悲しげに憂いを帯びた。その表情に言葉を失い、この気持ちはやはり彼にとっては迷惑でしかないのでは、と一気に恐怖が襲い掛かる。
「葉月さんは、俺の事が怖くない?」
真面目な顔で、突然問いかけられた意図がわからず、ただ首を横にぶんぶんと振った。その様子を見てか、彼の表情に穏やかさが戻る。
「同じことを、店長にも聞かれました。私、そんなに怯えているように見えますか」
坂口さんに同じことを聞かれた事を思い出すと同時に、何の前触れも無く「男」になった彼を思い出して、身体に震えが走った。確かにあの一件以降、私は坂口さんのことを警戒しているし、またいつあの目をするのでは、と怯えている。しかし、史弥さんのことを怖がる理由は一つもないし、怖がっているつもりもなかった。だから、彼の質問は不思議だった。
いや、と史弥さんの優しい声が聞こえた。その瞳は深く穏やかで、どこか悲しそうにも見える。
「俺の事を怖がっているようには見えないけど、少しぎこちない。緊張させてしまっているかな?」
優しい問いかけに一度首を横に振るが、考え直して頷いて見せた。彼は軽く笑うと、身を引いて私との距離を開けた。
「あまり、慣れていないんです。こういうの……」
「こういうのって?」
悲しむような様子は既に消え失せ、そこにはいつもの優しさと、ほんの少しの意地悪さが滲んでいた。私が何を言いたいのかわかっているくせに、わざと聞いているのだとわかる。こんな状況ですら嬉しくて、僅かに開いた唇の隙間から歯を覗かせている彼から目を逸らせないでいるのだから、私もどこかおかしいのかもしれない。
決して怖がっているわけでも、ましてや彼と接するのが嫌なわけではないとわかってほしくて、小さく息を吐いて心を落ち着かせる。そして、ぽつぽつと思いを言葉にしようと口を開く。
「今まで、徹底的に人を避けて生きてきました。知り合いと呼べるのも、店長だけで」
「寂しかったね。って、俺も似たようなものだけれど」
目を細めて笑う彼が、その笑みに見惚れる私を見て更に笑う。何だかよくわからない状況に陥りかけて、彼が右手をふわりと動かして話の先を促した。
「ごめんね、邪魔をしたね。続けてくれるかな?」
優しい瞳に意識を支配されてしまわないように、その綺麗な指先に視線を送った。
「寂しいとか、そんな気持ちも特に無くて……。大事な人がいついなくなってしまうかわからないのが、何よりも怖くて。だから、誰かと仲良くなりたいとか、好きだとか、今までは……」
自分の口から零れた言葉が信じられなくて、今自分は何を口走ったのだろう、と顔が青ざめていくのがわかる。口を開いたまま話すのを止めて、逃げ場を捜すように視線を彷徨わせた私に、史弥さんは優しく声をかけた。
「今度は青くなった。そんなにころころ顔色変えていたら、いつか倒れちゃう気がするな」
穏やかに笑いながら、手を伸ばした。テーブルの上に置かれていた私の手を包み込んで、微笑んだ。心臓の動きに合わせて身体が揺れる程、力強い鼓動を繰り返していた。もはやパニック寸前の私は、史弥さんが手を握ってくれていることすらも辛く感じていた。優しい彼だから、きっと私を気遣ってくれているのだろう。私みたいな人間が史弥さんの事を好きになるだなんて、あまりにもおこがましい。
勝手にそう思い込んで、今にも泣きだしそうになる。鼻で呼吸を繰り返して、必死に涙が滲まないようにする。ここで泣きだされる程迷惑な事は、史弥さんにとってそうないはずだ。
そう思っていたのに、彼は全く想像すらしていなかった言葉を口にした。まっすぐ私の目を見て、美しく微笑んでいる。
「ありがとう、凄く嬉しいよ。途中でやめちゃったけど、今の、告白してくれたと捉えていいんだよね?」
改めてそう言われると、恥ずかしくて逃げたくなる。しかししっかりと手を握られて、逃げる事も出来ない。尤も、手なんて握られていなくても、彼の視線から逃れる事など到底不可能なわけだが。
「あの、ごめんなさい、突然こんなこと言って……。おかしいですよね。逢ったばかりで、まだ何も知らないのに」
必死に体裁を整えようとするが、動揺してしまい手が震えてしまう。その手を彼は、心地よい力で掴んで離そうとはしない。どうしてあんなことを言ってしまったのかという恥ずかしさでパニックになる私を、彼は低い声で宥めている。
「さっきも言ったけれど、逢ったばかりだなんて悲しいな。確かに知り合ってからまだ間もないけれど、人に惹かれるのに時間なんて関係ない。葉月さんは、俺に何らかの魅力を感じてくれているんだよね?」
何らかの、どころの話ではない。彼を構成する全てから酔いそうな程魅力が溢れだして、正気でいることさえ困難なのだから。
黙って頷くと、彼は私の手の下にするりと大きな手を滑り込ませ、長い指を絡めて手を繋いだ。青かった私の顔は、今ではすっかり茹でダコになっているに違いない。その証拠に、史弥さんは私を見て笑いを噛み殺している。
「俺も、同じように想っているよ。葉月さんの隣にいるのは、店長さんではなくて俺でありたい。実際、昨夜二人が一緒にいるのを見て、柄にもなく彼に喧嘩をふっかけたりしたくらいだからね」
彼の言葉が信じられなくて、握られていない方の手が自然と口元へと伸びた。ポカンと相手し合った口を覆い隠して、灰色の瞳に映る自分の目が大きく見開かれているのを確認した。
「そんなに驚くことかな」
ふわりと笑った彼に、何度も頷いて見せる。歯を見せて目を細めて笑う彼が愛おしくて、またその姿をとても美しいと思った。こんな人が、私を想ってくれているだなんて何度言葉にされても信じられない。ひんやりとした手の感触も、どこか夢の中の出来事みたいだ。
「驚きます。まさか、史弥さんみたいな人が私なんかを……」
そこでピクリと片眉を吊り上げて、彼が身を乗り出した。グッと近づいた彼の端正な顔に照れて、微かに身を引く。
「それは良くないな。どんな理由があろうと、自分を卑下するようなことを言ってはいけない。葉月さんは、とても綺麗だよ。俺には、他の誰より輝いて見える」
作家と言う職業柄なのか、恥ずかしい台詞をさらりと言ってのけた事に驚きつつも、嬉しくて笑ってしまう。嬉しくて笑うなんて、あの日以来初めてのことだ。それもまた嬉しくて、目を見つめて一人笑う私に、彼は眩い程の笑顔をくれた。
「ほら、凄く綺麗だ」
繋いでいない方の手を私の頬に伸ばすと、一度だけ撫でてすぐに戻してしまった。そして下を向いて笑うと、小さな声で呟いた。
「まずいな、我慢できなくなる」
そう言った彼の様子は、限りなく素に近いように思えた。え? と聞き返せば、いつもの笑顔で首を横に振る。
「気にしないで。それよりこの後、少しだけ時間貰えるかな」
左腕につけた時計を彼が確認して、そう尋ねた。彼と一緒にいられるのなら、もちろん返事は決まっている。すぐに二つ返事をした私に微笑むと、彼は伝票を掴んで席を立った。繋いでいた手を軽く引っ張り私を引き寄せると、行こうか、と笑った。
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