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ドライブ
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「これを食べたら、俺はまた仕事があるんだ。少し外に出なくちゃいけないんだけど……大丈夫?」
史弥さんが作ってくれたベーコンエッグを食べながら、彼はそう言った。私の方を見もしないで、下を向いている。少し温くなったコーヒーを飲んで、私は頷いた。
「うん、大丈夫」
それだけ答えて、何も聞かなかった。彼は伏せていた瞳を上げると、私の顔をじっと見つめた。今度は、私が俯く番だった。
「本当かな。また泣いちゃわないか、心配だな」
ふっ、と小さく笑う声が聞こえて、恥ずかしさに顔を上げられなくなる。
「さっきは、ちょっと……わけわかんなくなっただけで……」
意味の分からない言い訳をすると、明るい笑い声が聞こえてきた。反射的に顔を上げると、史弥さんは大きな口を開けてけらけらと笑っている。
「何それ、面白いな」
笑い顔に見惚れていた私の手を握った彼が、ふいに真面目な顔をして、私は鼓動を速めた。
「不安にさせてごめんね。多分、夕方前には……帰れると思うから」
一瞬、確かに彼は顔を歪めて不快感を露わにした。強烈な不快感と共に浮かんだ感情は、怒りと不安だった。
朝食後、史弥さんはそのままの恰好で何も持たずに外へ出た。出かける前に石丸さんに電話をして、これから出かけるからより警戒して警備を頼むと頼んでいた。今朝も、出かける前にそう頼んでいたようで、電話の向こうで石丸さんが呆れているのがわかった。史弥さんは「それはわかっていますけど、何かあってからでは遅いんです。過保護とでも何とでも呼んでくれて構わないですから、しっかり警備をと伝えてください」とふてくされたように告げていた。私のことをそこまで心配してくれていることが、純粋に嬉しかった。
電話を切る前、彼は石丸さんに言われて私に電話を変わった。そこで、石丸さんはこう言った。
「有馬がいない間は、俺の部下が玄関と窓の見える位置にきちんと配属してあるから心配しなくていい。君の恋人は、随分と心配性だが、少しは俺を信用するようにと君からも伝えてもらえると助かる」
それだけ言って電話を切った石丸さんに、史弥さんは笑いながら文句を言っていた。電話の向こうの声も、彼には聞こえていたようだ。
史弥さんが外出してから、私は暇を持て余していた。書斎の本を好きに呼んでいいと言ってくれたので、最初の二時間程はそうしていた。しかしどうしても物語に集中しきれずに、私は分厚い本を閉じた。
昼食を取るには早すぎる時間だし、お腹も空いていない。仕事へ行かなくなってから、私はずっとこの部屋で生活をしているが、ずっと隣には史弥さんがいてくれた。時には書斎に籠って仕事をしていることもあるけれど、それでも近くの部屋に彼がいると言うだけで無条件の安心感を抱いていた。一人での時間の過ごし方を、どうやら忘れてしまったようだ。
一人でいると、どうしても考えたくないことまで考える時間ができてしまう。一人で私を育ててくれた祖母を想って、激しい孤独が襲ってくる。膝を抱えて、祖母と過ごした日々を思い出していた。決して裕福ではなかったし、心に深すぎる傷を負った私の面倒を見るのは簡単なことではなかったはずだ。それでも祖母は弱音一つ吐かず、優しく、そして厳しく接してくれた。
そっと玄関を開けると、冷たい空気が流れ込んできた。こんな気温のなか、ジャケットも着ずに出かけた史弥さんが風邪をひかないかと心配したが、彼がヴァンパイアであることを思い出し、杞憂であると察した。
「片瀬さん」
玄関の前に立っていると、階段から姿を見せた男性が声をかけてきた。黒いスーツに身を包んでおり、一目で「石丸さんの部下」だとわかる風貌だ。
「あ、警察の方ですよね」
そうです、と言って彼は手帳を差し出して見せてくれた。
「どうしましたか?」
