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兆し
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おい、と呼びかけられて振り返れば、そこには一人の男が立っていたそうだ。歳は40半ばほどで、恰幅のいい男だった。訳もなく苛立った様子のその男は、思い切り舌打ちをして史弥さんへと歩み寄った。
「お前、この間うちに来た小僧だな」
史弥さんには、この言葉でこの男が誰であるか見当がついたそうだ。目の前に立つ男から少しだけ距離を取る様に離れて、首を縦に振る。
「清信の、親父さんですね」
あぁ、と男は低く唸る。
「お前、こんな時間に何してんだ。あいつと一緒か」
「あいつ? 清信のことなら、違いますよ。あいつとは先週会ったきり、どこにいるのかも知らねぇっすから」
内心、彼は父親を警戒していた。しかしそれを悟られるのは良くないような気がして、彼は必死に虚勢を張った。
父親は史弥さんの様子をじっと観察するように見つめてから、けっと吐き捨てた。
「あの馬鹿に会ったら言っとけ。さっさとくたばれってな」
激しい怒りが全身を駆け抜けていくのがわかった、と彼は穏やかに話した。コントロールしきれないほどの怒りに体が震え、気づいた時には既に背を向けていた父親に殴りかかっていたそうだ。
彼は気配を感じて慌てて振り返ったが、所詮は酒浸りの中年だ。若さ溢れる高校生のスピードには叶わなかったようだ。あと少しで拳が横っ面を捉える、というところで彼の腕はあっという間に背中へとねじり取られる。そのまま壁へと激突した彼は、痛みと驚きで酷く混乱していた。視界には、呆気にとられる清信さんの父親が見えていた。
「何をしてるんだ、お前は」
冷たい声に顔を向ければ、石丸さんが片腕で史弥さんを押さえつけていたそうだ。驚いて口をパクパクさせる彼を押さえつけたまま、石丸さんは鋭い視線を男へ向けた。
「何か用か」
男はしばらく唖然としていたが、やがて状況を理解したのか、今度はあろうことか石丸さんへとにじり寄った。
「お前、このクズの親か。それならもっとしっかり教育するんだな」
そう言い残して背を向けた男に、史弥さんは悔しくて再び殴ろうとするも、石丸さんがそれを許さなかった。代わりに、彼は男を呼び止めた。そして首だけで振り返った彼に、こう言った。
「こいつがクズなら、お前は一体何だ? 虫けら同然の奴が他人の教育に口を挟める身分だとでも思っているのか」
男は苛立ちを露わにしたが、もがく史弥さんを表情一つ変えずに片手で捕まえている石丸さんを見て叶わないと悟ったのか、大声で文句を言いながらその場を後にした。
やっと解放された史弥さんは、親友を侮辱した男を殴らせなかった不満をぶちまけた。何をしに来たんだ、と叫んだところで、やはり思い切り殴り飛ばされたそうだ。地面に転がる彼の前に立つと、石丸さんはため息をついた。
「お前にはがっかりだ」
その一言は、無意識のうちに史弥さんが最も恐れていた言葉だった。両親に見捨てられた彼にとって、石丸さんだけが頼りだった。その彼の信頼を得たいと、心のどこかで願っていた。だから言われたとおりに授業にも出たし、成績も上げた。それは決して、生活する家が必要だったからだけではなかった。その彼が吐き出した言葉に、彼は目の前が真っ暗になったと言った。
しかし、石丸さんはすぐに予想外の言葉を続ける。
「少しは、俺を頼ったらどうだ」
彼は、事態を飲み込めていない史弥さんについてくるように告げると、踵をかえして歩き始めたそうだ。そして連れていかれた場所は、重苦しい空気の漂う留置場だった。
何一つ説明をせずに、後ろを振り返ることもなく歩き続ける石丸さんに、彼は何も訪ねなかったそうだ。ここに誰がいるのか、何となくわかっていたらしい。
