小さな貴族は色々最強!?

谷 優

文字の大きさ
30 / 59

30話

しおりを挟む
   店主は、驚いていた。

(こんな子供が、白銀貨を何枚も持ち歩くとなると盗んでくださいと言っているようなもんだぞ。もし、他の人に見られていたとなれば大事だぞ___。)

店主は、ウィリアムを思ってか背中には冷や汗が流れる。

   「ウィリアム様、白銀貨をご使用される際は高価な物を買う時だけでございます。例えば、そうですね、粒の大きな宝石やお家を買う時、取引などですね。少しづつお金の価値を学んでいきましょう。」

エリスは、お金の価値を説明していた。

   「うーん。難しいなぁ。」

日本に住んでいた頃と、貨幣価値やお金の形が違うから難しく思っていた。

    「…ウィリアム…。どっかで、聞いた事あるな。」

店主は、何かを思い出そうとしていた。

    「はっ___ッ。領主の息子か!」

(確かに、考えたら分かるよな。あっちの姉ちゃんは、子供の1歩後ろに下がって見ていた。あの子供の服は、華やかでは無いといえど上質な素材を使っている。俺に敬語を使っているから尚貴族とは思えなかった。それに、"ウィリアム"と言う名前は侯爵家の子息しかいない___。)

   「え?」

店主が大きな声でウィリアムに該当することを言うので、驚いてた。

    「…お前さん、貴族なのか?」

   「はい。」

ウィリアムは、貴族かと聞かれ困惑したが店主はいいひとそうなので肯定した。

(まずい、いくら子供といえど相手は貴族だ。平民と貴族じゃ身分が違いすぎる。いつものように、客に接してしまった。不敬罪で、捕まるのか___)

店主は、顔に出さずとも内心焦っていた。

   「どうしたんですか?」

   「数々の無礼をお許しくださいっ。俺には、家族がいます。仕事を失えば、家族が路頭に迷うことになってしまいます。どうか、ご慈悲を___。」

店主は、思いっきり頭を下げた。

  (あの件で、学んだはずだろ。貴族は、我々民をゴミとしか見ない。貴族とは二度と関わらないと決めただろう。家族にもう苦しい想いは、、、させたくないんだっ。)

   「お父ちゃん?どうかしたの、大きな声を出__。」

店の奥から、ウィリアムと同じくらいの歳の子が出てきた。どうやら、店主の声に驚いて中から出てきたようだった。

   「中に入っていなさい!」

ビクッ

子供は、びっくりして中に隠れた。

   「え、え、え!?頭を上げてください。店主さんは、何も悪いことしていないじゃないですか!ね、ね、エリス。そうだよね!」

ウィリアムは、店主の行動に驚きエリスに共感を求めた。

   「ウィリアム様が、不敬では無いと仰るのでしたらそうなのでしょう。」
 
   ちょっとその言い方、あの人が悪いことをしたみたいじゃん。大人が僕に頭を下げるなんて、しかも怯えた様子で。一体過去に何があったの?この人、良い人そうだし、さっきの子供は息子さんかな?びっくりして中に入っちゃったよ。

    「直ぐに、店を畳んで領地内から出ます。ですので、どうか徴収だけは___。」

  僕が、悪者みたいになってるよぉ。貴族は、悪い人が多いの?でも、この人僕が頭をあげるように言っても怯えて下がったままだ。

   「顔を上げてください。」

ウィリアムが、落ち着いた声で頭をあげるように言った。店主は、その声を聞き入れゆっくりと頭を上げた。

    「僕は、店主さんの接客の仕方とても好きですよ。話しかけやすいですし。それに、不敬なことは一切行なっていないじゃないですか。僕が、お金を少し多く出しても騙すようなことはしなかったですしね。」

    「そ、それは。」

   「そ・れ・に、徴収なんて絶対にしないですよ!僕のお兄様やお父様、お母様だってこの程度の事なんとも思わないです!街の様子を見ればわかるじゃないですか!」

   「…確かに、この街はみんな笑顔で溢れている。」

店主は、窓の外を見つめた。
  (俺もこの街に来てから、生きづらさを感じたことは無い。それは、きっと妻も息子も同じなはずだ。)

   「今後、またこのお店に頻繁に来ると思いますが、初めに会った時のように接して下さいね。」

店主さんを怖がらせないように、護衛は付けなかったけど結果的に同じになっちゃったな。

   「…あ、ありがとうございます!」

   「僕に対しては、敬語は禁止です。」

ウィリアムは、貴族と平民という壁を超え良好な関係を築きたかった。

   初めに会った時のような態度じゃなくなって、いきなり態度を変えられたらこっちが悲しいし。

   「あぁ、ありがとな。」

店主は、やっと落ち着きを取り戻した。



   

   


しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

才がないと伯爵家を追放された僕は、神様からのお詫びチートで、異世界のんびりスローライフ!!

にのまえ
ファンタジー
剣や魔法に才能がないカストール伯爵家の次男、ノエール・カストールは家族から追放され、辺境の別荘へ送られることになる。しかしノエールは追放を喜ぶ、それは彼に異世界の神様から、お詫びにとして貰ったチートスキルがあるから。 そう、ノエールは転生者だったのだ。 そのスキルを駆使して、彼の異世界のんびりスローライフが始まる。

3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福無双。〜メシ作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜

幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
伯爵家の当主と側室の子であるリアムは転生者である。 転生した時に、目立たないから大丈夫と貰ったスキルが、転生して直後、ひょんなことから1番知られてはいけない人にバレてしまう。 - 週間最高ランキング:総合297位 - ゲス要素があります。 - この話はフィクションです。

転生無双なんて大層なこと、できるわけないでしょう! 公爵令息が家族、友達、精霊と送る仲良しスローライフ

幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
アルファポリス様より書籍化! 転生したラインハルトはその際に超説明が適当な女神から、訳も分からず、チートスキルをもらう。 どこに転生するか、どんなスキルを貰ったのか、どんな身分に転生したのか全てを分からず転生したラインハルトが平和な?日常生活を送る話。 - カクヨム様にて、週間総合ランキングにランクインしました! - アルファポリス様にて、人気ランキング、HOTランキングにランクインしました! - この話はフィクションです。

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

転生ちびっ子の魔物研究所〜ほのぼの家族に溢れんばかりの愛情を受けスローライフを送っていたら規格外の子どもに育っていました〜

幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
高校生の涼太は交通事故で死んでしまったところを優しい神様達に助けられて、異世界に転生させて貰える事になった。 辺境伯家の末っ子のアクシアに転生した彼は色々な人に愛されながら、そこに住む色々な魔物や植物に興味を抱き、研究する気ままな生活を送る事になる。

家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜

奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。 パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。 健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。

処理中です...