ここはマンションの最上階で、十五階だ。恐らく彼は下から玄関を見張っていたのだろう。不審者が近づかないように、そして、私が外に出ないように。一階から階段を駆け上がって来たであろう彼は、息一つ乱していなかった。
「少し、散歩に……」
彼は、顔をしかめた。答えはノーということだ。
「お願いします。ずっと家の中にいたら、気が滅入って……」
困ったように眉を寄せていた彼が、胸ポケットからスマートフォンを取り出した。
「石丸警部補に、確認をさせてください。例え許可が出たとしても、お一人で、とはいかないでしょうが……」
わかりました、と返事をすると、彼はその場で電話を耳に当て話し始めた。事情を説明したあと、彼は手に握られた電話を私に差し出した。
「あなたと話したい、と」
言われた通りに電話を耳に当て、もしもし、と答える。耳元から、どこか緊張した声が聞こえてきた。
「片瀬さん。部下から事情は聞いた。散歩に出たいそうだね」
いつになく低く、冷たい声をしている。今まで話していた部下の警官も、緊張した顔をしている。
「はい。史弥さんも出かけているし、警察の方と一緒なら、心配もないかと……」
考えているのか、電話の向こうからは沈黙が返ってくる。やがて、重たい沈黙を破る様にして彼が口を開いた。
「実は、丁度俺も今片瀬さんの、というか史弥の家へ向かっているんだ。君が出てきてくれるのは、正直好都合だ」
石丸さんが史弥さんを名前で呼ぶのは、私の記憶にある限りこれが二度目だ。一度目は、二週間前に彼を部屋から出す際、渋った彼を叱る様にして名を呼んだ。
「何か、話があるんですね」
そうだ、と低い声で唸る。何故だかそれが、恐ろしくて耳を塞いでしまいたかった。
「もうすぐ着くから、柴咲、そこにいる警官だ。そいつと一緒に下へ降りていてくれるか。柴咲、彼女を頼む」
そう言い残して、またしても唐突に電話は切れた。戸惑う私に、柴咲と呼ばれた警官は声をかけた。
「片瀬さん、そういうことですので、下までご一緒に。上着を、忘れないで」
そう促されて、私は一度部屋へと戻った。
上着を着てエレベーターで下まで降りると、丁度通りの向こうから真っ黒な大きな車がこちらへ向かってきていた。
「石丸さんですか?」
はい、と柴咲さんは頷いて、まだ遠くの車に向かって頭を下げた。
それから数分で私たちの目の前に止まった車の窓が開き、運転席から石丸さんが身を乗り出している。
「片瀬さん、乗って。柴咲、あとは指示通り頼むぞ」
はい、と緊張した様子で柴咲さんは答えた。ドアを開けてくれた柴咲さんに礼を言って、私は身を屈めて石丸さんに声をかけた。
「あの、部屋の鍵、私持っていなくて……」
史弥さんの部屋を指さしてそう言った。石丸さんは一瞬そちらに視線を走らせたあと、小さく笑った。
「これだけ多くの警官に囲まれてるんだ、泥棒の心配はない。さあ、乗って」
これだけ多くの、と言われても、私には柴咲さんの姿しか見えていない。とにかく言われるがままに車に乗り込むと、あっという間に彼は車を走らせた。
「あの、どれくらいの警察の方が、家の周りに?」
車を走らせてすぐに可能な限りスピードを出している、というほど速度を上げた彼に尋ねると、ちらりと横目で私を見た。私は、それから逃れるように、そっと視線を逸らせた。何故だか、石丸さんの様子を怖いと感じていた。
「要人の警護レベルの人数、と言えば想像しやすいか」
たった一人、私のために? と言葉を失った私に、彼は続ける。
「そう。君だけのために、だ。史弥がどうしても言うことを聞かなくてね。実際に警備にあたっている警察の姿が少しでも減るとすぐに電話をかけてくるほどだよ」
淡々と、彼は話している。
「特に夜間と、あいつが出かけると言った今日はね。ところで、あいつがどこへ出かけたか、片瀬さんは聞いてるか」
「仕事の関係だって、そう言ってました。どこへ行くとか、そういうのは聞いてません」
そうか、と冷たい声で答える。ぐんぐんとスピードを上げる車は、いつの間にか高速へと乗っていた。このルートは、警視庁へと向かう道ではない、と気づいたのはそれから少ししてだった。