彼らは留置場にいた警察官達の案内で、小さな個室へと通された。石丸さんはさっさといすに座り込んで、やはり何も言わなかった。史弥さんも戸惑ったそうだが、冷たい椅子へと腰を下ろしたそうだ。そして数分の沈黙ののち、背後のドアがぎぃと軋んで音を立てた。反射的に振り返ると、そこには一人の警察官が立っていて、その後ろには、探し回った親友の姿があったと言う。
彼の名前を呼べば、悔しそうに唇を噛みしめて目を逸らしたそうだ。警察官に促されて二人の前に座った彼は、俯いたまま、何も語ろうとはしなかった。
「清信、お前、何してんだよ」
やっと振り絞った言葉に、彼は悲しそうに目を合わせた。今にも泣きだしてしまいそうな、幼い子供のようだった、と彼は言った。
「医者から連絡が入った。数週間以上薬を取りに来ていない若者がいる、と。たまたま見た名前に憶えがあったので、俺が捜して、見つけた」
「見つけた? いつの話だよ」
淡々と話す石丸さんに、史弥さんは調子を乱されるような苛立ちを覚えていた。
「昨晩だ」
前に座る清信さんに視線を向けたまま、答える。清信さんは、最後にあった時よりもだいぶ顔色がよくなっていたそうだ。恐らく病院で処方された薬を飲んだのだろう。
「さっきお前が一緒にいたのは、こいつの父親じゃないのか」
鋭い切れ味を保ったまま、石丸さんが確信をつく。と同時に、清信さんがびくりと動いた。血走った瞳で彼を見つめて、歯を食いしばった。
「あいつ……あの野郎……」
ありとあらゆる怒りを煮詰めたような声を出して拳をぎりぎりと握る親友の姿は、あまりにも痛々しかった。
「昨晩からここにいるなら、なんでおばさんに連絡がいかないんだよ。未成年だし、すぐに迎えが来るはずだろ。おばさん、めちゃくちゃ心配してたぞ」
石丸さんに問いかけながら、最後は諭すように清信さんへ話しかける。彼は辛そうに目を閉じて、唇をきつく結んだ。
「俺の独断だ」
は? と間抜けな声が漏れた。いくら彼が偉い刑事だとしても、そんなことが許されるのだろうか、と思わずにはいられなかったそうだ。唖然とする二人を無視して、彼は続ける。
「清信、といったか。お前、昨晩はあんな場所で一人で何をしていた」
彼の答を求めるように、史弥さんも清信さんに視線を送った。しかし、彼は俯くだけで何も答えようとはしなかった。
「あそこは、お前の父親がよく酒を買う店へと繋がるな。人気も少ない。あそこで父親を待ち構えて、何をするつもりだった?」
低く、地を這うような声が響き、思わず隣にいる石丸さんを見た。彼はやはり鬼のように恐ろしい形相を浮かべて、目の前で俯く清信さんを睨み付けていたそうだ。
「別に、どこで何をしていようと俺の勝手だ。たまたまあの時間に俺があそこにいたからって、なんの証明にもなりやしねぇ」
ぼそぼそと話す彼の意図が、史弥さんにはわかっていた。そしてそれが石丸さんも見通しているのだと、わかっていた。
彼は、父親を襲撃しようと待ち構えていたのだ。
「清信、きっと何か方法があるよ。石丸さんが助けてくれるから」
親友を助けたい、苦しみから解放したい。その一心だった。清信さんは目を潤ませて、じっと史弥さんを見つめた。そして、小さな小さな声で、そっと呟いた。
「助けてください」
そして、額が机についてしまうほど頭を下げると、そのまま声を押し殺して涙を流した。石丸さんを見ると、彼はいつもと変わらぬ表情で、頷いていた。
「それが俺達の仕事だ。お前の父親のもとへは、すぐに人員を派遣する。お前と母親の証言が取れれば、接近禁止令もすぐに取れるだろう」
はい、と涙声で答える彼に、ひときわ大きなため息をぶつける。
「お前らは、呆れるほど大馬鹿者だ。こんな問題を自分たちで解決しようなんて、馬鹿にもほどがある。馬鹿のくせに、お前らに何ができると思うんだ」
「ちょっと、馬鹿馬鹿言い過ぎじゃ……」
