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6話
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お父様は、僕を安心させるように背中をさすってくれた。
(教会の連中が、貴重な存在を欲しがるのは分かってはいたが、面と向かって言ってくるとはな。仮に、渡したとしても利用されるだけだろう。こいつらは、子供の成長には興味がなく利益しか求めていないのだ。それに、どんな理由があろうともウィリアムを他人に渡すことは絶対にない。)
侯爵は強く思っていた。
「失礼ですが、私たちの息子を教会に渡すことは出来ません。」
お父様…。良かった、きっぱり断ってくれた。
「どうしても、ですか?」
神官長は、冷静な口調で問いかけたがどこか冷徹さが残っていた。
「あぁ。」
「ですが、ギルベルト様も分かっているはずです。ウィリアム君の力は、ただの偶然ではありません。彼は、選ばれし者なのです。是非ともその力を神のために使うべきではありませんか。」
「神のためか…。」
(笑わせるっ。ウィリアムは、まだ5歳の可愛らしい子供だ。神のためと言うが、利用されるだけだろう。教会の道具になど絶対にさせる訳にはいかない。)
「ウィリアム君には、ウィリアム君にしか出来ない神から授けられた任務があるのですよ。」
神官長は、ウィリアムをどうしても欲しいようだった。
「ウィリアムは、自分で未来を決め生きていきます。あなた方、教会の指示には従いません。彼は、どんな力を持っていたとしても私たちの大切な子供なのです。」
侯爵夫人も、断固として教会に預けることを拒んだ。
「そうですか。では、最後にウィリアム君はどう思いますか。」
「ぼ、僕は、」
ウィリアムは、みんなの視線が一気に集まって緊張していた。
「僕は、絶対にみんなと離れませんっ。」
「ウィリアムも私たちと同意見ですので、これで失礼致します。」
「…そうですか。では、今日のところはこれで。また、後日そちらに向かわせていただきます。」
え、家には来ないでよ。この人感じ悪いもん。
神官長はあっさりと認めたが、瞳の奥には完全に諦めた様子はなかった。
お父様は、僕を抱いたまま歩き出し重々しく扉を開けて僕たちは退出した。
(どんなことがあっても、ウィリアムを守り抜く。)
三人は、それぞれの言葉が違えともウィリアムを守るという強い気持ちは同じであった。
「あの、お父様…。」
ウィリアムは恐る恐る、侯爵の顔を見た。
すごい怖い顔してる。こんな表情初めて見た。
「大丈夫だ。何があっても父さん達がお前を守るからな。」
でも、僕のせいで家族が辛い思いをするのはもう見たくない。
「もし、僕が負担になるのなら…神殿に向かいます…。」
本当は言いたくなかったけど、みんなが辛い思いをするのであれば、仕方が無いよ。
(教会の連中が、貴重な存在を欲しがるのは分かってはいたが、面と向かって言ってくるとはな。仮に、渡したとしても利用されるだけだろう。こいつらは、子供の成長には興味がなく利益しか求めていないのだ。それに、どんな理由があろうともウィリアムを他人に渡すことは絶対にない。)
侯爵は強く思っていた。
「失礼ですが、私たちの息子を教会に渡すことは出来ません。」
お父様…。良かった、きっぱり断ってくれた。
「どうしても、ですか?」
神官長は、冷静な口調で問いかけたがどこか冷徹さが残っていた。
「あぁ。」
「ですが、ギルベルト様も分かっているはずです。ウィリアム君の力は、ただの偶然ではありません。彼は、選ばれし者なのです。是非ともその力を神のために使うべきではありませんか。」
「神のためか…。」
(笑わせるっ。ウィリアムは、まだ5歳の可愛らしい子供だ。神のためと言うが、利用されるだけだろう。教会の道具になど絶対にさせる訳にはいかない。)
「ウィリアム君には、ウィリアム君にしか出来ない神から授けられた任務があるのですよ。」
神官長は、ウィリアムをどうしても欲しいようだった。
「ウィリアムは、自分で未来を決め生きていきます。あなた方、教会の指示には従いません。彼は、どんな力を持っていたとしても私たちの大切な子供なのです。」
侯爵夫人も、断固として教会に預けることを拒んだ。
「そうですか。では、最後にウィリアム君はどう思いますか。」
「ぼ、僕は、」
ウィリアムは、みんなの視線が一気に集まって緊張していた。
「僕は、絶対にみんなと離れませんっ。」
「ウィリアムも私たちと同意見ですので、これで失礼致します。」
「…そうですか。では、今日のところはこれで。また、後日そちらに向かわせていただきます。」
え、家には来ないでよ。この人感じ悪いもん。
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本当は言いたくなかったけど、みんなが辛い思いをするのであれば、仕方が無いよ。
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