「石丸さん、話っていうのは……」
彼は何も答えずに、アクセルを踏み続けた。言いようのない不安と恐怖が、じわじわと私を飲み込んでいった。
史弥さんが作ってくれたベーコンエッグを食べながら、彼はそう言った。私の方を見もしないで、下を向いている。少し温くなったコーヒーを飲んで、私は頷いた。
「うん、大丈夫」
それだけ答えて、何も聞かなかった。彼は伏せていた瞳を上げると、私の顔をじっと見つめた。今度は、私が俯く番だった。
「本当かな。また泣いちゃわないか、心配だな」
ふっ、と小さく笑う声が聞こえて、恥ずかしさに顔を上げられなくなる。
「さっきは、ちょっと……わけわかんなくなっただけで……」
意味の分からない言い訳をすると、明るい笑い声が聞こえてきた。反射的に顔を上げると、史弥さんは大きな口を開けてけらけらと笑っている。
「何それ、面白いな」
笑い顔に見惚れていた私の手を握った彼が、ふいに真面目な顔をして、私は鼓動を速めた。
「不安にさせてごめんね。多分、夕方前には……帰れると思うから」
一瞬、確かに彼は顔を歪めて不快感を露わにした。強烈な不快感と共に浮かんだ感情は、怒りと不安だった。
朝食後、史弥さんはそのままの恰好で何も持たずに外へ出た。出かける前に石丸さんに電話をして、これから出かけるからより警戒して警備を頼むと頼んでいた。今朝も、出かける前にそう頼んでいたようで、電話の向こうで石丸さんが呆れているのがわかった。史弥さんは「それはわかっていますけど、何かあってからでは遅いんです。過保護とでも何とでも呼んでくれて構わないですから、しっかり警備をと伝えてください」とふてくされたように告げていた。私のことをそこまで心配してくれていることが、純粋に嬉しかった。
電話を切る前、彼は石丸さんに言われて私に電話を変わった。そこで、石丸さんはこう言った。
「有馬がいない間は、俺の部下が玄関と窓の見える位置にきちんと配属してあるから心配しなくていい。君の恋人は、随分と心配性だが、少しは俺を信用するようにと君からも伝えてもらえると助かる」
それだけ言って電話を切った石丸さんに、史弥さんは笑いながら文句を言っていた。電話の向こうの声も、彼には聞こえていたようだ。
史弥さんが外出してから、私は暇を持て余していた。書斎の本を好きに呼んでいいと言ってくれたので、最初の二時間程はそうしていた。しかしどうしても物語に集中しきれずに、私は分厚い本を閉じた。
昼食を取るには早すぎる時間だし、お腹も空いていない。仕事へ行かなくなってから、私はずっとこの部屋で生活をしているが、ずっと隣には史弥さんがいてくれた。時には書斎に籠って仕事をしていることもあるけれど、それでも近くの部屋に彼がいると言うだけで無条件の安心感を抱いていた。一人での時間の過ごし方を、どうやら忘れてしまったようだ。
一人でいると、どうしても考えたくないことまで考える時間ができてしまう。一人で私を育ててくれた祖母を想って、激しい孤独が襲ってくる。膝を抱えて、祖母と過ごした日々を思い出していた。決して裕福ではなかったし、心に深すぎる傷を負った私の面倒を見るのは簡単なことではなかったはずだ。それでも祖母は弱音一つ吐かず、優しく、そして厳しく接してくれた。
そっと玄関を開けると、冷たい空気が流れ込んできた。こんな気温のなか、ジャケットも着ずに出かけた史弥さんが風邪をひかないかと心配したが、彼がヴァンパイアであることを思い出し、杞憂であると察した。
「片瀬さん」
玄関の前に立っていると、階段から姿を見せた男性が声をかけてきた。黒いスーツに身を包んでおり、一目で「石丸さんの部下」だとわかる風貌だ。
「あ、警察の方ですよね」
そうです、と言って彼は手帳を差し出して見せてくれた。
「どうしましたか?」
ここはマンションの最上階で、十五階だ。恐らく彼は下から玄関を見張っていたのだろう。不審者が近づかないように、そして、私が外に出ないように。一階から階段を駆け上がって来たであろう彼は、息一つ乱していなかった。
