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違和感
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石丸さんと話をしてから二週間ほどが経つが、未だ犯人の目途はついていないということだった。重要参考人となった坂口さんは固く口を閉ざし、現在は留置所にいるようだ。私は依然史弥さんとの生活を続けていたが、石丸さんに聞かれたことが、どうしても忘れられずにいた。
どうしてそんなことを聞くのか、と尋ねた私に、彼はこう答えた。
「いや、まだ口外できる段階じゃない。少し気にかかっていることがあってね。何かわかれば、すぐに連絡をする」
そう言って、石丸さんは私を部屋から追い出すようにして外で待っていた史弥さんへと引き渡した。
気にかかること、とは一体何だろうか。あの男と史弥さんの目の色が同じであることに、何か意味があるとでも言うのだろうか。『過去』と『現在』が線で結びついてしまうことが恐ろしくて、私はそれ以上考えるのを止めた。そして、隣で眠る史弥さんの胸元へと頬を寄せて、無理やり目を閉じる。
「眠れない?」
大きな手がそっと頭を撫でたかと思うと、優しい声が耳に響いた。心の側面から、一気に氷が解け落ちていくような安心感に、私はほっと息を吐きだした。
「ごめんなさい、起こしちゃった?」
いや、と彼が小さく笑う。
「実は俺も寝付けなくてね」
頭を撫でていた手が優しく頬を包んで、親指が唇をなぞった。
「何を考えてる?」
落ち着いた声で、そう言った。冷たいナイフのように胸に刺さったその言葉は、内部からゆっくりと体温を奪っていく。
「石丸さんと話してから、様子がおかしいね。何か言われた?」
訪ねているが、史弥さんの口調から、彼は既にそれを確信していることが明らかだった。ただでさえ嘘が上手くない私が、史弥さんに嘘をつくなど不可能なことだ。彼もそれをわかっているようで、そこに不安や疑いなどと言った様子は微塵も感じさせなかった。
乾ききった唇を舐めて、小さな声で呟いた。
「気になることがあるって、そう言ってた。でも、それが何なのかは教えてくれなくて……」
話を少しだけ、自分に都合がいいようにかいつまんだ。瞳の色の話は、何故だかしてはいけないと思ったからだ。
史弥さんはじっと固まったまま、何も言わない。親指を滑らせるようにして私の頬を撫でているが、何を考えているのかはわからない。
「何を、考えてますか?」
堪らず、そう聞いた。史弥さんがごくりと唾を飲む音が聞こえた。そしてゆっくりと体を動かして、私に覆いかぶさるようにして顔を近づけた。目の前で光る綺麗な灰色の瞳を見て、心臓が跳ね上がる様に鼓動を速めた。暗がりでよかった、そう思ってしまうほど、彼の瞳は美しく、私を惑わす。
「俺は、いつだって葉月のことしか考えてないよ」
あまりにも妖艶に笑う彼は、そう言って小さく私の鼻先にキスを落とす。その仕草や表情、全てが計算しつくされているようで、頭の芯がぼうっと熱くなる。
「そんな誤魔化し方……」
首筋に唇を這わせている彼が笑うと吐息がかかり、思わず身をよじってその肩にしがみついた。
「誤魔化し方が、なに?」
意地の悪い口調でそう言うと、舌先が弄ぶように顎先をかすめていく。もう、何も考えられなくなる。
「ずるい……」
消え入りそうな私の声を聞いた彼は、満足そうな笑みを浮かべて至近距離から私の目を覗き込んだ。くらくらと眩暈がするほど眩しい笑みを絶やさないまま、ついばむように軽くキスをする。
「ずるい? じゃあ、やめようか?」
どうやら、私の返事を聞く気はないようだ。その証拠に、彼は既に私のパジャマに手をかけていて、するすると実に滑らかにボタンを外しにかかっている。あっという間に胸元までボタンが外されて、私は慌てて右手でその手を握った。
「まだ、何も言ってないのに」
ぴくりと眉を持ち上げて動きを止めると、そのまま流れるように私の右手に指を絡め取った。そしてその手を私の顔をすぐ近くに持ち上げて、まるでベッドに固定するかのようにして押し付けた。
「何か言ってくれるの?」
相変わらず眩い笑顔を浮かべて、そう言った。私はぶんぶんと首を横に振って、それに応える。更ににこりと笑った彼は、顔を近づけて唇を合わせた。やがて深まるキスに、もちろん私の思考は完全に支配されてしまう。
「やめて、って言われる可能性は全く考えてないんだ……」
気が付けばパジャマのボタンは完全に外れていて、彼の冷たい唇が胸元を彷徨っていた。必死に意識を紡ごうとする私をあざ笑うように、彼は私の身体に舌先を這わせた。
「うん、考えてないね」
肩を震わせて笑う彼が、器用に片手で服を脱がせていっていることになるべく意識をしないように、私は右手に力を込めて大きな手にしがみつくようにつかまっていた。
