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78話
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「お父様、あの、あの襲撃は私が招いたものです。」
公爵は、疑問を持っただろうが不思議そうな顔をせずただ、まっすぐにティアナの方を見ていた。
ティアナはハンカチを取り出そうとポケットに手を入れた。
え、ハンカチがない。
いや、それ以前に昨日着ていたドレスではない。寝巻きになっている。着替えさせてくれたのだろうが、最悪だ。もしかしたら、洗われてちるかもしれない。そうなれば、全てが無駄になる。
「私のハンカチ…。」
「昨日のティアナが持っていた、ハンカチの事か?」
「…はい。あれに、全てが詰まっているんです!」
どうしてお父様知っているの。それ以前に、あのハンカチには毒の成分が入ってるかもしれないのに。
「昨日、襲撃された時ティアナはポケットを強く握っていた。何か伝えたいことでもあるのかと思い、確認したところ小袋に入っていたハンカチがあった。袋にハンカチを入れるのは、不自然だと思ってな、洗わずに取っておいた。」
なら、ハンカチは無事ってこと。
「今、ハンカチはどこにあるのですか。」
「ヴァイスが持っている。あれは、紅茶が染み込んでいるのか。」
ハンカチ確認したしたんだ。でも、本当に、「良かったぁ。ハンカチには、お父様の言う通り紅茶が染み込んでいます。ですが、あの紅茶には何らかの成分が入っているはずです。」
「昨日、お母様のところに行き庭園を散歩することになったのですが、そこで不審な動きをする侍女を見つけたのです。」
「その侍女の名前は、分かるか。」
「カミラと言っていました。カミラは、お母様にお出しするであろう紅茶に、透明な液体を混入させていたのです。初めは、薬かと思っていたのですが微かに笑っていたので、不思議に思いました。そこで、成分を量るために、紅茶を摂取し染み込ませました。それがあの、ハンカチなのです。」
ティアナは、さらに自分の主張を続けた。公爵夫人の助けになるかもしれないと。助けたいと。
「もしかしたら、あの紅茶には"毒"が混入しているのではないでしょうか。それなら、お母様の体調不良の原因が病気ではなく"毒"によるものなら、解毒剤をお出しすれば助かります。」
「あ母様を助けることができるのです!」
「ティアナ、安心しろ。私も不思議に思いあらかじめ、ハンカチに含まれる物質を調べるように回しといた。直に、成分が分かるだろう。」
す、凄い、行動が速い。少ししかない情報でここまで推測し、行動に移せるなんて。
「それに、ティアナ。君が気に病む必要はない。お前の勇気ある行動のおかげで、フローラが助かる可能性がある。襲撃はお前のせいでは無い。」
公爵は優しくティアナの頭に触れ、愛おしそうに撫でた。
「侍女カミラか…。ティアナ、貴重な情報を感謝する。やるべき事があるから私は少しここを離れる。」
「分かりました。お気を付けて…。」
「それと、少ししたら動物が入ってくるかもしれないが驚くことはない。」
「え、動物ですか?」
「あぁ。私たちが馬車に到着すると、刺客は全員倒れていたんだ。ディーノの報告によると、その動物が打ちのめしたらしい。」
「知らなかった。」
てっきり、騎士団とお父様たちで刺客を倒したのかと思ってた。
でも、動物、動物?野生の動物って気性が荒いんじゃないの?
ティアナは、疑問に思っていた。
公爵は、疑問を持っただろうが不思議そうな顔をせずただ、まっすぐにティアナの方を見ていた。
ティアナはハンカチを取り出そうとポケットに手を入れた。
え、ハンカチがない。
いや、それ以前に昨日着ていたドレスではない。寝巻きになっている。着替えさせてくれたのだろうが、最悪だ。もしかしたら、洗われてちるかもしれない。そうなれば、全てが無駄になる。
「私のハンカチ…。」
「昨日のティアナが持っていた、ハンカチの事か?」
「…はい。あれに、全てが詰まっているんです!」
どうしてお父様知っているの。それ以前に、あのハンカチには毒の成分が入ってるかもしれないのに。
「昨日、襲撃された時ティアナはポケットを強く握っていた。何か伝えたいことでもあるのかと思い、確認したところ小袋に入っていたハンカチがあった。袋にハンカチを入れるのは、不自然だと思ってな、洗わずに取っておいた。」
なら、ハンカチは無事ってこと。
「今、ハンカチはどこにあるのですか。」
「ヴァイスが持っている。あれは、紅茶が染み込んでいるのか。」
ハンカチ確認したしたんだ。でも、本当に、「良かったぁ。ハンカチには、お父様の言う通り紅茶が染み込んでいます。ですが、あの紅茶には何らかの成分が入っているはずです。」
「昨日、お母様のところに行き庭園を散歩することになったのですが、そこで不審な動きをする侍女を見つけたのです。」
「その侍女の名前は、分かるか。」
「カミラと言っていました。カミラは、お母様にお出しするであろう紅茶に、透明な液体を混入させていたのです。初めは、薬かと思っていたのですが微かに笑っていたので、不思議に思いました。そこで、成分を量るために、紅茶を摂取し染み込ませました。それがあの、ハンカチなのです。」
ティアナは、さらに自分の主張を続けた。公爵夫人の助けになるかもしれないと。助けたいと。
「もしかしたら、あの紅茶には"毒"が混入しているのではないでしょうか。それなら、お母様の体調不良の原因が病気ではなく"毒"によるものなら、解毒剤をお出しすれば助かります。」
「あ母様を助けることができるのです!」
「ティアナ、安心しろ。私も不思議に思いあらかじめ、ハンカチに含まれる物質を調べるように回しといた。直に、成分が分かるだろう。」
す、凄い、行動が速い。少ししかない情報でここまで推測し、行動に移せるなんて。
「それに、ティアナ。君が気に病む必要はない。お前の勇気ある行動のおかげで、フローラが助かる可能性がある。襲撃はお前のせいでは無い。」
公爵は優しくティアナの頭に触れ、愛おしそうに撫でた。
「侍女カミラか…。ティアナ、貴重な情報を感謝する。やるべき事があるから私は少しここを離れる。」
「分かりました。お気を付けて…。」
「それと、少ししたら動物が入ってくるかもしれないが驚くことはない。」
「え、動物ですか?」
「あぁ。私たちが馬車に到着すると、刺客は全員倒れていたんだ。ディーノの報告によると、その動物が打ちのめしたらしい。」
「知らなかった。」
てっきり、騎士団とお父様たちで刺客を倒したのかと思ってた。
でも、動物、動物?野生の動物って気性が荒いんじゃないの?
ティアナは、疑問に思っていた。
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