小さな貴族は色々最強!?

谷 優

文字の大きさ
5 / 58

5話

しおりを挟む
   「うわぁ、大きな神様がいる。」

部屋の中に入ると、尊だった時に会った神様の、大きな像が置かれていた。それは、とても神秘的であり人々を惹き付けるような雰囲気があった。

  こんなに、優しい家族の元に生まれ変わらせてくれて感謝したいな。

だが、ウィリアムの一言で皆の視線がウィリアムの方に向いた。それは、驚いている表情であった。

   「ウィル、どうして神様だって分かるの?」

  え?あ、"会ったことがあるから"なんて言ったらきっと怖がられちゃうよね。実際、僕も神様と会った時はすっごくびっくりしたし。

  「ま、前に夢でみ、見ました。」

ちょっと、歯切れが悪かったけど納得してくれたかな。

   「ふーん、そうなんだ。」

   「それは、いい夢だったわね。」

良かった、お兄様とお母様も納得してくれた。神様の前に、水晶が置いてある机があるので、そこまで行った。

   「ヴェスター様、ようこそお越しくださいました。私は神官長のテネブラと申します。」

   「本日は、息子の検査よろしくお願いします。」

三人は、侯爵の後に続いて頭を下げた。

   「では、これよりウィリアム・ヴェスター様の魔法属性を確認いたします。こちらの水晶に手で触れて下さい。」

机の上には、2つの水晶が置かれていた。

   「右にある水晶は、属性を調べるもの。左にございますのが、魔力量を調べるものでございます。」

神官長の説明を受け、ウィリアムは2つの水晶に触れた。すると、水晶から字が浮かび上がった。

   「…な、なんとっ。」

   「…うそ。」

  神官長とお母様すごく驚いてる。これって、大変な事なのかな。

   「火・水・土・風・氷・雷・光だと…?はっ、魔力測定は!?ま、ま、まさか、創造神エレンの加護…。これは、一体。この小さき者がエレン様の加護を授かっているなど、有り得るのか。魔力量も…9999だと!?」

   (ウィリアムが、7つの属性以外にも創造神エレンの加護か…。魔力量も桁外れだ、前例がない。光属性に加護を授かっているとなると、教会が手を出してくる可能性がある。)

神官長は、驚きのあまり敬語を忘れていた。ウィリアムは闇属性を除いた、7つの属性だと分かった。

   「えー!僕そんなに魔法が使えるのですか、やったぁ!お兄さ…。」

  後ろにいる家族を見ると、衝撃から何も言葉を発していなかった。僕、喜んじゃいけないのかな。もしかして、みんなの負担になっているの?

   「あ…。」

ウィリアムは、みんなの顔色を見ると素直に喜べなかった。浮かない顔をしている。

   「わぁっ。」

侯爵はウィリアムを抱き上げ、頭を急速に回転させ現状を把握した。

   「わはは!さすがはリズと俺の子だな、優秀なルーカスと魔法の才に恵まれたウィリアムかぁ。俺たちは、幸せ者だなぁ。」

侯爵夫人も、ルーカスも現状を整理し落ち着きを取り戻した。

   「ふふ、そうね。」

   「僕は、みんなの負担になってはいないのですか?」

   「ウィリアム、これは凄いことなんだよ。兄として、誇らしいよ。」

  お兄様も、僕を褒めてくれた。

   「ウィリアム、あなた本当にすごいわね。お母様びっくりして声が出なかったわ。」

    「僕、喜んでもいいの?」

   「ええ!今日は、ウィリアムの、好きな食べ物を沢山用意しなきゃね。」

   「やったぁー!」

皆は、ウィリアムが凄いと心から褒めてくれた。それは、誰から見ても魔法の才に溢れていたものだった。

   「ギルベルト様、ウィリアム様は"光属性"の持ち主です。教会で、我々の元に預けて頂くのはどうでしょうか。類を見ない天才ですよぉ!」

   神官長は、興奮している様子でお父様に話しかけた。

   「…え?」ウィリアムは、驚いた。
   「は?」

ルーカスは、神官長が何を言っているのか分からなかった。

  僕捨てられるの?

   「お、お父様…。」

ウィリアムは、無意識のうちに侯爵の事をぎゅっと握り、胸の中に顔をうずくませた。











   

   

   

しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福無双。〜メシ作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜

幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
伯爵家の当主と側室の子であるリアムは転生者である。 転生した時に、目立たないから大丈夫と貰ったスキルが、転生して直後、ひょんなことから1番知られてはいけない人にバレてしまう。 - 週間最高ランキング:総合297位 - ゲス要素があります。 - この話はフィクションです。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

転生無双なんて大層なこと、できるわけないでしょう! 公爵令息が家族、友達、精霊と送る仲良しスローライフ

幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
アルファポリス様より書籍化! 転生したラインハルトはその際に超説明が適当な女神から、訳も分からず、チートスキルをもらう。 どこに転生するか、どんなスキルを貰ったのか、どんな身分に転生したのか全てを分からず転生したラインハルトが平和な?日常生活を送る話。 - カクヨム様にて、週間総合ランキングにランクインしました! - アルファポリス様にて、人気ランキング、HOTランキングにランクインしました! - この話はフィクションです。

神様の人選ミスで死んじゃった!? 異世界で授けられた万能ボックスでいざスローライフ冒険!

さかき原枝都は
ファンタジー
光と影が交錯する世界で、希望と調和を求めて進む冒険者たちの物語 会社員として平凡な日々を送っていた七樹陽介は、神様のミスによって突然の死を迎える。そして異世界で新たな人生を送ることを提案された彼は、万能アイテムボックスという特別な力を手に冒険を始める。 平穏な村で新たな絆を築きながら、自分の居場所を見つける陽介。しかし、彼の前には隠された力や使命、そして未知なる冒険が待ち受ける! 「万能ボックス」の謎と仲間たちとの絆が交差するこの物語は、笑いあり、感動ありの異世界スローライフファンタジー。陽介が紡ぐ第二の人生、その行く先には何が待っているのか——?

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

転生ちびっ子の魔物研究所〜ほのぼの家族に溢れんばかりの愛情を受けスローライフを送っていたら規格外の子どもに育っていました〜

幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
高校生の涼太は交通事故で死んでしまったところを優しい神様達に助けられて、異世界に転生させて貰える事になった。 辺境伯家の末っ子のアクシアに転生した彼は色々な人に愛されながら、そこに住む色々な魔物や植物に興味を抱き、研究する気ままな生活を送る事になる。

家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜

奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。 パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。 健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。

才がないと伯爵家を追放された僕は、神様からのお詫びチートで、異世界のんびりスローライフ!!

にのまえ
ファンタジー
剣や魔法に才能がないカストール伯爵家の次男、ノエール・カストールは家族から追放され、辺境の別荘へ送られることになる。しかしノエールは追放を喜ぶ、それは彼に異世界の神様から、お詫びにとして貰ったチートスキルがあるから。 そう、ノエールは転生者だったのだ。 そのスキルを駆使して、彼の異世界のんびりスローライフが始まる。

処理中です...