私のほうに顔を向けて、彼はすやすやと寝息を立てている。結局彼のペースに巻き込まれて、何を考えていたのかは誤魔化されたままだ。規則的に並んだ長いまつ毛を見ながら、今は閉じられているその瞳を思い浮かべた。いつも優しくて、愛情に満ちた、この世界で一番美しい瞳だ。思い出すだけで、あまりの愛おしさに涙が滲むほどだ。
対して、あの男の瞳は―。
身震いをして、忌まわしい記憶を無理やり封じ込める。助けを求めるように目の前の完璧ともいえる寝顔に手を伸ばして、ひんやりとする頬に指で触れた。
私が目を覚ました時、隣にいるはずの史弥さんの姿はなく、居間や書斎も探したけれど、どこにも彼はいなかった。しんと静まり返った部屋を見渡すと、突然寂しさと恐怖が襲い掛かって来た。この機会をじっと待っていたとでもいうように、私の弱い心をあっという間に埋め尽くしまう。
時計の針の音がやけに耳につく。史弥さんは、一体どこへ行ってしまったのだろう。まさか、あの男がとうとう史弥さんにまでその毒牙を向いたのでは……。いや、もし、彼自身の意思で、ここから出て行ってしまったのだとしたら……?
ありとあらゆる『最悪のシナリオ』が頭の中を駆け巡り、私はその場にへなへなと座り込んだ。昨夜の優しかった史弥さんを思い出すと、頬を冷たい涙が伝った。
どれくらいそうしていたかわからないけれど、頬の涙が乾くよりも早く、玄関から音が聞こえてきた。かちゃりと静かにドアを開ける音が聞こえると、少しして廊下へ続く扉がそっと開かれた。
「葉月」
そこから音もなく現れた史弥さんは、床に座り込んで泣いている私を見つけて大層驚いた顔を見せた。慌てて駆け寄り、私の前で膝を落とす。
「どうした? なんかあった?」
私を守る様にして両腕で包み込んで、彼の視線は一瞬で部屋の中をなぞった。家の中に異変が無いかを確認したのだろう。そして小さく息を吐いて、心配そうな瞳を私に向ける。
「葉月、どうしたの?」
小さな子供をあやすように頭を撫でながら、彼は眉を寄せている。その様子から、私のことを心から心配してくれているのだとわかる。
私は首を横に振って、目からあふれた涙を指でふき取った。
「なんでもない。どこへ行ってたの?」
その問いかけを聞いて、彼の表情に一気に安堵の色が浮かんだ。
「仕事の関係で、どうしても会わなくちゃいけない人がいてね。葉月が起きる前に帰ってくる予定だったんだけど、不安にさせちゃったかな。ごめん」
眉尻を下げて笑う、大好きな笑顔が目の前で揺れた。そしてふわりと私を抱きしめると、大きな手で背中をさすってくれる。
「随分早起きだね。もう少し寝てるかと思った」
「今、何時?」
恐らく私は、史弥さんが隣にいない心細さから目を覚ましたのだろう。挙句、彼の姿が見えないだけで寂しくて涙を流すなど、本当に赤ん坊のようで恥ずかしくて堪らなくなる。
「まだ七時過ぎだよ」
「そんなに早くから仕事?」
何気ない質問だった。きっと彼は、そうなんだよ、と呆れたように笑って答えるだろうと思っていた。しかし彼が見せた反応は、明らかに不自然だった。
「ああ、どうしても、今しか時間が取れないとか言ってさ。出版社勤めも大変なんだな」
普段通りの口調で話す彼は、さっと私から離れて立ち上がった。見上げている私を見ようとせず、そのままキッチンへと向かった。
「コーヒーを淹れるよ。朝食は、俺が作るよ。葉月を泣かせたお詫びに」
下を向いて、彼はコーヒーを淹れる準備をしている。長い前髪がさらりと垂れて、どんな表情をしているのかはわからない。けれど、いつものように余裕と自信にあふれた彼とは、明らかに異なっていた。
彼は黒い長そでのシャツに、暗い色のジーンズを合わせていた。ジャケットも、腕時計すらはめられていない。扉から姿を見せた時、彼は確かに手ぶらだった。時計も、何も持たずに出版社の人と、一体何を話していたのだろうか。朝早くから、直接会わなくてはいけない用事とは、一体何だろうか。仕事関係の人と会うときは、必ずジャケットを着る彼が、何故Tシャツ一枚で外へ出たのだろうか。
いくつもの疑問符を、私は無理やり飲み込んで、気づかないふりをして微笑んだ。史弥さんはそれを見て、いつものように優しく、そして妖艶に笑って見せた。
どうしてそんなことを聞くのか、と尋ねた私に、彼はこう答えた。
「いや、まだ口外できる段階じゃない。少し気にかかっていることがあってね。何かわかれば、すぐに連絡をする」
そう言って、石丸さんは私を部屋から追い出すようにして外で待っていた史弥さんへと引き渡した。
気にかかること、とは一体何だろうか。あの男と史弥さんの目の色が同じであることに、何か意味があるとでも言うのだろうか。『過去』と『現在』が線で結びついてしまうことが恐ろしくて、私はそれ以上考えるのを止めた。そして、隣で眠る史弥さんの胸元へと頬を寄せて、無理やり目を閉じる。