思わず反論しかけた史弥さんに、険しい視線がぶつかる。
「特に馬鹿なのはお前だ。一言も相談せずに、挙句の果てには子供みたいに家出ときたか。少しは頭を使え」
静かに説教をされ、自らの未熟さと無謀さに、恥ずかしくてたまらなくなったそうだ。
「お前、この間うちに来た小僧だな」
史弥さんには、この言葉でこの男が誰であるか見当がついたそうだ。目の前に立つ男から少しだけ距離を取る様に離れて、首を縦に振る。
「清信の、親父さんですね」
あぁ、と男は低く唸る。
「お前、こんな時間に何してんだ。あいつと一緒か」
「あいつ? 清信のことなら、違いますよ。あいつとは先週会ったきり、どこにいるのかも知らねぇっすから」
内心、彼は父親を警戒していた。しかしそれを悟られるのは良くないような気がして、彼は必死に虚勢を張った。
父親は史弥さんの様子をじっと観察するように見つめてから、けっと吐き捨てた。
「あの馬鹿に会ったら言っとけ。さっさとくたばれってな」
激しい怒りが全身を駆け抜けていくのがわかった、と彼は穏やかに話した。コントロールしきれないほどの怒りに体が震え、気づいた時には既に背を向けていた父親に殴りかかっていたそうだ。
彼は気配を感じて慌てて振り返ったが、所詮は酒浸りの中年だ。若さ溢れる高校生のスピードには叶わなかったようだ。あと少しで拳が横っ面を捉える、というところで彼の腕はあっという間に背中へとねじり取られる。そのまま壁へと激突した彼は、痛みと驚きで酷く混乱していた。視界には、呆気にとられる清信さんの父親が見えていた。
「何をしてるんだ、お前は」
冷たい声に顔を向ければ、石丸さんが片腕で史弥さんを押さえつけていたそうだ。驚いて口をパクパクさせる彼を押さえつけたまま、石丸さんは鋭い視線を男へ向けた。
「何か用か」
男はしばらく唖然としていたが、やがて状況を理解したのか、今度はあろうことか石丸さんへとにじり寄った。
「お前、このクズの親か。それならもっとしっかり教育するんだな」
そう言い残して背を向けた男に、史弥さんは悔しくて再び殴ろうとするも、石丸さんがそれを許さなかった。代わりに、彼は男を呼び止めた。そして首だけで振り返った彼に、こう言った。
「こいつがクズなら、お前は一体何だ? 虫けら同然の奴が他人の教育に口を挟める身分だとでも思っているのか」
男は苛立ちを露わにしたが、もがく史弥さんを表情一つ変えずに片手で捕まえている石丸さんを見て叶わないと悟ったのか、大声で文句を言いながらその場を後にした。
やっと解放された史弥さんは、親友を侮辱した男を殴らせなかった不満をぶちまけた。何をしに来たんだ、と叫んだところで、やはり思い切り殴り飛ばされたそうだ。地面に転がる彼の前に立つと、石丸さんはため息をついた。
「お前にはがっかりだ」
その一言は、無意識のうちに史弥さんが最も恐れていた言葉だった。両親に見捨てられた彼にとって、石丸さんだけが頼りだった。その彼の信頼を得たいと、心のどこかで願っていた。だから言われたとおりに授業にも出たし、成績も上げた。それは決して、生活する家が必要だったからだけではなかった。その彼が吐き出した言葉に、彼は目の前が真っ暗になったと言った。
しかし、石丸さんはすぐに予想外の言葉を続ける。
「少しは、俺を頼ったらどうだ」
彼は、事態を飲み込めていない史弥さんについてくるように告げると、踵をかえして歩き始めたそうだ。そして連れていかれた場所は、重苦しい空気の漂う留置場だった。
何一つ説明をせずに、後ろを振り返ることもなく歩き続ける石丸さんに、彼は何も訪ねなかったそうだ。ここに誰がいるのか、何となくわかっていたらしい。