「少し、散歩に……」
彼は、顔をしかめた。答えはノーということだ。
「お願いします。ずっと家の中にいたら、気が滅入って……」
困ったように眉を寄せていた彼が、胸ポケットからスマートフォンを取り出した。
「石丸警部補に、確認をさせてください。例え許可が出たとしても、お一人で、とはいかないでしょうが……」
わかりました、と返事をすると、彼はその場で電話を耳に当て話し始めた。事情を説明したあと、彼は手に握られた電話を私に差し出した。
「あなたと話したい、と」
言われた通りに電話を耳に当て、もしもし、と答える。耳元から、どこか緊張した声が聞こえてきた。
「片瀬さん。部下から事情は聞いた。散歩に出たいそうだね」
いつになく低く、冷たい声をしている。今まで話していた部下の警官も、緊張した顔をしている。
「はい。史弥さんも出かけているし、警察の方と一緒なら、心配もないかと……」
考えているのか、電話の向こうからは沈黙が返ってくる。やがて、重たい沈黙を破る様にして彼が口を開いた。
「実は、丁度俺も今片瀬さんの、というか史弥の家へ向かっているんだ。君が出てきてくれるのは、正直好都合だ」
石丸さんが史弥さんを名前で呼ぶのは、私の記憶にある限りこれが二度目だ。一度目は、二週間前に彼を部屋から出す際、渋った彼を叱る様にして名を呼んだ。
「何か、話があるんですね」
そうだ、と低い声で唸る。何故だかそれが、恐ろしくて耳を塞いでしまいたかった。
「もうすぐ着くから、柴咲、そこにいる警官だ。そいつと一緒に下へ降りていてくれるか。柴咲、彼女を頼む」
そう言い残して、またしても唐突に電話は切れた。戸惑う私に、柴咲と呼ばれた警官は声をかけた。
「片瀬さん、そういうことですので、下までご一緒に。上着を、忘れないで」
そう促されて、私は一度部屋へと戻った。
上着を着てエレベーターで下まで降りると、丁度通りの向こうから真っ黒な大きな車がこちらへ向かってきていた。
「石丸さんですか?」
はい、と柴咲さんは頷いて、まだ遠くの車に向かって頭を下げた。
それから数分で私たちの目の前に止まった車の窓が開き、運転席から石丸さんが身を乗り出している。
「片瀬さん、乗って。柴咲、あとは指示通り頼むぞ」
はい、と緊張した様子で柴咲さんは答えた。ドアを開けてくれた柴咲さんに礼を言って、私は身を屈めて石丸さんに声をかけた。
「あの、部屋の鍵、私持っていなくて……」
史弥さんの部屋を指さしてそう言った。石丸さんは一瞬そちらに視線を走らせたあと、小さく笑った。
「これだけ多くの警官に囲まれてるんだ、泥棒の心配はない。さあ、乗って」
これだけ多くの、と言われても、私には柴咲さんの姿しか見えていない。とにかく言われるがままに車に乗り込むと、あっという間に彼は車を走らせた。
「あの、どれくらいの警察の方が、家の周りに?」
車を走らせてすぐに可能な限りスピードを出している、というほど速度を上げた彼に尋ねると、ちらりと横目で私を見た。私は、それから逃れるように、そっと視線を逸らせた。何故だか、石丸さんの様子を怖いと感じていた。
「要人の警護レベルの人数、と言えば想像しやすいか」
たった一人、私のために? と言葉を失った私に、彼は続ける。
「そう。君だけのために、だ。史弥がどうしても言うことを聞かなくてね。実際に警備にあたっている警察の姿が少しでも減るとすぐに電話をかけてくるほどだよ」
淡々と、彼は話している。
「特に夜間と、あいつが出かけると言った今日はね。ところで、あいつがどこへ出かけたか、片瀬さんは聞いてるか」
「仕事の関係だって、そう言ってました。どこへ行くとか、そういうのは聞いてません」
そうか、と冷たい声で答える。ぐんぐんとスピードを上げる車は、いつの間にか高速へと乗っていた。このルートは、警視庁へと向かう道ではない、と気づいたのはそれから少ししてだった。
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