「眠れない?」
大きな手がそっと頭を撫でたかと思うと、優しい声が耳に響いた。心の側面から、一気に氷が解け落ちていくような安心感に、私はほっと息を吐きだした。
「ごめんなさい、起こしちゃった?」
いや、と彼が小さく笑う。
「実は俺も寝付けなくてね」
頭を撫でていた手が優しく頬を包んで、親指が唇をなぞった。
「何を考えてる?」
落ち着いた声で、そう言った。冷たいナイフのように胸に刺さったその言葉は、内部からゆっくりと体温を奪っていく。
「石丸さんと話してから、様子がおかしいね。何か言われた?」
訪ねているが、史弥さんの口調から、彼は既にそれを確信していることが明らかだった。ただでさえ嘘が上手くない私が、史弥さんに嘘をつくなど不可能なことだ。彼もそれをわかっているようで、そこに不安や疑いなどと言った様子は微塵も感じさせなかった。
乾ききった唇を舐めて、小さな声で呟いた。
「気になることがあるって、そう言ってた。でも、それが何なのかは教えてくれなくて……」
話を少しだけ、自分に都合がいいようにかいつまんだ。瞳の色の話は、何故だかしてはいけないと思ったからだ。
史弥さんはじっと固まったまま、何も言わない。親指を滑らせるようにして私の頬を撫でているが、何を考えているのかはわからない。
「何を、考えてますか?」
堪らず、そう聞いた。史弥さんがごくりと唾を飲む音が聞こえた。そしてゆっくりと体を動かして、私に覆いかぶさるようにして顔を近づけた。目の前で光る綺麗な灰色の瞳を見て、心臓が跳ね上がる様に鼓動を速めた。暗がりでよかった、そう思ってしまうほど、彼の瞳は美しく、私を惑わす。
「俺は、いつだって葉月のことしか考えてないよ」
あまりにも妖艶に笑う彼は、そう言って小さく私の鼻先にキスを落とす。その仕草や表情、全てが計算しつくされているようで、頭の芯がぼうっと熱くなる。
「そんな誤魔化し方……」
首筋に唇を這わせている彼が笑うと吐息がかかり、思わず身をよじってその肩にしがみついた。
「誤魔化し方が、なに?」
意地の悪い口調でそう言うと、舌先が弄ぶように顎先をかすめていく。もう、何も考えられなくなる。
「ずるい……」
消え入りそうな私の声を聞いた彼は、満足そうな笑みを浮かべて至近距離から私の目を覗き込んだ。くらくらと眩暈がするほど眩しい笑みを絶やさないまま、ついばむように軽くキスをする。
「ずるい? じゃあ、やめようか?」
どうやら、私の返事を聞く気はないようだ。その証拠に、彼は既に私のパジャマに手をかけていて、するすると実に滑らかにボタンを外しにかかっている。あっという間に胸元までボタンが外されて、私は慌てて右手でその手を握った。
「まだ、何も言ってないのに」
ぴくりと眉を持ち上げて動きを止めると、そのまま流れるように私の右手に指を絡め取った。そしてその手を私の顔をすぐ近くに持ち上げて、まるでベッドに固定するかのようにして押し付けた。
「何か言ってくれるの?」
相変わらず眩い笑顔を浮かべて、そう言った。私はぶんぶんと首を横に振って、それに応える。更ににこりと笑った彼は、顔を近づけて唇を合わせた。やがて深まるキスに、もちろん私の思考は完全に支配されてしまう。
「やめて、って言われる可能性は全く考えてないんだ……」
気が付けばパジャマのボタンは完全に外れていて、彼の冷たい唇が胸元を彷徨っていた。必死に意識を紡ごうとする私をあざ笑うように、彼は私の身体に舌先を這わせた。
「うん、考えてないね」
肩を震わせて笑う彼が、器用に片手で服を脱がせていっていることになるべく意識をしないように、私は右手に力を込めて大きな手にしがみつくようにつかまっていた。
私のほうに顔を向けて、彼はすやすやと寝息を立てている。結局彼のペースに巻き込まれて、何を考えていたのかは誤魔化されたままだ。規則的に並んだ長いまつ毛を見ながら、今は閉じられているその瞳を思い浮かべた。いつも優しくて、愛情に満ちた、この世界で一番美しい瞳だ。思い出すだけで、あまりの愛おしさに涙が滲むほどだ。
対して、あの男の瞳は―。
身震いをして、忌まわしい記憶を無理やり封じ込める。助けを求めるように目の前の完璧ともいえる寝顔に手を伸ばして、ひんやりとする頬に指で触れた。
私が目を覚ました時、隣にいるはずの史弥さんの姿はなく、居間や書斎も探したけれど、どこにも彼はいなかった。しんと静まり返った部屋を見渡すと、突然寂しさと恐怖が襲い掛かって来た。この機会をじっと待っていたとでもいうように、私の弱い心をあっという間に埋め尽くしまう。
時計の針の音がやけに耳につく。史弥さんは、一体どこへ行ってしまったのだろう。まさか、あの男がとうとう史弥さんにまでその毒牙を向いたのでは……。いや、もし、彼自身の意思で、ここから出て行ってしまったのだとしたら……?