彼らは留置場にいた警察官達の案内で、小さな個室へと通された。石丸さんはさっさといすに座り込んで、やはり何も言わなかった。史弥さんも戸惑ったそうだが、冷たい椅子へと腰を下ろしたそうだ。そして数分の沈黙ののち、背後のドアがぎぃと軋んで音を立てた。反射的に振り返ると、そこには一人の警察官が立っていて、その後ろには、探し回った親友の姿があったと言う。
彼の名前を呼べば、悔しそうに唇を噛みしめて目を逸らしたそうだ。警察官に促されて二人の前に座った彼は、俯いたまま、何も語ろうとはしなかった。
「清信、お前、何してんだよ」
やっと振り絞った言葉に、彼は悲しそうに目を合わせた。今にも泣きだしてしまいそうな、幼い子供のようだった、と彼は言った。
「医者から連絡が入った。数週間以上薬を取りに来ていない若者がいる、と。たまたま見た名前に憶えがあったので、俺が捜して、見つけた」
「見つけた? いつの話だよ」
淡々と話す石丸さんに、史弥さんは調子を乱されるような苛立ちを覚えていた。
「昨晩だ」
前に座る清信さんに視線を向けたまま、答える。清信さんは、最後にあった時よりもだいぶ顔色がよくなっていたそうだ。恐らく病院で処方された薬を飲んだのだろう。
「さっきお前が一緒にいたのは、こいつの父親じゃないのか」
鋭い切れ味を保ったまま、石丸さんが確信をつく。と同時に、清信さんがびくりと動いた。血走った瞳で彼を見つめて、歯を食いしばった。
「あいつ……あの野郎……」
ありとあらゆる怒りを煮詰めたような声を出して拳をぎりぎりと握る親友の姿は、あまりにも痛々しかった。
「昨晩からここにいるなら、なんでおばさんに連絡がいかないんだよ。未成年だし、すぐに迎えが来るはずだろ。おばさん、めちゃくちゃ心配してたぞ」
石丸さんに問いかけながら、最後は諭すように清信さんへ話しかける。彼は辛そうに目を閉じて、唇をきつく結んだ。
「俺の独断だ」
は? と間抜けな声が漏れた。いくら彼が偉い刑事だとしても、そんなことが許されるのだろうか、と思わずにはいられなかったそうだ。唖然とする二人を無視して、彼は続ける。
「清信、といったか。お前、昨晩はあんな場所で一人で何をしていた」
彼の答を求めるように、史弥さんも清信さんに視線を送った。しかし、彼は俯くだけで何も答えようとはしなかった。
「あそこは、お前の父親がよく酒を買う店へと繋がるな。人気も少ない。あそこで父親を待ち構えて、何をするつもりだった?」
低く、地を這うような声が響き、思わず隣にいる石丸さんを見た。彼はやはり鬼のように恐ろしい形相を浮かべて、目の前で俯く清信さんを睨み付けていたそうだ。
「別に、どこで何をしていようと俺の勝手だ。たまたまあの時間に俺があそこにいたからって、なんの証明にもなりやしねぇ」
ぼそぼそと話す彼の意図が、史弥さんにはわかっていた。そしてそれが石丸さんも見通しているのだと、わかっていた。
彼は、父親を襲撃しようと待ち構えていたのだ。
「清信、きっと何か方法があるよ。石丸さんが助けてくれるから」
親友を助けたい、苦しみから解放したい。その一心だった。清信さんは目を潤ませて、じっと史弥さんを見つめた。そして、小さな小さな声で、そっと呟いた。
「助けてください」
そして、額が机についてしまうほど頭を下げると、そのまま声を押し殺して涙を流した。石丸さんを見ると、彼はいつもと変わらぬ表情で、頷いていた。
「それが俺達の仕事だ。お前の父親のもとへは、すぐに人員を派遣する。お前と母親の証言が取れれば、接近禁止令もすぐに取れるだろう」
はい、と涙声で答える彼に、ひときわ大きなため息をぶつける。
「お前らは、呆れるほど大馬鹿者だ。こんな問題を自分たちで解決しようなんて、馬鹿にもほどがある。馬鹿のくせに、お前らに何ができると思うんだ」
「ちょっと、馬鹿馬鹿言い過ぎじゃ……」
思わず反論しかけた史弥さんに、険しい視線がぶつかる。
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