ありとあらゆる『最悪のシナリオ』が頭の中を駆け巡り、私はその場にへなへなと座り込んだ。昨夜の優しかった史弥さんを思い出すと、頬を冷たい涙が伝った。
どれくらいそうしていたかわからないけれど、頬の涙が乾くよりも早く、玄関から音が聞こえてきた。かちゃりと静かにドアを開ける音が聞こえると、少しして廊下へ続く扉がそっと開かれた。
「葉月」
そこから音もなく現れた史弥さんは、床に座り込んで泣いている私を見つけて大層驚いた顔を見せた。慌てて駆け寄り、私の前で膝を落とす。
「どうした? なんかあった?」
私を守る様にして両腕で包み込んで、彼の視線は一瞬で部屋の中をなぞった。家の中に異変が無いかを確認したのだろう。そして小さく息を吐いて、心配そうな瞳を私に向ける。
「葉月、どうしたの?」
小さな子供をあやすように頭を撫でながら、彼は眉を寄せている。その様子から、私のことを心から心配してくれているのだとわかる。
私は首を横に振って、目からあふれた涙を指でふき取った。
「なんでもない。どこへ行ってたの?」
その問いかけを聞いて、彼の表情に一気に安堵の色が浮かんだ。
「仕事の関係で、どうしても会わなくちゃいけない人がいてね。葉月が起きる前に帰ってくる予定だったんだけど、不安にさせちゃったかな。ごめん」
眉尻を下げて笑う、大好きな笑顔が目の前で揺れた。そしてふわりと私を抱きしめると、大きな手で背中をさすってくれる。
「随分早起きだね。もう少し寝てるかと思った」
「今、何時?」
恐らく私は、史弥さんが隣にいない心細さから目を覚ましたのだろう。挙句、彼の姿が見えないだけで寂しくて涙を流すなど、本当に赤ん坊のようで恥ずかしくて堪らなくなる。
「まだ七時過ぎだよ」
「そんなに早くから仕事?」
何気ない質問だった。きっと彼は、そうなんだよ、と呆れたように笑って答えるだろうと思っていた。しかし彼が見せた反応は、明らかに不自然だった。
「ああ、どうしても、今しか時間が取れないとか言ってさ。出版社勤めも大変なんだな」
普段通りの口調で話す彼は、さっと私から離れて立ち上がった。見上げている私を見ようとせず、そのままキッチンへと向かった。
「コーヒーを淹れるよ。朝食は、俺が作るよ。葉月を泣かせたお詫びに」
下を向いて、彼はコーヒーを淹れる準備をしている。長い前髪がさらりと垂れて、どんな表情をしているのかはわからない。けれど、いつものように余裕と自信にあふれた彼とは、明らかに異なっていた。
彼は黒い長そでのシャツに、暗い色のジーンズを合わせていた。ジャケットも、腕時計すらはめられていない。扉から姿を見せた時、彼は確かに手ぶらだった。時計も、何も持たずに出版社の人と、一体何を話していたのだろうか。朝早くから、直接会わなくてはいけない用事とは、一体何だろうか。仕事関係の人と会うときは、必ずジャケットを着る彼が、何故Tシャツ一枚で外へ出たのだろうか。
いくつもの疑問符を、私は無理やり飲み込んで、気づかないふりをして微笑んだ。史弥さんはそれを見て、いつものように優しく、そして妖艶に笑って見せた。
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